47:48
49.6 km
4834 m
晩秋から初冬へ・・・たっぷり北日高
幌尻岳・戸蔦別岳・伏美岳 (北海道)
2024.10.25(金) 5 DAYS
晩秋の大雨が去って4~5日は大きな天気の崩れは無さそう・・・と気象予報士が言うのです。「ここへ行きたい!」というより「ここなら時間余すことなく遊びきれるだろう」と思い、この夏に出掛けることができなかった七つ沼カールへ ─── 水を巡る稜線の山旅5日間。 伏美~幌尻の稜線は過去に通った際に「また来たい」とは特に思わなかった数少ない山旅の一つ・・・多分それは大きな荷物を背負って歩くにはやっかいなハイマツ帯があることとその夏一番の猛暑日に当たったことが理由だろう。。だから晩秋の今なら印象も変わるはず。何より大雨の後でも渡渉で靴がずぶ濡れになるようなことが無いルートだから、ここ以外の選択肢は無し。 空模様としては満足度=昼2夜8・・・いや、昼1夜9と言っても良いほど夕暮れから明け方までの星空観賞に恵まれ、オリオン・北斗七星くらいしか知らない私でも撮影した写真に何が写っているのか少々の勉強をし始めたほど。何より前回のヤオロマップで見逃したアトラス彗星を見る事ができた・・・というより肉眼では気付けずとも写真に多数写り込んでいたことに驚喜です。そもそも酷い近視&乱視で疲れている時だと肉眼では天の川と薄雲の区別がつかない私にとって、撮影して帰宅してからPCで画像整理するのがカメラをおもちゃとして山に持ち歩く「山と星」の楽しみ方です ─── にしてはバッテリーや三脚など随分余計な荷物が関節を苦しめますが。。。 バラエティーに富んだ道のりにお天気も色々で5日間飽きる事がありませんでした。 初日: やはりここは晩秋が素晴らしい・・・林道も尾根道も明るく一泊分2.5Lを荷物に追加しても森林ハイクを楽しめました・・・盛夏の10倍心・足どり軽やか。もちろん登山道は伏見まで完全整備!有難い地元民の山愛です!! 2日目: 伏美から1967峰までは稜線でありながら展望は2山頂付近のみであまり良い記憶がなかったのですが今回は1542mビバーク地までの整備がなされすこぶる歩き易い ─── ピパイロ~1967峰までの背高ハイマツ帯は明瞭な踏み跡があるにも関わらず、太い枝幹が左右から腕組みしている状態で大きな荷物を持っての通行は相変わらず困難で・・・なので往復この間を2日に分けてののんびり歩きで苦痛を緩和させまして・・1542mと1793mコル下の水場は30分と小一時間の往復にはなりますがこの秋の温さで給水の問題は無し。どちらも新しくピンテ整備されておりました。1793mコル下で5L給水。 3日目: 引き続き踏み跡明瞭な稜線でハイマツストップも1856周辺くらいで日帰り装備だったため歩き良い ─── ただ1904mから1856mに下る辺りはゴロゴロ大岩とハイマツミックス帯でピンテ通りに歩かないと思いのほか時間がかかった前回の記憶があり、ここだけは残照前に通過したいもの・・・と思いながら時間配分を心掛け・・・しかし七つ沼の展望から去り難く復路はヘッドランプ歩行となってしまいました ─── が、視界不良の目線を考え抜かれて設置された数多くのピンテがヘッドランプに実によく光り輝くのに救われ何故かハイマツ下の踏み跡もヘッドランプに浮かび上がって見えるような不思議な体験でほとんどGPSの世話にならず。七つ沼休憩で500mlほど浄水。こんな涼しい日でも見込み1Lの行動水だけだと心もとなく気温感としては厳冬期同様・テルモス行動白湯だけでもいいかなと思ったのはやはり初冬。 4日目: 復路ピパイロまでのハイマツ帯は曇天の下で幸い・・と思いきや、ハイマツが保水した明け方の小雨を頭から全て浴び雨天歩行同様のずぶ濡れとなりまして ─── 追って午後の小雪により伏美に戻って来た時は装備一式「金だわし欲しい・・」の雪氷に覆われた状態に。初冬の雨に濡れるやっかい事がどこか懐かしく思い出されたのは、落葉した明るい尾根肌に白レースのカーテンを引いたごとくの小雪景色を楽しむ心のゆとりがあったからだろう ─── 5日目: 「終わり良ければ全て良し」の最終日、人間であることを努めて思い出しながらゆるゆる下山。さて、次に出掛ける時はもう完全冬山になっていることだろう。。。