投稿日 2021.02.11 更新日 2024.01.05

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登山ガイドが厳選! はじめての雪山登山におすすめの5座

雪山初心者必見のシリーズ「雪山登山の基本」を担当する登山ガイドの石川高明さんが、“雪山初心者におすすめしたい山”を5座をピックアップ。車山や北横岳など、アイゼンやスノーシューで冬山登山の醍醐味を味わえる山々を紹介します。各山のオススメポイント、登山GPSアプリ「YAMAP」のユーザー活動日記をチェックして、雪山選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

雪山初心者必見!登山ガイドが教える「雪山登山の基本」 特別編シリーズ一覧はこちら

目次

長い間、登山ガイドをしていても、素晴らしい冬の山々の光景を目にしたお客様が「うわー!」と言って喜んでくれる姿を見るのはなんとも嬉しいものです。

今回は“雪山初心者向けのおすすめの山”ということで、私が活動の拠点とする信州の山を中心に、体力や必要な技術力などを加味しながらも、雪山の美しさを十分に感じてもらえるようなイチオシの場所を選んでみました。

これらの山々が、その先にさらに広がる、厳しくも幻想的な雪山の世界への扉を叩くきっかけになってくれることを期待しています。

1.車山|雪山初心者にも登りやすい傾斜と、アルプス・八ヶ岳の360度ビューで人気

・冬の車山 オススメポイント

車山のオススメポイントは何と言っても山岳展望です。富士山や北アルプス、南アルプス、八ヶ岳と、360度の展望が魅力。最近、山頂にスカイテラスというデッキが新設されました。空中に浮いているように感じるデッキの上から展望を楽しみましょう。

また、傾斜が緩やかで歩きやすく、車山肩の駐車場から車山山頂までのピストンコースは短時間で登ることができるため、雪山入門の山として最適です。

ちなみに山頂にはゲリラ豪雨を監視する気象レーダーがそびえています。8月には内部開放日がありますので、夏も訪れてみてはいかがでしょうか。

(写真左)車山のシンボルとなっている木製の車輪のオブジェは冬景色にも映える(写真提供・石川高明)
(写真右上)傾斜が緩やかで、広々とした雪原をスノーシューで楽しめることでも人気(写真提供・石川高明)
(写真右下)車山気象観測レーダーは海抜は約1900メートルにあり、日本の気象レーダーで最も高い位置にある。写真はだいすけさんの活動日記より


・車山の基本情報

標高:1,925m
諏訪湖の北東に位置する日本百名山・霧ヶ峰の最高峰。山頂からは八ヶ岳や南・北・中央アルプスなどのパノラマが広がる。車山肩からの往復が一番手軽に山頂までたどり着けるルート。
車山の登山地図・詳細情報はこちら

・積雪期に車山に登頂したYAMAPユーザーの活動日記

・車山のリアルタイム積雪モニター

YAMAPユーザーの投稿データから車山の現在の積雪状況がわかります

2.北横岳|美しい八ヶ岳ブルーの青空に出会える晴天率の高さが魅力

・冬の北横岳 オススメポイント

冬も晴天率が高く、綺麗な八ヶ岳ブルーの青空が拝めるのがこの北横岳の最大の魅力です。ロープウェイを利用すれば一気に雪山の世界へとたどり着くことができ、途中に山小屋もあることから、本格的な雪山登山を始める人向けの山として冬場も賑わっています。

夏はファミリー登山、冬は雪山登山にと四季を通して初心者に優しいこの山。池あり、森あり、火山溶岩の跡がありと、エコツーリズムガイドに説明を聞きながら一緒に登るのも楽しい山ですよ。

綺麗な八ヶ岳ブルーの青空に出会いたいなら、北横岳はイチオシ(写真提供・石川高明)


・北横岳の基本情報

標高:2,480m
八ヶ岳は北八ヶ岳と南八ヶ岳と区分けされ、その南北両方の八ヶ岳に「横岳」が存在するため、北八ヶ岳に位置する横岳は「北横岳」と呼ばれている。双耳峰の山頂からは、眼前に迫る八ヶ岳連峰と八ヶ岳ブルーの青空、南アルプスに中央アルプス、御嶽山、北アルプスまで見渡すことができる。
北横岳の登山地図・詳細情報はこちら

・積雪期に北横岳に登頂したYAMAPユーザーの活動日記

・北横岳のリアルタイム積雪モニター

YAMAPユーザーの投稿データから北横岳の現在の積雪状況がわかります

3.黒斑山|車でのアクセスが便利、雪山写真家が好む浅間山の撮影スポット

・冬の黒斑山 オススメポイント

黒斑山の魅力は、アクセスが良好なこと。冬でも車で標高2,000m近くまで登れるためアプローチの良さが抜群です。また、冬山シーズンのはじめから残雪期まで雪が消えることがなく、長い期間雪山を楽しむことができます。

登山コースは全般的に危険箇所が少なく、雪山初心者が手軽に挑戦できる山としても有名。スノーシューで雪山を楽しむのにもうってつけの人気の山です。

黒斑山の山頂からは、真正面にそびえる浅間山の雄姿を望むことができます。その景色を雪山写真家が好んで題材にすることでも有名。下山後は車坂峠にある高峰温泉で冷えた身体を温めて帰りましょう。

樹林帯を歩くと、やがて森林限界を超え、一気に眺望が広がる(写真・宇佐美博之)


・黒斑山の基本情報

標高:2,404m
群馬県と長野県にまたがる浅間山第一外輪山の最高峰で、間近から迫力満点の浅間山を見るためにこの山に登る登山者が多い。冬になると「粉砂糖のような雪をまとう浅間山がガトーショコラのように見える」絶景スポットと言われている。
黒斑山の登山地図・詳細情報はこちら

・積雪期に黒斑山に登頂したYAMAPユーザーの活動日記

・黒斑山のリアルタイム積雪モニター

YAMAPユーザーの投稿データから黒斑山の現在の積雪状況がわかります

4.湯ノ丸山|車でのアクセスが便利、雪が多い時期のスノーシュー登山に最適

・冬の湯ノ丸山 オススメポイント

湯ノ丸山は上質なパウダースノーが楽しめることで魅力な山です。雪がたっぷりあるときは、スノーシュー登山に最適です。

また、湯ノ丸山も冬にしては比較的高いところまで車で入れるため、山頂へのアクセスが容易です。

雪山の魅力もさることながら、麓の東御市はワイナリーやチーズ工房、カフェやパン屋など美味しいものがいっぱい。毎回、ガイドに行くのが楽しみな地域のひとつです。

(左)登りはじめは緩やかな雪原。積雪量が多い時はスノーシューを楽しみたい。(右)湯ノ丸山山頂から見る浅間山遠景(写真提供・石川高明)


・湯ノ丸山の基本情報

標高:2,101m
名前の通り丸くなだらかな山容で、初心者やファミリーに最適。冬はスノーシューも楽しめる。湯ノ丸高原(地蔵峠)からのコースは登山口から湯ノ丸山山頂までの標高差が小さく、登山道と並行してリフトもあるので、雪山初心者も安心だ。
湯ノ丸山の登山地図・詳細情報はこちら

・積雪期に湯ノ丸山に登頂したYAMAPユーザーの活動日記

・湯ノ丸山のリアルタイム積雪モニター

YAMAPユーザーの投稿データから湯ノ丸山の現在の積雪状況がわかります

5.蓼科山|山頂から八ヶ岳、南・北・中央アルプスの絶景を一望

・冬の蓼科山 オススメポイント

蓼科山は雪山初心者の方が次のステップに移行する上で、ちょうどいいレベル感の山です。長い登りと下りのうち、ほとんどは樹林帯なので風を避けながら歩くことができますが、樹林帯を抜けた山頂部は冷たい風が吹きつけるなど、雪山の厳しさもちょっと垣間見ることができます。もし、天候の急変などで危険を感じても、すぐ樹林帯に逃げ込めるので安心です。

ややコースタイムが長く標高差もありますが、頑張って山頂まで登ると、八ヶ岳や御嶽山をはじめとする北アルプス、南アルプス、中央アルプスと絶景が待っています。

山頂直下までは樹林帯を登る。山頂は遮るものがなく風の冷たさを感じるが、その分素晴らしい360度の眺望が(写真提供・石川高明)


・蓼科山の基本情報

標高:2,531m
日本百名山の一つにも選定されている蓼科山は八ヶ岳連峰の最北端の山。端正な円錐形の姿から諏訪富士、あるいは女乃神山(めのかみやま)とも称される。山頂は大きな岩塊が折り重なって広がる噴火口跡で、展望もすばらしく、八ヶ岳連峰をはじめ浅間山や霧ヶ峰、美ヶ原、北アルプスなど360度の大パノラマが一望できる。
蓼科山の登山地図・詳細情報はこちら

・積雪期に蓼科山に登頂したYAMAPユーザーの活動日記

・蓼科山のリアルタイム積雪モニター

YAMAPユーザーの投稿データから蓼科山の現在の積雪状況がわかります

冬山の注意点
・積雪期はコースタイムの1.5倍の時間を見積もって行動することをお勧めします。
・ゴンドラやリフトは運休することもあります。最新情報を施設サイトにてご確認ください。
・山小屋、売店、トイレなどの施設が冬季休業や営業時間の短縮をしている場合があります。事前によく調べるようにしましょう。
・雪山登山では天候や状況の急変などへの適切な対応が求められます。雪山初心者は必ず経験者と登り、単独行は避けるようにしましょう。

関連記事:冬山装備に必須の道具、アイゼン・ピッケル・冬山登山靴を解説!|雪山登山の基本 #04
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トップ画像:ハルさんの活動日記より

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