投稿日 2026.02.17 更新日 2026.02.17

関東

【関東甲信】冬〜春の日帰りおすすめ低山10選|登山ガイドが解説

いよいよ冬本番…寒さの底となるこの時期には、自然と山から足が遠のきがちなのではないでしょうか。けれどもそんな冬だからこそ魅力を増すのが、暑い時期には敬遠しがちな低山です。

広葉樹が落葉して空気が澄んだ冬ならではの眺望や、雪や氷が織り成す絶景。そこに、あったかグルメや温泉が加われば、楽しい冬の1日を過ごすことができること請け合いです。

今回はそんな冬だからこそ登りたいおすすめの低山について、首都圏から日帰り可能な関東甲信エリアから10座を紹介します。

目次

おすすめコース10選 (冬場に易しいと思われる順に紹介)

1.【栃木県】太平山(341m)・晃石山(419m)

晃石山から望む関東平野と富士山(フジさんの活動日記

中腹にある太平山神社へ続く石畳の参道を彩るアジサイが有名な太平山(おおひらさん・341m)ですが、冬のロウバイ・春の桜・秋の紅葉など、四季を通じて楽しむことができます。

西に連なる晃石山(てるいしさん・419m)への稜線にはビューポイントとなる休憩所が整備されており、空気が澄んだ冬は富士山・筑波山・赤城山などの眺望がひときわ見事です。こちらの山麓にある清水寺(せいすいじ)も冬はロウバイの名所として知られています。

太平山中腹の謙信平から見下ろす関東平野は「陸の松島」ともよばれる絶景で、こちらからも富士山を望むことができます。こちらには茶屋が点在しており、太平山三大名物(だんご・焼き鳥・玉子焼)を味わいましょう。

下山後は車で10分ほどの「CITY GYM & SPA 遊楽々館」へ立ち寄るのもおすすめです。地元の健康・福祉施設として入浴施設のほか、大広間や静養室なども併設されています。

コース情報

コースタイム:約3時間40分
歩行距離:7.2km
累計標高差(上り):593m
累計標高差(下り):592m
コース定数:14(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

2.【茨城県】石尊山(412m)

石尊山からの太平洋(はみさんの活動日記

地元・北茨城市の小学生が登山学習を行う場所としても親しまれている石尊山(せきそんざん・412m)は、男坂・女坂の歩きやすいコースが整備されており、太平洋の眺望が魅力の山です。

南側に連なる金山岳(かなやまだけ・458m)と組み合わせた周回コースでも歩行時間は3時間ほど。茨城県最北端にあたる北茨城市ですが、都心からの日帰りでもコンパクトにその魅力を堪能できるおすすめの低山です。

下山後は市内に点在する温泉で身体を温めましょう。特に五浦観光ホテル・大観の湯は、源泉かけ流しのお湯に浸かりながら五浦(いずら)海岸の絶景を楽しむことができる露天風呂。日本画家・岡倉天心がその風光明媚な景色に惚れ込み、弟子の横山大観も別荘を構えたという近代美術史の舞台を温泉から満喫できます。

北茨城市の冬ならではの味覚といえば、この地発祥の「あんこう鍋」です。市内では多くの飲食店や旅館・ホテルで、あん肝ポン酢や共酢和えなどとあんこう鍋を組み合わせたあんこう料理を提供しています。冬の低山登山のご褒美に、ぜひ食してみてはいかがでしょうか。

コース情報

コースタイム:約2時間50分
歩行距離:4.6km
累計標高差(上り):463m
累計標高差(下り):464m
コース定数:11(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

3.【埼玉県】武甲山(1304m)

山頂から見下ろす秩父盆地(のびのびロールさんの活動日記

京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに、「日本三大曳山祭」に数えられ、冬の秩父の一大イベントとなっている秩父夜祭。秩父夜祭は三峯神社・寶登山神社と並んで秩父三社に数えられる秩父神社の例大祭で、その神体山が日本二百名山・武甲山(1304m)です。

武甲山は、その三角形の山容が秩父盆地のシンボルとなっています。北斜面は大正時代から続く石灰岩の採掘で人工的な姿に削られてしまい標高も低くなってしまいました。

東麓の一の鳥居からは鬱蒼とした森の中へ登山道が延びており、距離を示す丁目石が山頂直下の五十二丁目まで点在しています。

山頂からは秩父盆地を眼下に眺望することができ、その直下にある武甲山御嶽神社に祀られている男神と秩父神社の女神の年に一度の逢瀬の物語が、秩父夜祭であるともいわれています。

登山口の最寄り駅は西武秩父線・横瀬駅ですが、下山後は西武秩父駅に立ち寄るのがおすすめ。併設された西武秩父駅前温泉 祭の湯は武甲山を望む露天風呂が自慢です。食事どころでは秩父グルメのわらじかつやみそポテト、クラフトビールなどを堪能できます。

コース情報

コースタイム:約4時間40分
歩行距離:6.4km
累計標高差(上り):824m
累計標高差(下り):824m
コース定数:19(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

4.【東京都】御岳山(929m)

御岳山の山頂に位置する大口真神社(撮影:鷲尾 太輔)

東京都西端に連なる奥多摩の山々の中でも、標高842mの御岳山駅までケーブルカーでアクセスできるのが御岳山(929m)です。

山頂は武蔵御嶽神社の境内となっており、拝殿裏の最高地点に位置する大口真神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が御岳山を訪れた際に邪神から守護した狼を祀っています。

こうした伝承から御岳山では「おいぬ様」信仰が盛んで、狛犬は狼の姿をしており、お札にも狼が描かれています。近年はペット連れにも人気の山で、ケーブルカーへもケージに入れず愛犬を乗せることが可能。武蔵御嶽神社では愛犬のご祈祷も受け付けています。

山上には武蔵御嶽神社へ登拝する人々をもてなしてきた宿坊が点在しており、主人であり御岳山への登拝を先導する御師(おし)が作る料理が人気です。特に刺身こんにゃくはどの宿坊でも提供される名物で、宿泊せずランチとして御師料理を楽しむことができる宿坊もあります。

御岳山の東に連なる日の出山(902m)は文字通り日の出が美しい東側の眺望が開けた山で、空気が澄んだ冬は都心のビル群をはじめ関東平野を一望することができます。

ここから下った場所にある日帰り入浴施設・つるつる温泉は、アルカリ成分が高く、その名の通り肌がつるつるになる天然温泉が人気です。

コース情報

コースタイム:約3時間20分
歩行距離:6.6km
累計標高差(上り):368m
累計標高差(下り):839m
コース定数:11(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

5.【千葉県】伊予ヶ岳(337m)

鋭い山容の伊予ヶ岳(YUHYAさんの活動日記

温暖な房総半島は、冬の低山登山にぴったりのフィールドです。その中でも山頂部の鋭い岩峰が「房総のマッターホルン」とも呼ばれ、千葉県で唯一「岳」の字が山名に付けられているのが、伊予ヶ岳(いよがたけ・337m)です。

山頂への登山道は鎖やロープが点在する岩場の急斜面なので、慎重に登降しましょう。南峰・北峰と2箇所ある山頂からの眺望は抜群。

江戸時代の長編小説『南総里見八犬伝』ゆかりの富山(とみさん・349m)越しに東京湾の大パノラマが広がり、視界がクリアになる冬は海の向こうにそびえる富士山を望むこともできます。

下山後には温泉でのんびり過ごしましょう。最寄りはお隣の鋸南町にある佐久間の里の天然温泉 笑楽(わらく)の湯。のどかな里山の風情を感じながら、天然温泉を開放感のあるガラス張りの大浴場で堪能することができます。

房総半島を訪れたなら、ぜひ味わいたいのが新鮮な海鮮グルメです。岩井富浦漁協直営のおさかな倶楽部や、富浦港近くの房総の駅とみうらに併設された海鮮食堂とみうら亭など、大規模な飲食店から小さな食堂まで、房総の海の幸に舌鼓を打ちましょう。

コース情報

コースタイム:約2時間30分
歩行距離:3.0km
累計標高差(上り):385m
累計標高差(下り):385m
コース定数:9(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

6.【神奈川県・静岡県】金時山(1212m)

金時山からの富士山(Tsukabom1173さんの活動日記

箱根外輪山の最北に位置し、神奈川県と静岡県の県境にそびえるのが金時山(きんときやま・1212m)です。その鋭い山容は周囲からもひときわ目立ち、目の前にそびえる富士山の大パノラマは「天下の秀峰 金時山」と書かれた山頂看板に相応しいものです。

金時山は、童話や昔話で親しまれる金太郎が生まれ育ったと伝えられる山でもあります。後に坂田金時(公時)という武将となり、酒呑童子退治でも活躍した彼の伝承は山中の随所に残っています。

南麓の公時神社には大きなマサカリが設置され、さらにその奥には母である山姥と過ごしたとされる公時宿り石があり、金太郎の存在を身近に感じることができます。

山頂では2軒の茶屋が営業しています。ひとつは金時茶屋。長年登山者を出迎えてきた小見山妙子さん(2025年没)は、上皇陛下が皇太子時代に訪れ「金時娘さん」とよんだがことでも有名。現在は息子さんが切り盛りされ、大粒なめこ入りみそ汁が昔からの名物です。

お隣にある金太郎茶屋の名物は刺激的な「まさカリーうどん」。ほかにもおでんや山菜うどんなどもあり、寒い時期に身体の芯から温まる山頂グルメは、金時山の大きな魅力です。

おすすめコースのスタート・ゴール地点となる仙石原は、箱根でも指折りの温泉地です。日帰り入浴が可能な宿泊施設も複数あり、それぞれ趣向を凝らした浴場や異なる泉質を誇っています。適度な登山の疲れも、お湯に浸かれば心地よい達成感へ変わることでしょう。

コース情報

コースタイム:約2時間50分
歩行距離:3.8km
累計標高差(上り):516m
累計標高差(下り):516m
コース定数:11(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

7.【山梨県・神奈川県】鉄砲木ノ頭(1291m)

鉄砲木ノ頭からの富士山(gar!さんの活動日記

富士山を間近に望むことができる富士五湖周辺の山々。その中でも手軽に登頂できるのが鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま・別名:明神山=みょうじんやま=1291m)です。

登山口となる三国峠も、山中湖畔から車で10分足らずでアプローチでき、冬の山道を運転する距離が短いのも魅力です。

鉄砲木ノ頭は山肌がススキに覆われたカヤト原(※)の眺めが見事で、冬は斜面全体が黄金色に輝きます。

平坦な砂礫地で山中(やまなか)諏訪神社奥宮が祀られた山頂は展望抜群。眼下には山中湖が広がり、前方には雪化粧した富士山が、さらに背後には南アルプス連峰が連なっています。

下山後にぜひ立ち寄りたいのが、山中湖温泉 紅富士の湯です。良質のアルカリ性単純温泉は、ph10.3と高アルカリでありながら成分的にマイルドな世界的にも珍しい泉質。

露天風呂はもちろん、全身、ジェットバス・気泡湯などがある室内大浴場のすべての浴槽から、富士山を眺めることができます。

館内にある食事処では、山梨名物のほうとうはもちろん、さまざまな定食や麺類、ドリンク、スイーツを楽しむことができます。リラクゼーション施設もあり、ボディケア・オイルリンパ・よもぎ蒸しなどで日頃の疲れを癒すのもよいでしょう。

※カヤト・・・ススキなどイネ科の植物が広範囲に生い茂る場所のこと

コース情報

コースタイム:約1時間40分
歩行距離:2.4km
累計標高差(上り):276m
累計標高差(下り):276m
コース定数:6(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

8.【山梨県】大蔵経寺山(716m)

第1展望台からの富士山(いくさんの活動日記

都心からのアクセスもよく山梨県で最大規模の温泉郷・石和温泉の北にそびえるのが大蔵経寺山(だいぞうきょうじさん・716m)です。

山名の由来であり山麓にある大蔵経寺は、同じく真言宗智山派の高尾山薬王院の開祖でもある行基が奈良時代に創建した寺院。武田氏や徳川氏からも深く信仰されました。

大蔵経寺山への道のりには2つの展望台が設けられており、特に第1展望台は江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎が「冨嶽三十六景」のひとつ「甲州伊沢暁」を描いた場所といわれています。

山頂周辺は森の中ですが、広葉樹が多いため、落葉した冬は射し込む木洩れ日の温もりを感じることができます。

下山後にはぜひ石和温泉に入浴したいものです。高級な旅館・ホテルも多い石和温泉ですが、日帰り入浴を受け入れている施設も数多くあります。また時間がない人も楽しめるよう、3つの手湯・足湯がある石和源泉足湯ひろばも整備されています。

帰路に立ち寄りたいのが石和温泉駅観光案内所です。市内のワイナリー10社が手がけた計16種類のワインを有料で試飲できる「駅なかワインサーバー」が併設されており、フルーツ王国でもある山梨を最後まで満喫することができます。

コース情報

コースタイム:約2時間30分
歩行距離:5.1km
累計標高差(上り):419m
累計標高差(下り):419m
コース定数:10(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

9.【長野県】離山(1256m)

離山から望む浅間山(モコモコさんの活動日記

登山愛好家としても知られる今上天皇が、5歳の時に静養先の軽井沢で初めて登山したのが離山(はなれやま・1256m)です。

離山はそのこんもりとした山容から「甲山(かぶとやま)」や「テーブルマウンテン」ともよばれ、軽井沢の随所から見ることができるので、軽井沢を訪れた人なら誰もが見覚えがあるのではないでしょうか。

東麓と南麓から登山口が延びており、いずれも比較的短時間で登頂可能です。山頂には展望案内板や望遠鏡が設置されています。ここから望む浅間山は迫力満点。特に雪化粧した冬はその美しさが際立ちます。

下山後の入浴も魅力的な施設が多い軽井沢ですが、星野温泉トンボの湯は一度は立ち寄ってみたい温泉です。開湯は1915年と古く、現在は谷川岳ヨッホやLUCY尾瀬鳩待などの山岳リゾートも手がける星野リゾートの原点といえる存在。

併設された村民食堂は、作家・堀辰雄がこよなく愛した軽井沢を「美しい村」とよんだことにちなんだ和食カジュアルレストランで、信州の郷土料理をベースとしたオリジナルメニューを楽しむことができます。

コース情報

コースタイム:約1時間20分
歩行距離:3.8km
累計標高差(上り):227m
累計標高差(下り):227m
コース定数:5(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

10.【長野県】入笠山(1955m)

入笠山から八ヶ岳連峰を望む(撮影:鷲尾 太輔)

雪山登山というと敷居が高く感じる人もいるかもしれませんが、その入門にぴったりなのが入笠山(にゅうかさやま・1955m)です。

富士見パノラマリゾートスキー場のゴンドラで標高1769mまでアクセス可能で、冬季はJR中央線・富士見駅から無料送迎バスも運行されるため、雪道の運転が不安な人にもおすすめです。

一面の雪原となった入笠湿原や林道を通過して山頂へ向かう登山道は、雪質にもよりますが、軽アイゼンやチェーンスパイクでも歩行可能です。

山頂からは雄大な裾野を広げた八ヶ岳連峰を筆頭に、富士山・南アルプス・中央アルプス・木曽御嶽山・北アルプスなど全方位に日本有数の雪嶺を望むことができます。

中腹にあるヒュッテ入笠は宿泊もできますが、ランチも大人気です。かつて人気を博したビーフシチューは牛タンシチューにアップグレード。ほかにもカレー・麺類・定食などメニュー豊富で、身体の芯からポカポカになります。営業時間が11時〜13時と短いので、余裕を持って訪れましょう。

下山後の温泉は富士見パノラマリゾートからすぐのゆーとろん水神の湯が最寄りです。入笠山麓の水神様の恵みとされる源泉かけ流しのお湯を8種の露天風呂と内風呂で楽しむことが可能で、マッサージなど登山の疲れを癒すサービスや、食事処も併設されています。

コース情報

コースタイム:約2時間
歩行距離:3.8km
累計標高差(上り):294m
累計標高差(下り):294m
コース定数:7(コース定数とは

モデルコースを詳しく見る

冬山の魅力と事前準備

冬の山の魅力は、まず銀世界を演出する雪景色や霧氷、樹氷をはじめ、落葉樹の葉が落ちて眺めがよくなることや、空気が澄んで遠くまで見通せるなど、眺めや景色に関する点が挙げられます。

そのほか、カ、ハチ、アブ、ヤマビル、ヘビなど煩わしい生き物が姿を消す、登山道で引っかかるクモの巣がない、熱中症のリスクが少ない(低体温症や凍傷のリスクは上がるが)など、行動に関するメリットもたくさんあります。

このような冬の山をより安全に、快適に楽しむため、各種装備を万全にしておきましょう。

・適切な防寒・防水装備 :
ミドルカットかハイカットの登山靴、脱ぎ着しやすいアウター、手袋、耳が隠れる
帽子、スノースパッツ、暖かい飲み物(保温ポット)など

・晴れた雪面での準備 :
サングラス(場合によりゴーグル)、リップクリームなど

・積雪や凍結に備えた装備 :
簡易アイゼンか軽アイゼン、チェーンスパイクなど

また、マイカーでアクセスする際は、必ず冬用タイヤを装着し、積雪直後は念のためタイヤチェーンを携行しましょう。

冬も楽しく低山登山を楽しもう!

冬枯れの山並と富士山(撮影:鷲尾 太輔)

とかく出不精になりがちな冬ですが、晴天率が高い関東周辺の太平洋側では、登山日和になりやすい季節でもあります。

今回紹介したように、空気が澄んだ時期だからこそ楽しむことができる眺望や、ご褒美感がアップする温泉・グルメなど、冬の低山には魅力がいっぱいです。

今度の週末、身近な低山に出かけてみませんか。

執筆・トップ画像撮影=鷲尾 太輔(山岳ライター・登山ガイド)

冬の低山に最適な30L以下のバックパック特集|YAMAP STOREを見る

YAMAPが運営する登山・アウトドア用品の
セレクトオンラインストア

すべての商品を見る

記事が見つかりませんでした。

すべての商品を見る