活動データ
タイム
17:25
距離
22.8km
のぼり
2052m
くだり
2656m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る《アプローチ》 車=2時間45分(金沢-八方第3駐車場)、15分(八方第3駐車場-栂池中央駐車場) つがいけロープウェイ=45分(栂池高原駅-自然園駅) 《登山コース》 ・7/15(土) 7:55栂池自然園登山口-9:01/9:08天狗原-10:15白馬乗鞍岳-10:56/11:42白馬大池山荘(食事)-12:26船越ノ頭-13:21小蓮華山-14:57/15:06白馬岳-15:14白馬山荘(宿泊) ・7/16(日) 7:00白馬山荘-7:20/7:29丸山-7:56/8:53白馬山荘-9:08丸山-10:44/10:51白馬鑓ヶ岳-11:11鑓温泉分岐-13:10白馬鑓温泉小屋(宿泊) ・7/17(月祝) 5:39白馬鑓温泉小屋-7:40小日向ノコル-9:26猿倉バス停 (グレートトラバース風に) 7月15日、random walkerは霧に烟る栂池自然園の登山口(標高1,849m)にいた。大学時代にベルギーへ一緒に短期留学した仲間4人で2泊3日の山旅に出発するのだ。この日の舞台は、後立山連峰を代表する名峰・白馬岳。あいにく登山口付近は霧に覆われており、天気予報によれば白馬岳山頂は風速20m/sを超える強風が吹いている。果たして彼らは無事にこの山行を完遂できるだろうか。 スタートから1時間余り、天狗原で休憩していると、突然霧が晴れ、白馬乗鞍岳(同2,469m)がその姿を現した。風は少しずつ強くなってきたが、雨が上がったのは朗報だ。一行は山頂直下の雪渓を登り、白馬乗鞍岳を越え、白馬大池山荘(同2,378m)で昼食を取った。 ここから目的地の白馬山荘まで尾根伝いに稜線の絶景を眺めながら歩くことになる。登山道沿いにはコマクサ、ミヤマアズマギク、ウルップソウなど高山礫地特有の花々が咲き、random walkerの目を楽しませてくれた。一方、風はいよいよ勢いを増してきた。船越ノ頭(同2,612m)、小蓮華山(同2,763m)を越えると、稜線は再び霧に包まれた。登山開始から7時間、一行は爆風が吹き荒れる中を白馬岳(同2,932m)に到達した。 翌7月16日、風はさらに強烈さを増したようだった。random walkerらは丸山(同2,768m)まで進んだが、爆風に身体を飛ばされそうになり、いったん白馬山荘へ戻った。このまま山荘で停滞する、あるいは大雪渓を下る、という選択肢も考えたが、小屋スタッフの「ここではこの程度の風は当たり前。行けると思いますよ」という言葉に励まされ、腹をくくった。 一行は改めて山荘を出発した。相変わらず風は強かったが、少し緩んだように感じられた。杓子岳に登るのは諦め、巻き道から白馬鑓ヶ岳(同2,903m)を目指した。山頂は真っ白で何も見えなかったが、random walkerはとにかく無事ここまで来れたことに安堵した。 鑓温泉分岐を左に折れて下ると、噓のように風が止んだ。登山道は途中から急峻な岩場となり、random walkerはトレッキングポールを仕舞い、鎖場やハシゴが連続するスリリングなコースを楽しんだ。白馬山荘から4時間余りで、この日の宿泊地である白馬鑓温泉小屋に到着した。登山道から丸見えの露天風呂に入り、夕食前にキンキンに冷えた缶ビールを胃袋に流し込んだ。人生でいちばん美味しい缶ビールだった。 7月17日午前4時、random walkerはスマホのアラームで目が覚めた。まもなく夜が明けようとしていた。見上げれば雲ひとつなく、彼はマジックアワーの神秘的な美しさに放心したように東の空を眺めていた。ご来光を拝み、朝食を取ると、一行は早めに小屋を出発した。この日は標高差約800mの猿倉登山口まで下山するだけだ。 前日とは打って変わって、さわやかな晴天となり、風も穏やかだった。膝痛を心配したrandom walkerは痛み止め薬を飲み、膝サポーターを装着したが、杞憂に終わった。雪渓や沢を何度か渡る、アドベンチャー感覚にあふれたコースを彼は楽しみながら下山した。ほぼコースタイムどおりに歩き、一行は猿倉登山口に無事到着。その後、白馬村の洋食店「グリンデル」で昼食を取り、「倉下の湯」で入浴した。 random walkerは、白馬三山からの絶景を仲間に見せてやれなかったことが心残りだった。しかし、考えてみれば、多種多様な高山植物に出会い、ライチョウに3回も遭遇し、山中の秘湯に入浴し、感動的なマジックアワーとご来光を仰ぐこともできた。何より、気のおけない仲間と2泊3日の山旅を存分に堪能したのだ。このメンバーでまたいつか山に登りたい、彼は心の底からそう思った。前人未踏の挑戦は続く。
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