YAMAP / ヤマップ

北海道百名山

  • 旭岳(大雪山)

    標高:2291 m

    • 北海道

    体力度

    23

    旭岳(標高2,291m)は北海道の中心部に位置する大雪山系の主峰で、北海道の最高峰でもある。山の名は、忠別川の源にあるところから、アイヌ語で「チュプ・ベツ」(日の川)を「旭」としたもので、旭川市の名の由来も同じである。山麓の旭岳温泉から標高1,600mの姿見駅まで大雪山旭岳ロープウェイが運行され、利用すれば山頂までは2時間半ほど。山頂からは360度の眺望が楽しめ、目前には表大雪の山々と北大雪の山々、遠く日本百名山の阿寒岳や羅臼岳なども見渡せる。姿見ノ池に広がるお花畑の見ごろは7~8月、日本一早いとされる紅葉は、9月中旬~下旬が見ごろ。往復登山でもいいが、御鉢平を経て黒岳への縦走(約8時間)がよりおすすめ。

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    大雪山国立公園のほぼ中央にどっしり構える山で、山上には大小の湖沼群、数多くの高山植物、無数に積み重なる岩の造形などが見事に配置され、さながら自然の庭園のようだ。一般的なコースは、登山口にあるトムラウシ温泉に1泊して短縮登山口から正規コース分岐に出てカムイ天上、コマドリ沢出合、前トム平を経て山頂をめざす。コマドリ沢付近の岩礫帯はエゾナキウサギの生息地で、耳をすませば鳴き声が聞こえ、姿が見られることも。10時間以上の行程なので、山頂直下の南沼でのテント泊が望ましい。また、7月下旬頃まで残雪を見る登山道では、視界不良時の道迷いに要注意。2009年の大量遭難は山頂北面のロックガーデンで発生した。

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    3

    上川郡新得町と美瑛町、空知郡上富良野町に三町にまたがる十勝岳(標高2,077m)は、大雪山国立公園の西南部に位置する十勝連峰の主峰で、今なお噴煙を上げるコニーデ型の活火山。過去に何度も爆発し、噴火のたびに地形が変化し、登山道も変わっている。火山礫に覆われた山頂部は草木も生えない荒涼とした世界だが、360度の視界が開け、十勝連峰や表大雪の山々、富良野盆地越しに見える芦別岳など、北海道の地形が実感できる景観を楽しめる。また山頂へは四方から登山道が延びるが、北面の望岳台からが一般的(山頂へ約3時間半)。体力があれば、山頂から北東の美瑛岳(標高2052m)とセットで登る周回もいいだろう。

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    45

    幌尻岳(標高2,052m)は、「北海道の背骨」と呼ばれる日高山脈の最高峰。大雪山系以外では、北海道内唯一の2000m峰である。山頂部に氷河期のカール(圏谷)を悠々と抱く姿はその名にふさわしい。カールの周囲には見事なお花畑が広がり、ヒグマやシカの採食地にもなっている。幌尻岳へのアプローチは主に西側の額平川からと南側の新冠川からの道だが、登山者の多い額平川コースでも、水量の多い沢の徒渉の連続、1000m以上の標高差の急な登降と、手強い行程が待ち受ける。避難小屋(幌尻山荘)利用の登山となるので、食料や寝具、炊事用具も忘れずに。「日本百名山」の中でも最難関レベルといわれる山ゆえ、登山の際は入念な準備を。

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    3

    支笏洞爺国立公園西端に位置する羊蹄山(標高1,898m)は、均整のとれた姿から「蝦夷富士」の名で親しまれる成層火山。アイヌ語では「マチネシリ」(女山)とも呼ばれ、「ピンネシリ」(男山)と呼ばれる尻別岳と対をなし、夫婦山とされている。3つの火口がある山頂は、虻田郡倶知安町、京極町、喜茂別町、真狩村、ニセコ町の5町村にまたがる。4本ある登山道はいずれも標高差が大きく急登が続くハードな登山となるが、エゾタンポポやオノエリンドウなど豊富な高山植物が見られることや山頂からの大展望など、頑張って登るだけの価値はある。ただし独立峰だけに天候が崩れると想像を絶する悪条件となる。気象条件をよく見極めて登山に臨みたい。

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    3

    日本海に浮かぶ利尻島にある利尻山(別名「利尻富士」)は、深田久弥の『日本百名山』の最初に登場する。深田氏は、「島全体が一つの頂点に引きしぼられて天に向かっている。こんなみごとな海上の山は利尻山だけである」と称賛している。山名はアイヌ語の「リ・シリ」(高い島山)の音訳。登山のシーズンは夏。7月から8月にかけては固有の高山植物が開花する。山頂からは360度の眺望が楽しめ、西に沓形の町並み、北には礼文島を望むことができる。その山頂へは大半の登山者が利用する北面からの鴛泊(おしどまり)コースと西面からの沓形コースがあり、山頂直下で合流する。いずれのコースも上部は崩壊が進んでおり、滑落に気を付けたい。

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    34

    斜里郡斜里町と目梨郡羅臼町の境界に位置する羅臼岳(標高1,661m)は、北海道北東部に突き出た世界自然遺産・知床半島の最高峰。岩を積み上げたような山頂からはオホーツク海や根室海峡、知床半島の山々、北方領土の国後島も一望できる。夏には羅臼平周辺の草地でエゾキンバイソウ、エゾコザクラなどの高山植物がいっせいに咲き競う様が美しい。登山コースは羅臼コースと岩尾別コースがあるが、整備のされた岩尾別コースが歩きやすい。登山口には岩尾別温泉があるので、前日に岩尾別温泉の宿か木下小屋(素泊まり)に宿泊して翌早朝に出発するとよい。また、コース一帯はヒグマの生息地なので、ベアベルを鳴らすなどクマ除け対策は万全に。

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    知床半島のつけ根に裾野を広げる斜里岳(標高1,547m)は、利尻岳や鳥海山にも似た美しい姿を見せる成層火山。古くは「オンネ・ヌプリ」(老いた山)と呼ばれ、斜里コタンの人々に敬われていた。山名は斜里川の水源に由来し、斜里(シャリ)はアイヌ語の「サルン・ペッ」(葦原にある川)にちなむ。登山道は西面からの清里コースと北面の三井コースの2本があるが、大半の登山者は滝の連続する沢登りと見通しのよい尾根歩きの周回が楽しめる、清里コースを利用する。コース途中ではエゾイチゲやチシマノキンバイソウなど北海道特有の花々が見られ、広い礫地の山頂からは羅臼岳をはじめとする知床連山やオホーツク海が一望できる。

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    23

    雌阿寒岳(標高1,499m)は、マリモで知られる阿寒湖の西にそびえる活火山。湖をはさんで向かい合う雄阿寒岳が「ピンネシリ」(男山)とも呼ばれるのに対し、「マチネシリ」(女山)とも呼ばれる。噴火活動が活発で、山頂部はダイナミックな火山景観が展開する。ただし登山禁止になることもあるので、入山前に確認を。一般的なコースは雌阿寒温泉から山頂を経て北海道三大秘湖のオンネトーへ向かうコースで、アカエゾマツの深い森からハイマツ帯を経て、メアカンキンバイやメアカンフスマなど、山の名を冠する花を愛でながら山頂をめざす。山頂からは噴気越しに青沼や阿寒富士、阿寒湖をはさみ雄阿寒岳などが眺められる。