岩手の山一覧

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    岩手県北西部の滝沢市、雫石町、八幡平市にまたがる活火山で別名、巌鷲山(がんじゅさん)。秀麗なスタイルから南部富士、南部片富士、岩手富士などとも呼ばれ、石川啄木がその歌集『一握の砂』で詠んだ「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」の歌は、故郷の岩手山をたたえた作品としてあまりに有名だ。複雑な火山形態を有する大きな山体の山頂部には直径約1㎞の大噴火口があり、中央部の御室火口はいまも水蒸気を噴出している。柳沢、焼走り、鬼ヶ城など変化に富んだコースは数多いが、アクセスの便利な柳沢コースの人気が高い。それでも往復の歩行時間は10時間ほどになるため、八合目の避難小屋(有料)に泊まるスケジュールがおすすめ。

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    遠野市・花巻市・宮古市の境に位置する。柳田国男の『遠野物語』にも登場する山で、山岳信仰や神話がいまも残る。日本地質学会によって「岩手県の岩石」として選定された蛇紋岩で形成され、“日本のエーデルワイス”と呼ばれるハヤチネウスユキソウやナンブトウウチソウなどの固有種が多いことで知られる。山頂の南側には国の特別天然記念物である森林植物群落が、北側には天然記念物であるアカエゾマツ自生南限地もあり、特有の植物構成を見せる山だ。こうした特性から、自然保護のため携帯トイレの使用が義務づけられていて、山頂トイレも携帯トイレ専用となっている。なお、一般登山者が不安なく登れるコースは小田越コースの1本で、最短の河原の坊コースは当分の間、通行止め。

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    秋田・岩手県境の秋田駒ヶ岳(標高1,637m)は、最高点の男女岳(女目岳)をはじめ、男岳や女岳、横岳、小岳などを総称した火山地形の山。高山植物特別保護地区に指定される豊富な高山植物の宝庫で、ニッコウキスゲやタカネスミレ、コマクサなどが梅雨から夏の終わりまで開花する。火山地帯だけに温泉も多く、宿泊地に事欠かない。数ある登山道のうち、最もポピュラーなのは北面の八合目登山口から。1時間半ほどの登りだが、周囲を見渡す大展望や池の周囲に展開するお花畑など、この山の魅力が凝縮したコースだ。時間があれば、北東へ伸びる稜線をたどって烏帽子岳(乳頭山)まで行けば、より充実した山行になるはずだ。

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    秋田・岩手・宮城の3県にまたがる栗駒山(秋田側では「大日岳」、岩手側では「須川岳」とも称される)は、栗駒国定公園にある日本二百名山。花の山としても知られ、田中澄江著『花の百名山』で選定されたヒナザクラをはじめ、イワカガミやイワイチョウなどが6~7月の登山道を彩る。また、全国でもっとも紅葉が美しい山のひとつと言われ、秋には山肌一面を覆うブナやナナカマドが見事な色付きを見せる。山麓には須川高原温泉や駒の湯など、山のいで湯も数多い。登山道は9本あり、よく利用されるのは岩手県側の須川高原温泉からの須川コースと、宮城県側のいわかがみ平からの東栗駒コース、中央コース。いずれも2時間ほどで山頂に立てる。

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    岩手県と秋田県の県境に位置する、その名のとおりのなだらかな山。古代の噴火の影響で火口湖や小さなピークが点在し、夏の花の時期は何とも美しい景観を見せる。県境の登山口から山頂までの標高差はわずか70mほどで、歩行時間は約30分。日本百名山のなかで最も楽に山頂に立てる山のひとつだ。平らな山であり、針葉樹に包まれていることもあって展望はそうそう期待できないが、八幡平三大展望地と呼ばれる山頂東側の源太森、茶臼岳、南側の畚岳(もっこだけ)からは近接する岩手山などの大きな眺めが広がる。また、近年話題となっているのが、山頂近くにある鏡池の雪解け時のみに見られる「八幡平ドラゴンアイ」だ。池水と残雪がつくる巨大な目の玉を見られる時期は5月中旬~6月中旬。

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    十和田八幡平国立公園の南部にある山で、秋田・岩手県境に位置する。岩手側は烏帽子岳、秋田側からは乳頭山と呼ばれる。高山植物も多彩で、中でも山頂東方の高層湿原・千沼ヶ原は、尾瀬にも匹敵すると言われている。岩手側の登山口に滝ノ上温泉、秋田側の登山口には黒湯や孫六、蟹場などの温泉があり、登山とセットで名湯も楽しめる。おすすめのコースは、孫六温泉を起点に一本松コースを登って山頂に立ち、孫六コースを下って孫六温泉に戻る、約4時間の周回コース。うっそうとしたブナの林やオオシラビソの原生林、秋田駒ヶ岳や岩手山を一望する山頂からの大展望、田代平の高層湿原、そして温泉と、この山の魅力が凝縮されたプランだ。

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    和賀岳(標高1,439m)は秋田県と岩手県にまたがる真昼山地の主峰であり、国の自然環境保全地域に指定されている。ひと昔前は獣が多い山域で、仙北マタギが活躍していた。薬師岳~和賀岳間の風衝草原はニッコウキスゲの大群落をはじめとする高山植物のお花畑となっているほか、寒冷地の蝶であるベニヒカゲの姿も見ることができる。主な登山道は秋田側の真木林道から薬師岳を経由するコースと、岩手側の高下登山口からこけ平を経由するコース。いずれも急斜面のある登りがいのあるコースだが、ブナ林やお花畑が疲れを癒してくれる。登山道開通記念碑のある山頂からは、真昼山地や岩手山などが一望できる。ニッコウキスゲの最盛期は7月中旬。

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    北上山地に位置する標高1,351mの山。岩手県釜石市と大船渡市、住田町にまたがり、日本三百名山に選定されている。山名の由来は、その昔仙台藩が直轄する山(御用山)だったことや、ゴヨウマツ(五葉松)が茂るから、などの説がある。花崗岩が露出した稜線からは、入り組んだリアス式海岸や奥羽山脈の山並みを一望できる。また、ツツジやシャクナゲの群落を筆頭に高山植物が豊富なため、花の時期は大勢の登山者でにぎわう。山頂へは四方から登山道が延びており、最短時間で山頂に立てるのは南面の赤坂峠登山口から。最高点となる日の出岩は、ヒノキアスナロ・コメツガなどの原生林が暗く苔むした林床をつくる独特の世界が広がっている。

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    岩手県盛岡市にある姫神山(標高1,124m)は、北上川をはさんで岩手山と対峙する名山。岩手山に標高こそ及ばないが、均整のとれた三角錐の美しい姿が印象的で、この地出身の歌人・石川啄木がこよなく愛した山でもある。霊山として信仰され、山麓の姫神嶽神社には姫大明神、素勢理姫命(すせりひめのみこと)が祀られている。登山コースは4つあるが、駐車場やキャンプ場が完備された西側からの一本杉コースが家族連れなどに人気。花崗岩が露出した山頂からは北上山地の山々や岩手山など360度の展望が楽しめる。山麓には石川啄木生家の常光寺、渋民周辺には石川啄木記念館や啄木の歌碑が立つ公園などもあるので、訪ねてみてもよいだろう。

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    岩手県八幡平市にある山で、登山家・岩崎元郎氏による「新日本百名山」に選ばれている。均整のとれた美しいピラミッド型の山容をなし、岩手山、早池峰山とともに「岩手三山」に数えられる。美しい響きである山名は、日に何度も天候が変わることが由来とされる(諸説あり)。山頂は一等三角点がある北峰と最高点の南峰の双耳峰で、ともに展望を遮るもののない絶景が広がっている。登山道は田代平コースと高清水コース、西根寺田コースの3本があり、山麓に宿泊施設(七時雨山荘)がある田代平コースが最も利用される。田代平からの往復でも3時間ほどの行程なので、北面にある田代山(標高945m)とセットで登るのもよいだろう。