花の百名山

  • 槍ヶ岳

    標高 3180 m

    • 長野
    • 岐阜

    槍ヶ岳は長野県と岐阜県の境界にある、日本で5番目に高い山。日本百名山の1つ。北アルプスで(というより日本で)穂高岳と人気を二分する鋭峰。周囲の山々からもそれとわかるシンボリックな姿をもち、燕岳からの表銀座コース、烏帽子岳からの裏銀座コースなど、北アルプス北部から南部の穂高岳方面へと続くコースのほとんどは槍ヶ岳で収束する。日本第5位の標高を誇るこの山の開山者は、江戸時代後期の浄土宗の僧、播隆上人。数年の準備期間を経て上人は1828年(文政11)7月、安曇野の中田又重郎を案内人に初登頂を果たしたが、より多くの人が登れるよう、その後何度も登って鎖などの設置を続けた。播隆上人については『槍ヶ岳開山』(新田次郎著)に詳しい。大正から昭和にかけての著名な登山家である加藤文太郎、松濤明が遭難死した山でもある。

  • 御嶽山

    標高 3067 m

    長野県と岐阜県にまたがる標高3067mの独立峰。古くから信仰登山が盛んで、長い杖を持った白装束の修験者が行き交っていたが、多くの犠牲者を出した2014年9月の大噴火で様相は一変する。噴火後、しばらくの間は火口から概ね1㎞の範囲で立入禁止の措置がとられ、登山者の姿は山頂付近から消えた。2017年には噴火警戒レベルが1に下げられ、2018年秋から登山規制が緩和されたが、現在も活発な活動は続いている。 登山を行う場合には、必ず地元自治体等の最新の規制情報を確認した上で行動することが必要だ。 ※噴気活動の活発な噴気孔から概ね500mの範囲では、突発的な火山灰等のごく小規模な噴出に注意が必要です。  地元自治体等が行う立入規制等に留意し、登山する際はヘルメットを持参するなどの安全対策をしてください。 御嶽山噴火災害に関する情報はこちら:https://www.town-kiso.com/bousai/bousai/100206/100208/ 防災関連情報はこちら:http://www.vill.otaki.nagano.jp/info/news/otaki_apri_2.html

  • 仙丈ヶ岳

    標高 3033 m

    南アルプス最北の3000m峰。長野県と山梨県の県境にある北沢峠を挟んで甲斐駒ヶ岳と対峙するが、男性的な甲斐駒ヶ岳とは対称的になだらかな姿を見せ、「南アルプスの女王」とも称される。その全容を望むには、長野県の伊那谷側からでないと難しい。南アルプスでは北岳とともに花の名山として知られ、山頂南部の大仙丈カール(圏谷)、小仙丈ヶ岳南西部の小仙丈カール、山頂北部の藪沢カール周辺は7月上旬~中旬にかけて、みごとなお花畑が広がる。ただし、7月中旬前後まで藪沢周辺は残雪が多いので、雪上歩行に慣れていない人はこの時期、北沢峠~小仙丈ヶ岳~仙丈ヶ岳の尾根コースを往復するといい。また、日程と体力に余裕があれば甲斐駒ヶ岳往復を組み込んでも楽しいだろう。

  • 立山

    標高 3015 m

    日本百名山の立山は、北アルプス北部に位置する富山県が誇る名山で、主峰の雄山(標高3,003 m)、最高点の大汝山(3,015 m)、富士ノ折立(2,999 m)の3峰からなる連峰の総称である。富士山、白山とともに日本三霊山のひとつに数えられ、古くから山岳信仰の山として栄えてきた。標高2,425mの室堂から雄山山頂をめざすメインコースは難所が少なく、初心者でも歩きやすいので、ファミリー層も多い。山頂からは眼前にそびえる大汝山をはじめ、剱岳、薬師岳、後立山連峰など360度の展望が広がる。より歩きたい人は、室堂を起点に浄土山(2,831m)、立山、別山(2,880m)のいわゆる立山三山をめぐる周回コースを取るといいだろう。

  • 木曽駒ヶ岳

    標高 2956 m

    長野県南部に連なる中央アルプス(木曽山脈)の最高峰。登山者の多くが利用するロープウェイ・千畳敷駅がメインの登山口となる。標高約2600m、日本最高地点の駅前に広がる千畳敷は、日本でも有数のお花畑だ。ここから山頂へは、急登こそあるものの通過困難箇所はなく、天気が安定していれば初級者でもそう苦労せず山頂を踏めることだろう。コース沿いには中央アルプス固有種のコマウスユキソウ(ヒメウスユキソウ)が咲き、時間があれば中央アルプス唯一の氷河湖、濃ヶ池に立ち寄るのもいい。山頂周辺と宝剣岳北面には計5軒の山小屋もあって天気急変の際などは安心だが、一気に高度が上がるので高山病には注意が必要。水分をたっぷり摂ることとゆっくり歩くことが高山病を防ぐコツだ。なお、宝剣岳はクサリ場が連続する。岩場が苦手な人は立ち入らないように。

  • 白馬岳

    標高 2932 m

    長野、富山、新潟の3県にまたがる白馬岳(標高2,932m)は、北アルプス・後立山連峰を代表する高峰のひとつ。主要な登山道は、猿倉から白馬大雪渓経由のコースと、栂池パノラマウェイを利用して白馬大池経由で山頂を目指す2本。前者は大雪渓での落石や転倒などの危険が潜むが、雄大な光景とコース途中に現れるお花畑は多くの登山者を魅了する。後者は危険な岩場がほとんどなく、北アルプス初心者でも安心なルートだ。また、7月中旬〜8月上旬には白馬大池の水辺にチングルマやハクサンコザクラなど高山植物の競演が楽しめる。山頂には新田次郎の小説『強力伝』の題材にもなった展望盤があり、杓子岳や鑓ヶ岳など山々の大パノラマを眺望できる。

  • 薬師岳

    標高 2926 m

    富山県にあり、北アルプス最奥部の山として登るのがたいへんな山のひとつ。その名は病苦から人々を救う薬師如来(薬師瑠璃光如来)に由来し、古くから山岳信仰の対象として知られてきた。たいへん大きな山容を持ち、東面には北から南へと順に、北カール、小説『劔岳・点の記』(新田次郎著)に登場する山案内人・宮本金作の名をとった金作谷カール、中央カール、そして南稜カールの4つの圏谷(カール)が並び、これらは薬師岳圏谷群として国の特別天然記念物に指定されている。最短路となる西面の折立からのコースはこれといった難所もなく、夏なら体力勝負で山頂に立てるが、豪雪地帯の山ゆえ冬期登山は厳しいものとなり、1963年(昭和38)には愛知大学山岳部の大量遭難が発生している。

  • 西穂高岳

    標高 2909 m

    西穂高岳(にしほたかだけ)は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる標高2,909 mの飛騨山脈(北アルプス)南部の山である。山域は中部山岳国立公園に指定され、花の百名山に選定されている。 上高地や東西の方角から眺めると鋸歯状に岩稜が連なる山容が特徴である。無雪期の登山シーズン中に、新穂高ロープウェイの終点の西穂高口や上高地からの登山者で賑わう。西穂独標までは、穂高岳の入門コースとなっているが、西穂独標から山頂までは熟達者向きのコース、山頂から奥穂高岳までの区間の岩稜は北アルプスの主稜線上では屈指の難コースとなっている。西穂高岳落雷遭難事故の現場でもあり、今でも慰霊碑が鎮座し、慰霊登山を含む関係者らを迎えている。

  • 鹿島槍ヶ岳

    標高 2889 m

    長野県と富山県にまたがってそびえ、白馬岳とともに後立山連峰の主峰の一座。南峰と北峰をつなぐ吊り尾根はこの山のシンボルでもあり、奥穂高岳~前穂高岳間の吊り尾根と同様に美しい姿を見せる。どこから登っても日帰りは難しく、南側からは爺ヶ岳、北側からは五竜岳を経由する1泊以上の登山となる。爺ヶ岳からはこれといった難所はないが、五竜岳からの場合は、槍・穂高連峰の大キレット、唐松岳の不帰ノ嶮とともに日本三大キレットのひとつである八峰キレットを通過しなければならない。剱岳の別山尾根などと同レベルの登山となるので、細心の注意を払って行動したい。なおこの山では、北峰の北壁に突き上げるカクネ里雪渓が日本では数少ない氷河として知られている。

  • 双六岳

    標高 2860 m

    双六岳(すごろくだけ)は、長野県大町市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈の裏銀座の主稜線に位置する標高2,860 mの山である。双六岳を含む飛騨山脈の主な山域は1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園の指定を受けている。花の百名山、ぎふ百山、新高山市100景の一つに選定されている。 北側には飛騨山脈の主稜線が延び、三俣蓮華岳で立山連峰が後立山連峰へと延びる主稜線から分岐する。この山頂で稜線は東南東に向きを変えて槍ヶ岳、穂高岳へと主稜線が続き、東南東の隣のピークの樅沢岳から南西に分岐した稜線が弓折岳を経て笠ヶ岳へと続く。また、新穂高温泉からの1955年(昭和30年)に開設された小池新道の先には、双六岳と樅沢岳との鞍部がある。各方面からの登山道が交差する要所にあり、双六小屋がある。 双六岳は椀を伏せたような緩やかな高原状の山体で、山頂は砂礫の台地となっていて周氷河地形の線状構造土が見られ、その上に浮かぶ槍ヶ岳と穂高岳の展望地である。日本で44番目に高い山。山頂には二等三角点が設置されている。点名は「中俣岳」、所在地は岐阜県高山市大字金木戸字中俣岳695番地。