船形連峰縦走 三峰山/蛇ヶ岳/船形山(旗坂野営場より積雪期丸松保沢尾根から周回)
船形山(御所山)・泉ヶ岳・蛇ヶ岳
(宮城, 山形)
2024.03.24(日)
日帰り
■天候
晴れと曇りとガス 稜線は強風(10m~15m程度)
■アクセス
R457→県道147→旗坂野営場
舗装路ですが所により荒れています。
雪解け水がジャバジャバ道路に流れている箇所あり。
■駐車場
除雪終点に駐車。上手く停められれば5台位。
除雪終点手前にもいくつか停められる場所あり。
除雪終点は旗坂野営場から100m程手前。
※丸松保沢尾根について
この記録では便宜上、北丸松保沢と南丸松保沢に挟まれた尾根を丸松保沢尾根としています。正式な尾根名称ご存じの方教えてください。写真1枚目で計画した登りで使用した尾根です。
※ログが飛んでいて軌跡を修正したので実際はもう少し距離・標高あるかもしれません。
■登山ポスト
Compassにて提出。
旗坂野営場の登山ポストはまだ用紙無し。
■ルート状況(2024/3/24時点)
装備は歩き始めから終わりまでスノーシューとストック。
船形山から升沢小屋までの直登ルートは片手にピッケル。
〇旗坂野営場~三峰山(ほぼ記録無いので出来るだけ詳しく書きます)
野営場から林道歩き。除雪されておらず林道に雪は残っていました。一部雪解け水が流れ雪が消えている所があるがスノーシューで尾根取り付きまで繋げられました。北丸松保沢の橋を渡り少し進むと明瞭な取り付きがある。国土地理地図では切土崖のマークがあるが問題ない。取り付きからは尾根や沢などなるべく傾斜の緩い所を狙って登り始める。藪も埋まっており概ね歩き易い。いくつか急登はあるが広い雪原やブナの巨木もあり心休まる風景にも出会える。P969手前は少し急登。少し降って進むと核心部のP1089へと続く壁が見える。PlanAではここを登る予定であったが目の当たりにして無理と思った。少し北側に移動し北丸松保沢方面からの登りも考えたが多分状況は変わらないだとうと判断し休憩してPlanBに変更。眼下には南丸松保沢が見えており降ってみるが1箇所だけ口を開けていた…。少し怖かったが他は塞がっていたので上流側を無事に渡る。ただ沢床からもかなり見上げる程の急登。初めは上流の沢よりの尾根を登ろうかと思ったが危なそうと思い少し標高を下げてから隣の尾根を登る。それでも今まで味わった事のない急登で途中でアイゼンに換装する訳にもいかず腕ピッケル駆使してスノーシューを蹴り込んで登る。少し傾斜が落ち着いた後もまた急登があり同じ戦法で登った。登り切ってやっと等高線の間隔も広くなりブナの緩やかな雪原の登りとなった。そこから最後にひと登りして長倉尾根に合流しP1310へ。ここで漸く広く視界が開けて三峰山、後白髭山、北泉ヶ岳と泉ヶ岳、主稜線の先に蛇ヶ岳とガッスガスの船形山が。そこからさらに100m程標高を上げて漸く冬季三峰山登頂。
※PlanAは丸松保沢尾根を登って三峰山の北の稜線へ繋がるルート。
※PlanBは丸松保沢尾根のP1089手前の急登が登れない場合に備えて南丸松保沢を越えて三峰山手前のP1310辺りへと繋がるルート。
※PlanCは南丸松保沢が口を開けていて渡れなかったらそのまま戻るルート。
〇三峰山~蛇ヶ岳~船形山~旗坂野営場
主稜線は残雪たっぷり。三峰山直下は少し枝はうるさいが概ね良好。後白髭山との三叉路へ行くつもりが谷側に引っ張られてルート修正しながら三叉路へ、そこから蛇ヶ岳への登り。雪庇が張り出しているので少し注意。蛇ヶ岳からは緩やかになり船形山手前で最後の登り。升沢小屋からの分岐あたりまでは結構急登に感じました。分岐からは埋まっている藪をショートカットして船形山へ。船形山からは先週と同じ直登ルートを降って升沢小屋へ。以降は先週と同じなので割愛。小屋からはトレースバッチリで快適に歩けました。ありがとうございます。
■感動
先週船形山より見た三峰山が印象に残っており是非積雪期に登りたいと思った。だが長倉尾根や後白髭山からはちょっと遠いなぁと思い地図を眺めていると旗坂野営場からの林道に三峰山の北のピークに繋がる尾根があると気付く。その尾根の北と南に北丸松保沢と南丸松保沢があり沢歩きでは記録があるが積雪期にこの尾根を歩いた記録がほぼ見当たらない。BCの方が歩かれたような記録があるが軌跡がないので同じかは判断出来なかった。
今回私が歩いたこの記録では北丸松保沢と南丸松保沢に挟まれている尾根を丸松保沢尾根と呼ぶことにする。地図を見ると林道から概ね明瞭に三峰山近くのピークまで尾根が続いている。ただし1箇所、P1089手前の等高線が急激に狭まり壁のようになっているのが分かる。ここは実際見てみてアイゼン&ピッケルで行けそうなら登る、無理なら南側にある南丸松保沢へ一旦降りて雪渓を渡渉し三峰山手前のP1310付近へ上がる。更にもし南丸松保沢がポッカリ口を開けていたら大人しく下山。という計画でトライ。
旗坂野営場からの林道は所々雪解け水で地面が露出している箇所もあるはスノーシューで繋げられるので概ね良好でした。北丸松保沢の橋を渡り崖と思っていた箇所からすんなり取り付く事が出来た。初めは急登だがそのうち緩みブナ林をゆっくり進む。地図だとなだらかだったが等高線では見えない起伏もあり実際歩いてみないと分からないと感じながら進みP969の急登を登る。一旦降って進むとP1089手前の壁が明瞭に目の前に現れた。見える範囲で見てみたがピッケル&アイゼンでも厳しいだろうと思わざるを得ない斜度。もう少し北側に回り込んで北丸松保沢方面から取り付くかとも思ったが少し距離もあるので、ここは素直にPlanBへ切り替え。南丸松保沢は雪渓で埋まっていたが1箇所ポッカリ口を開けており上流側を恐る恐る渡る。目の前の滝と足元から轟轟と流れる音が聞こえていたので気温が高い日が続くと厳しくなるかもしれない。沢床から歩く尾根を見極めて取り付くがこちらも負けじと急登。アイゼンで取り付けばよかったもののスノーシュー登り始めたの蹴り込みながら腕ピッケルで少し雪の緩んだ急登を登る。2段構えになっており登り切った後にも短い急登があった。そこを越えたら漸くブナの巨木が立ち並ぶ雪原に出た。ここまで歩いた人だけが見られる景色に感動。既に足が終わりつつあったのでしっかり休憩しながら景色を目に焼き付ける。眺望は良く無かったが周囲のブナ林を眺めるだけでとても癒された。ここからは三峰山手前のP1310へ向けて緩やかに登り詰める。稜線に出ると一気に視界が開け船形連峰が一望。時間的に船形山はガスが掛かっていたがそれ以外のピークはまずまずの眺望。風は強かったが先週に比べたらそれほどでもない。初めて冬季の三峰山に立つことが出来て船形連峰の中央から前後の稜線を見渡す。稜線は雪たっぶっりでとても歩き易かった。蛇ヶ岳付近は特にモフモフで緩やかな稜線を楽しく歩くことが出来た。いつもは船形山から縦走していたが船形山へ向けての縦走は初めてで稜線から登る船形山はなかなかの登りだと気付く。升沢小屋からの分岐からはショートカットで山頂へ一直線。2週連続で冬季(?)船形山へ登頂。お菓子の家は健在、エビの尻尾は先週よりも更に成長していた。着いた時はガスだったが下山準備をしていると一瞬の晴れ間が!ここまで歩いて来たご褒美を頂いた様で一人歓喜した。山頂からは再び直登ルートを気持ち良く下る。小屋からはスッキリ晴れ渡った山頂を眺めてトレースバッチリのルートを楽々降り無事に周回を完歩。
記録がほぼ無いルートだったので少し緊張したが計画通りに歩けて大満足。地図を見て歩きながら地形と照らし合わせて最適なルートを探しながら登るのは楽しく、今回の山行はとても良い経験になりました。ありがとうございます。