奥羽山脈の山

  • 会津駒ヶ岳

    標高 2133 m

    • 福島

    福島県檜枝岐村に位置する日本百名山。山頂から中門岳へと延びるなだらかな尾根上には広大な湿原が展開し、中門池をはじめ大小の地溏が点在する。雪解けとともにハクサンコザクラ、ワタスゲ、チングルマなどの高山植物が咲き競い、初秋からは黄金色の草紅葉が輝く。燧ヶ岳や至仏山などを眺め、花々に出会いながらの尾根歩きは、「山上の楽園」と呼ぶにふさわしい。山頂はクマザサや灌木に遮られて見晴らしはあまりよくないが、晴れた日には富士山が遠望できる。登山コースは数本あるが、東側の滝沢登山口からの利用者が大半。山頂の南直下には有人小屋の駒の小屋が建っている。檜枝岐村は温泉でも有名なので、下山後には立ち寄りたい。

  • 帝釈山

    標高 2060 m

    福島県と栃木県の県境に連なる帝釈山脈の主峰。山深い場所にそびえることから、かつては“幻の名山”と呼ばれることもあったが、福島県桧枝岐村側からの林道が登山口の馬坂峠(うまさかとうげ)まで開通したことで多くの登山者が訪れるようになった。絶滅危惧種に指定される日本固有種・オサバグサの群生地として知られ、峠から山頂までの間と、山頂から稜線続きの田代山までの間は6月中旬前後、ランプシェード形の白く可憐な花を数多く見ることができる。馬坂峠から山頂までの登山時間が50分ほどと短いことから、田代山の湿原まで往復する登山者が多いが、湿原の花々はオサバグサの花期よりやや遅いので(年によって大きく異なる)、事前に役場や観光協会などで確認しておくといい。

  • 岩手山

    標高 2038 m

    岩手県北西部の滝沢市、雫石町、八幡平市にまたがる活火山で別名、巌鷲山(がんじゅさん)。秀麗なスタイルから南部富士、南部片富士、岩手富士などとも呼ばれ、石川啄木がその歌集『一握の砂』で詠んだ「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」の歌は、故郷の岩手山をたたえた作品としてあまりに有名だ。複雑な火山形態を有する大きな山体の山頂部には直径約1㎞の大噴火口があり、中央部の御室火口はいまも水蒸気を噴出している。柳沢、焼走り、鬼ヶ城など変化に富んだコースは数多いが、アクセスの便利な柳沢コースの人気が高い。それでも往復の歩行時間は10時間ほどになるため、八合目の避難小屋(有料)に泊まるスケジュールがおすすめ。

  • 三本槍岳

    標高 1917 m

    栃木県の北端にそびえ、福島県と境を接する百名山。いまも蒸気ガスを吹き上げる活火山の茶臼岳、鋭い山姿の朝日岳、最高峰の三本槍岳の3山を総称して那須岳と呼ぶ。活火山のために油断はできないが、ロープウェイを使えば茶臼岳山頂までなら1時間とかからない。ただし、三本槍岳までの縦走となると総行動時間は7時間以上必要となり、早朝の出発が原則となる。昼間時間の長い6~7月頃がおすすめだ。茶臼岳一帯は紅葉がすばらしいエリアとしても知られ、時間が許せば山頂西側の姥ヶ平・ひょうたん池まで足を延ばすといい。また、那須岳一帯は有数の温泉地であり、茶臼岳東麓の大丸温泉、弁天温泉、北温泉、朝日岳西麓の三斗小屋温泉など、いで湯での後泊は味わいがある。

  • 蔵王山(熊野岳)

    標高 1841 m

    山形県と宮城県の県境になだらかな姿を見せる活火山で、山形側が山形蔵王、宮城側が宮城蔵王と呼ばれる。また、蔵王山を東西に横断する蔵王エコーラインの北側を北蔵王、南側を南蔵王と呼ぶこともある。蔵王山は、熊野岳を最高峰とする蔵王連峰の総称だが、その名の表記は「ざおうさん」「ざおうざん」の二通りがあり、紆余曲折を経て近年、地元自治体、国土地理院、気象庁なども2つの呼び名を併記することに決まった。国内にある111の活火山のなかでは活動が比較的活発な山で、熊野岳の避難小屋や刈田岳のレストハウスには緊急時用のヘルメットや水などが用意されている。刈田岳や馬ノ背付近にはエスケープルートも整備されているので、登山前に自治体HPなどで確認しておくといい。

  • 磐梯山

    標高 1816 m

    会津盆地の東に位置し、南面や東面から眺めた際の端正な姿から“会津富士”とも呼ばれる福島県のシンボル的存在。日本で4番目に大きな猪苗代湖へと続く南麓にはいくつものスキー場があり、一年を通して観光客が絶えない。一方、明治の大噴火で大きな被害を及ぼした北面はいまも荒々しい景観を呈し、噴火の結果として生まれた五色沼など裏磐梯エリアは、福島県随一のリゾートとして人気を博している。山頂へは四方から登山道が延びているが、最短路は西側の八方台からで、山頂まで約2時間30分。大駐車場もあってマイカー派にも便利なコースだ。山頂直下の弘法清水には2軒の茶屋が立ち、天気急変時には助かる。磐梯山の固有種、バンダイクワガタは山頂東面の沼ノ平周辺に多い。

  • 安達太良山

    標高 1700 m

    東北新幹線の車窓からもひと目でわかる、なだらかで大きな山容を持った福島県の名山。高村光太郎の第二詩集『智恵子抄』にある“ほんとの空”のくだりでは阿多多羅山と表現されている。なだからな山頂部に岩がぽこんと乗った独特の姿から、おっぱい山などとユーモラスな名も付けられているが、気象庁が指定する常時観測火山でもある。噴火の可能性があることは忘れずにいたい。山頂の北にある通年営業のくろがね小屋※は温泉付きの山小屋で、カレーライスが評判だ。立ち寄り入浴もできる。また近年、隠れた人気となっているのが、安達太良山から北に稜線続きの箕輪山山腹にできるハート形の雪形。毎年、バレンタインデー前後の晴れた日の午前10時頃、福島市側から見ることができるそうだ。 ※建て替えのため、休業中。トイレ・休憩の利用もできません。2025年度に再開予定。

  • 秋田駒ヶ岳

    標高 1637 m

    秋田・岩手県境の秋田駒ヶ岳(標高1,637m)は、最高点の男女岳(女目岳)をはじめ、男岳や女岳、横岳、小岳などを総称した火山地形の山。高山植物特別保護地区に指定される豊富な高山植物の宝庫で、ニッコウキスゲやタカネスミレ、コマクサなどが梅雨から夏の終わりまで開花する。火山地帯だけに温泉も多く、宿泊地に事欠かない。数ある登山道のうち、最もポピュラーなのは北面の八合目登山口から。1時間半ほどの登りだが、周囲を見渡す大展望や池の周囲に展開するお花畑など、この山の魅力が凝縮したコースだ。時間があれば、北東へ伸びる稜線をたどって烏帽子岳(乳頭山)まで行けば、より充実した山行になるはずだ。

  • 栗駒山

    標高 1627 m

    秋田・岩手・宮城の3県にまたがる栗駒山(秋田側では「大日岳」、岩手側では「須川岳」とも称される)は、栗駒国定公園にある日本二百名山。花の山としても知られ、田中澄江著『花の百名山』で選定されたヒナザクラをはじめ、イワカガミやイワイチョウなどが6~7月の登山道を彩る。また、全国でもっとも紅葉が美しい山のひとつと言われ、秋には山肌一面を覆うブナやナナカマドが見事な色付きを見せる。山麓には須川高原温泉や駒の湯など、山のいで湯も数多い。登山道は9本あり、よく利用されるのは岩手県側の須川高原温泉からの須川コースと、宮城県側のいわかがみ平からの東栗駒コース、中央コース。いずれも2時間ほどで山頂に立てる。

  • 岩木山

    標高 1625 m

    岩木山は青森県弘前市と鰺ヶ沢町に位置し、標高1,625mは県内一の高峰である。信仰の対象として古い歴史をもつ、津軽の人々のふるさとの山となっている。山中には5本の登山コースがあるが、よく歩かれるのは「津軽一の宮」岩木山神社里宮からの百沢コースと、名湯・嶽温泉からの嶽コース。前者は岩木山固有種のミチノクコザクラ(花期7月中旬・ただしこの頃はまだ残雪がある)が見られる。後者は山麓からブナ林をひたすら登っていくコースだが、八合目まで車道が通っているので(さらにリフトで九合目まで行ける)、短時間で岩木山神社奥宮が建つ山頂に立てる。その山頂からは、同じ県内の名峰・八甲田山や白神岳、津軽海峡などの雄大な展望が楽しめる。

  • 八幡平

    標高 1613 m

    岩手県と秋田県の県境に位置する、その名のとおりのなだらかな山。古代の噴火の影響で火口湖や小さなピークが点在し、夏の花の時期は何とも美しい景観を見せる。県境の登山口から山頂までの標高差はわずか70mほどで、歩行時間は約30分。日本百名山のなかで最も楽に山頂に立てる山のひとつだ。平らな山であり、針葉樹に包まれていることもあって展望はそうそう期待できないが、八幡平三大展望地と呼ばれる山頂東側の源太森、茶臼岳、南側の畚岳(もっこだけ)からは近接する岩手山などの大きな眺めが広がる。また、近年話題となっているのが、山頂近くにある鏡池の雪解け時のみに見られる「八幡平ドラゴンアイ」だ。池水と残雪がつくる巨大な目の玉を見られる時期は5月中旬~6月中旬。

  • 八甲田山

    標高 1585 m

    青森県青森市と十和田市などにまたがる八甲田山は、1902(明治35)年の「八甲田雪中行軍遭難事件」で知られる。ひとつの山ではなく、18の峰々で構成される一つの大きな山体の総称である。最高峰である八甲田大岳(標高1,585m)や高田大岳などを中心とする北八甲田連峰と、国道103号を挟んで南に対峙する櫛ヶ峰をはじめとする南八甲田連峰に分かれる。高層湿原に咲く花々から秋のブナや湿原の紅葉、冬の樹氷まで、四季を通じて楽しめる山だ。最高峰の八甲田大岳へは、八甲田ロープウェイを利用する最短コースと、酸ヶ湯温泉を起点とする毛無岱(「岱(たい)」は湿原のこと)経由と仙人岱経由の2つのコースが主な登山道。

  • 二岐山

    標高 1544 m

    福島県天栄村と下郷町の境にあり、最高点の男岳(標高1,544m)と女岳(同1,504m)の2つのピークを持つ双耳峰。特徴的な山容は、福島県内の多くの山からその姿が確認できる。ダイダラボッチ(日本伝承の大男)がこの山をまたごうとして股間のイチモツを山頂にぶつけたために山が割れ、このような山容になったという伝説がある。江戸時代の画家・谷文晁の『日本名山図会』にもその名が記されている。登山は、バス便や広い駐車場がある二岐温泉を起点に、女岳~男岳へと登る周回コースがおすすめ。男岳南面のブナ林や御鍋神社の樹齢520年の大サワラ、男岳からのすばらしい展望、約5軒の宿がある東麓の二岐温泉など、登山の魅力が満載のコースだ。

  • 船形山

    標高 1500 m

    宮城・山形の県境、奥羽山脈上に位置する日本二百名山で、宮城県側は「船形山」、山形県側では「御所山」と称される。宮城県側では船を逆さにした船底のような形状から「船形山」と呼ばれ、一方の山形県側では順徳天皇が隠れ住んだという伝承から、「御所山」と呼ばれるようになったという説がある。かつては豊かなブナの原生林が広がっていたが、伐採によりその数を減らした。その後1985年に結成された「船形山のブナを守る会」の手により、ブナ林が再生しつつある。登山道は宮城県側が升沢コースと色麻コース、山形県側は層雲峡コースと観音寺コースが一般的。このうち最短時間で山頂に立てるのは色麻コース(約2時間)だ。

  • 烏帽子岳(乳頭山)

    標高 1478 m

    十和田八幡平国立公園の南部にある山で、秋田・岩手県境に位置する。岩手側は烏帽子岳、秋田側からは乳頭山と呼ばれる。高山植物も多彩で、中でも山頂東方の高層湿原・千沼ヶ原は、尾瀬にも匹敵すると言われている。岩手側の登山口に滝ノ上温泉、秋田側の登山口には黒湯や孫六、蟹場などの温泉があり、登山とセットで名湯も楽しめる。おすすめのコースは、孫六温泉を起点に一本松コースを登って山頂に立ち、孫六コースを下って孫六温泉に戻る、約4時間の周回コース。うっそうとしたブナの林やオオシラビソの原生林、秋田駒ヶ岳や岩手山を一望する山頂からの大展望、田代平の高層湿原、そして温泉と、この山の魅力が凝縮されたプランだ。

  • 大東岳

    標高 1365 m

    仙台市太白区に位置し、奇岩奇勝の名勝・二口渓谷の源となる山。標高1,365mは、神室岳や面白山、小東岳などを有する二口山塊の最高峰。特徴ある台形状の山容は、仙台市街からもその姿が確認できる。南面を流れる大行沢は梯子滝をはじめとする滝を懸ける美しい渓谷となっており、夏場には沢登りも楽しむことができる。アプローチは秋保ビジターセンターがある本小屋集落を起点に表コース(立石沢コース)から山頂を経て、裏コースと言われる大行沢経由の道を下るのが一般的。とはいえ鼻こすりや弥吉ころばしの急斜面といった手強い箇所がある。山頂付近にはシャクナゲが群生し、見ごろは6月中旬~7月上旬にかけて。秋はカエデやブナの紅葉も美しい。

  • 泉ヶ岳

    標高 1172 m

    宮城県仙台市街の北西にあり、仙台の中心部から1時間ほどで行けるため、家族連れや小学生の課外活動などで賑わうまさに「仙台市民の山」だ。山名は、水神をはじめ豊富な湧き水を生み出すことが由来とされる。山頂部からは、仙台市街や太平洋、船形山などが見渡せる。主な登山道は南面のからの4コース(水神コース、滑降コース、カモシカコース、表コース)で、急斜面こそあるがいずれも2時間~2時間半ほどで祠の置かれた山頂に立つことができる。時間があれば、さらに北方の北泉ヶ岳(標高1,253m)まで足を延ばしてみよう。登山適期は山開きの4月20日ごろから11月上旬で、5月の新緑と10月の紅葉のころがベスト。

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