06:20
10.0 km
1096 m
トゥッ!勝ちだけが全てではない、と価値、とガチのために
十勝岳・富良野岳・美瑛岳 (北海道)
2025.02.03(月) 日帰り
連休を前にして、週間天気を見ても雪予報だらけだった。 またか...と期待せず、山の天気予報を見ると「晴れ」 windy見ても「曇り晴れ」 SCWは...薄曇りか晴れるかみたいな感じ。 これは午前中ワンチャンあるなくらいな希望を持ち始め、一気にパッキングを行い、十勝岳に行くことにした。 十勝岳は一昨年の冬山で1シーズン4回も撤退している。 1回目→視界不良 2回目→時間切れ 3回目→視界不良 4回目→視界不良 ここまでやらかしてしまうことはあるのだろうか。あまりにも自分が不甲斐なく「北の撤退王」そのものであった。 ワンチャン天気を信じていっているんですよ、何も遭難しに行く気なんてさらさらない。 どこか苦手意識を持ってしまったいた。 「また荒れるんだろう?」 さて、翌朝、富良野市内の気温は−15℃ なかなかのやる気っぷりだ。 吹上温泉よりスタート。 週明けということもあり、前日のトレースはほぼ残っていた。しかし、誰もいない。 また先陣切っていきましょうか。 樹林帯から大丘平原地帯をゆっくりと、雪質を味わいながら進んでいく。 トレッキングポールで雪を刺す感触「ギュッギュ」と軋む音よ、寒さの現れ。 やがての夜明け、マジックアワーが実に美しい。 自然のグラデーション、一瞬の、刹那のような。 予報以上に晴れている。いつものペースくらいで避難小屋到着。山頂部のカリカリっぷりを意識し過ぎてか、アイゼンに換装するのだが、今回はそのままスノーシューで行くことに。 コツコツと登っていく。風は比較的弱いが、とにかく寒い。ちょっとメイングローブを外すと、インナーグローブではすぐに手が冷たくなっていく。パッと見は穏やかに見えるが厳しい環境にいるのは間違いない。 昭和火口通過。美瑛岳の美しい佇まいよ。 風向きも麓の方に向いていたので、噴煙による視界不良増大はなかった。 後続の方が早すぎる速く、追い上げてきてくれて、途中でラッセル交代してくれた。 ここからは前日のトレースは消失しており、風で整地されていた。 山頂手前のラスト急登、冬山第三世界と位置付けている。より気温が低く、風の影響を受けやすく、カリカリの急斜面を登り上げていくことになる。 乾いた風は極感の切れ味を増し、襲いかかってくる。そこに生命は感じない。 一番厳しいところで、一番強烈な環境下、標高差150mがいかにキツいか長いか、高い壁か。 少しずつ少しずつ、緊張感とキツい登りに息を切らしながら。 登頂、澄んだ世界が広く遠くまで広がっていた。 連なる十勝連峰の美しさ、白銀の大雪山系、噴煙上げる荒々しき十勝岳、対岸の夕張山地、どこをどう見ても美しい世界。 降り積もる雪の陰影が山容をよりハッキリとスマートに見せてくれている。 今日というタイミングをものに出来て良かった。 無事下山し、これで冬十勝岳への自信も戻ってきただろう。 自分の中の目標として、冬羊蹄と冬十勝を踏破することで夏山への切符を手にする。