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雪山登山2024-2025【関西編】初心者でも楽しめるおすすめの山とリアルタイム積雪情報
なだらかで開かれた山頂が一面の銀世界に……。そんな息を飲むような冬山の絶景を味わいつくせる山が関西地方にはいくつもあります。今回は、登山アプリ「YAMAP」のユーザーデータ[※1]をもとに、「冬におすすめ」もしくは「雪が楽しめる」関西の山とその見どころ、また各山のリアルタイムの積雪情報をまとめました。樹氷や霧氷が輝く雪原を有する山から、地元の登山者に親しまれる初心者にも手ごろな雪山まで、冬山の醍醐味を満喫できる山をたっぷりご紹介します。いつかは行ってみたいお気に入りの山を見つけてみませんか?
[※1] 登山アプリ「YAMAP」のユーザーデータ(集計期間:2021年12月~2022年3月)をもとに、訪問者数の多かった人気の山を算出。
冬山&雪山登山2024-2025|おすすめの山をエリア別に紹介 #05/シリーズ一覧はこちら
目次
冬山登山おすすめの山① 金剛山(こんごうさん)/奈良県御所市、大阪府千早赤阪村
金剛山の標高・おすすめコース
標高:1,125m(葛木岳)
都道府県:奈良県御所市、大阪府千早赤阪村
おすすめコース:金剛山 寺谷↗︎ 文殊尾根↘︎ コース(約2時間50分)
奈良県と大阪府にまたがる金剛山地の主峰。金剛山(1,125m)は葛木岳、湧出岳、大日岳の3峰をあわせたもので、最高峰の葛木岳山頂は神域で立ち入ることができないため、国見城跡、転法輪寺、売店などのある広場を山頂としています。その国見城跡からは大阪平野を一望することができます。大阪府で最も降雪が多く、冬は山頂一帯に樹氷がみられることでも人気です。
また、金剛山は健康登山の山としてよく知られています。金剛山は大阪市内からのアクセスがよいこともあってか、朝の出勤前や、夕刻の退勤後に、毎日欠かさず登山をするという人も多いようです。
金剛山のリアルタイム積雪モニター
※積雪が始まると投稿された写真が表示されます。
冬山登山おすすめの山② 綿向山(わたむきやま)/滋賀県
綿向山の標高・おすすめコース
標高:1,110m
都道府県:滋賀県日野町・東近江市・甲賀市
おすすめコース:四季折々の景色を楽しみたい表参道コース(約4時間50分)
鈴鹿山系の一つである綿向山(1,110m)は、鈴鹿山脈の主峰、御在所山から西に派生する尾根上にある山です。山頂からは、東には雨乞岳を中心に鈴鹿山脈、伊勢湾が望め、秋冬の晴れた日には北アルプス穂高岳、御嶽山、恵那山、南アルプス塩見岳まで遠望でき、西には眼下に広がる近江盆地や琵琶湖の向こうに比良山系が一望できます。新緑や紅葉の季節はもとより、12〜2月はブナの原生林の霧氷が楽しめる山としても知られる人気の山です。
綿向山のリアルタイム積雪モニター
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冬山登山おすすめの山③ 三峰山(みうねやま)/奈良県御杖村、三重県松阪市・津市
三峰山の標高・おすすめコース
標高:1,235m
都道府県:奈良県御杖村、三重県松阪市・津市
おすすめコース:三畝峠-三峰山 周回コース(約4時間20分)
日本三百名山にも選定されている三峰山(1,235m)は、霧氷の美しい山として高見山とともに特に関西で広く知られている山です。霧氷の期間は例年、1~2月いっぱい。このため、夏場より冬場の登山者数が多い珍しい山でもあります。1,200m台とそれほど高い山ではないものの、紀伊半島の山岳地帯に位置しているため、6本歯以上のアイゼンを携行するなど凍結や寒気に備えた冬山の準備を怠らずに臨みたいところです。なお、公共交通機関を使ってのアクセスの場合、起点は近鉄榛原(はいばら)駅となり、例年、霧氷まつり期間の土・日・祝日には登山口への直行バスが運行されます(登山計画時に確認を)。
三峰山のリアルタイム積雪モニター
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冬山登山おすすめの山④ 武奈ヶ岳(ぶながたけ)/滋賀県大津市・高島市
武奈ヶ岳の標高・おすすめコース
標高:1,214m
都道府県:滋賀県大津市・高島市
おすすめコース:武奈ヶ岳 西南稜(坊村〜ワサビ峠)コース(約6時間10分)
武奈ヶ岳(1,214m)は琵琶湖西岸に南北に連なる全長約20kmの比良山地の最高峰で、日本二百名山にも選定されている山です。広々とした山頂からは360°の大パノラマが。眼下に見える琵琶湖をはじめ、その先の伊吹山や鈴鹿山脈などを望むことができます。山名の通り、山中にブナの林が広がっており、登り始めの急坂を抜けたあとは雑木林の明るい西南陵の尾根沿いを気持ちよく歩くことができるため、初心者にもおすすめの雪山です。
武奈ヶ岳のリアルタイム積雪モニター
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冬山登山おすすめの山⑤ 明神平(みょうじんだいら)・明神岳(みょうじんだけ)/三重県松阪市、奈良県川上村
明神平・明神岳の標高・おすすめコース
標高:明神平・1,323m、明神岳・1,432m
都道府県:三重県松阪市、奈良県川上村
おすすめコース:明神平-明神岳-桧塚奥峰 往復コース(約6時間50分)
明神平(1,323m)・明神岳(1,432m)は、三重県と奈良県の県境にある美しい樹氷や霧氷、雪原が見られることで人気の山。明神平から明神岳へのルートは比較的緩やかで、霧氷の森を進む神秘的な雪山歩きとなり、初心者にもおすすめです。開けた斜面がある明神平では、ヒップソリを楽しむ人も多くいます。なお、明神谷では渡渉が何度かあるので注意が必要です。雪が多く積もっていると、岩と川の境が不明瞭なケースも。スノーシューを使う場合は明神谷を過ぎてから装着するのがおすすめです。
明神岳のリアルタイム積雪モニター
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冬山登山おすすめの山⑥ 伊吹山(いぶきやま・いぶきさん)/滋賀県米原市、岐阜県揖斐川町・関ケ原町
伊吹山の標高・おすすめコース
標高:1,377m
都道府県:滋賀県米原市、岐阜県揖斐川町・関ケ原町
おすすめコース:伊吹山 正面登山道(上野口コース)(約7時間)
滋賀県と岐阜県の県境に位置する日本百名山で、山頂部は滋賀県側にある伊吹山(1,377m)。冬は雪が大変多く、本格的な冬山装備が必要となります。伊吹登山口と山頂を往復する一般的なコースは、標高差約1,200メートルを一気に登る体力勝負のコースでもあります。一方で、スキー場の跡地を通るため、序盤から下界の展望を楽しみながら登ることができるのは大きなポイントです。その後も樹林帯となる区間は少なく、開放的な山歩きを存分に楽しむことができます。
伊吹山のリアルタイム積雪モニター
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冬山登山おすすめの山⑦ 高見山(たかみさん・たかみやま)/奈良県東吉野村、三重県松阪市
高見山の標高・おすすめコース
標高:1,248m
都道府県:奈良県東吉野村、三重県松阪市
おすすめコース:高見峠-高見山 往復コース(約1時間50分)
紀伊半島東部、台高山脈北端に位置する高見山(1,248m)は、三角錐の尖った山容から「関西のマッターホルン」の愛称を持ちます。関西では霧氷や樹氷を手軽に見られる山として有名。山頂からは三峰山や金剛連山、台高山脈など360度の大展望が開け、霧氷がブナ林を飾る厳冬期は、例年、近鉄榛原駅から「霧氷バス」が運行されるほどの人気ぶりです(登山計画時に確認を)。見事な霧氷や樹氷ができるだけあって、山頂付近は吹きつける風がとにかく強いため、冬山装備は万全にし、少なくとも軽アイゼンは携行するようにしましょう。
高見山のリアルタイム積雪モニター
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冬山登山おすすめの山⑧ 氷ノ山(ひょうのせん)/兵庫県養父市、鳥取県若桜町
氷ノ山の標高・おすすめコース
標高:1,509m
都道府県:兵庫県養父市、鳥取県若桜町
おすすめコース:鉢伏口〜親水公園〜氷ノ山山頂〜東尾根 周回コース(約5時間50分)
兵庫・鳥取県境にそびえる氷ノ山(別名・須賀ノ山、1,509m)は兵庫県の最高峰。四季を通して地元の登山者に親しまれる名山です。山頂部にはドーム状の緩やかな斜面が広がり、展望もよく、空気の澄んだ日には六甲から四国の山々まで、360度のパノラマを楽しむことができます。絶景かつダイナミックな周回コースを辿りながら、関西一と称される銀白の大雪原を十分満喫することができるでしょう。
※滑走具を付けていない冬山登山者はわかさ氷ノ山スキー場のリフト利用ができません。詳細は「氷ノ山たけや」の公式サイト。
氷ノ山のリアルタイム積雪モニター
※積雪が始まると投稿された写真が表示されます。
冬山の注意点
・積雪期はコースタイムの1.5倍の時間を見積もって行動することをお勧めします。
・ゴンドラやリフトは運休することもあります。最新情報を施設サイトにてご確認ください。
・山小屋、売店、トイレなどの施設が冬季休業や営業時間の短縮をしている場合があります。事前によく調べるようにしましょう。
・雪山登山では天候や状況の急変などへの適切な対応が求められます。雪山初心者は必ず経験者と登り、単独行は避けるようにしましょう。
・紹介している山の中には、雪山登山経験者向けの山も含まれています。装備や必要な技術を事前に確認するようにしましょう。
全国の積雪最新状況は「リアルタイム積雪モニター」が便利
「リアルタイム積雪モニター」なら、知りたいエリア・山の最新の積雪状況がひと目でわかります。ぜひ自宅近くの山、お目当ての山をチェックして、冬山登山の計画を立てる際の参考にしてみてください。
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YAMAP MAGAZINE 編集部
登山アプリYAMAP運営のWebメディア「YAMAP MAGAZINE」編集部。365日、寝ても覚めても山のことばかり。日帰り登山にテント泊縦走、雪山、クライミング、トレラン…山や自然を楽しむアウトドア・アクティビティを日々堪能しつつ、その魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと奮闘中。
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