活動データ
タイム
29:32
距離
56.4km
のぼり
4959m
くだり
4971m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る北海道の百名山完遂を終え、次は何処へ行こうかと考えた。 自由の効く残り時間はあと二週間ほど。残り時間と天候を鑑み、今しか出来ない事と後ででも出来そうなことを割り出し優先順位をつけた。 時間と天候の条件が一致しないと出来ない事はなんだろうと考えた結果、塩見岳及び百高山の中でも取り分け行きにくい位置にある安倍荒倉岳を登頂しようと思い計画を立てた。 蝙蝠岳も相当行きにくい場所にあるが今回の計画では近くを通るから、行けそうなら行こうと考えた。 どの登山口からアクセスするのが一番効率的か色々計画を練った結果、一番メジャーな鳥倉登山口が良いだろうと思いここから始めることにした。 当初の計画は… 一日目は三伏小屋にテントを張り、小河内岳まで行ってからピストンで戻る。 二日目は塩見岳を登頂しそのまま安倍新倉岳も登頂。その先の熊の平で宿泊。 三日目は熊の平からピストンで来た道を戻り、蝙蝠岳をピストンし、三伏小屋まで戻る。 四日目はテントを撤収し駐車場まで帰るだけ。 しかし四日目の天候は下り坂との予報だった。帰るだけだからそこまで気にしなくてもいいけど、テントも濡れるとあとが面倒だし、もし時間と体力に余裕があれば三日目に下山することも視野に入れて山行に入った。 当日は三日とも天気は最高で最高の条件だったこともあり、予定を変更。変更点は、三日目の蝙蝠ピストンを二日目に行い、三日目に時間の余裕を作りその日のうちに下山することにした。 蝙蝠ピストンを組み込んだおかげで二日目は体力的にとんでもなくハードな日になり、後半は体力はゼロに限りなく近く、根性だけで歩き続けてなんとかギリギリ小屋にたどり着いた、という有様だった。 テントは一泊目のテント場に張りっぱなしとはいえ、シュラフや食料を担ぐと十分に重く、私の体力を確実に削り取っていった。 朝晩はとても寒く氷点下を下回っていたはずだけど、よく寝良く食べたからか体調はすこぶる良かった。決して無理をせず意識して飛ばさないよう歩くように努めた。 幸いにも計画通りことは進み、明るいうちに下山することができた。 うまくいった要因は、天候に恵まれたこと、こまめに休憩しながら歩いたこと、時間に余裕を持ったこと、十分な防寒対策と飲料、食料を持参したことだと思う。 そして全ての工程で景色はずっと素晴らしく、ずっと感動しっぱなしであった。体力的に厳しい稜線歩きもこんな景色の中に溶け込めるからこそ精神的に支えられて乗り越えられたんだと思う。 人が住むには山は難しい。でも、人の心は自然にあるような気がする。山には人の心を煩わせるものが何もない。本当の自由、本当の幸せというものを体で気づくことができたような、そんな気がした。
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