活動データ
タイム
10:26
距離
17.5km
のぼり
938m
くだり
939m
活動詳細
すべて見る皆さんの2/10レポに刺激を受けて、SCW晴れ、てんくら午前A、午後B,Cの予報に誘われて屏風岳にトライしてきた。屏風岳は残雪期に2回経験があるが厳冬期は初めてである。結果は、予報通りの天気ではなく、あいにく山頂付近は爆風でホワイトアウトに近い状態、おまけに途中からスマホが使用不能。という踏んだり蹴ったりで、もうこんな経験二度としたくないの山行だった。しかし、無事下山できて山の神には本当に感謝している。 〇駐車場からエコーライン 6:12駐車場一番乗りで出発できた。天候は晴れ、風は穏やかで予報通り、いつもの電柱下コースを登っていくが、途中からトレースがなく新雪を踏みしめて進む。5-10cm沈むがラッセルはない。後見ゲレンデを登り出したら、後ろから雪上車が来たので横によけて道を譲る。すると、その雪上車折り返してきて下りは、警報音を鳴らしながら下ってくる。私は邪魔にならないよう右端を登るのだが、私が動き出すと雪上車はストップ。止まると雪上車が動き出す。その繰り返しを二三回、どうも、通り過ぎるまでストップを要求しているようだ。納得して通り過ぎるまで待機。 7:09ショートカット入口到着、沢山のトレースがあり一番多いトレースを進む。途中シラビソの間から、熊野岳や刈田岳が見えたので、刈田岳を目標に進む。トレースを外れても刈田岳を目指せは問題はない。7:32観光道路横断、15分ほど進むと展望が開けてくる、左手には前山、杉ヶ峰、屏風岳、後烏帽子岳、前烏帽子岳の連なりが見えてきた。順光と逆光のコントラストが美しい。前方に目を向けると刈田岳なのだか少し雲がかかりだした。ビューポイントを過ぎていつもの見事な樹氷を撮ろうとすると、ファインダーに収まり切れない。どうも誤作動でズーム機能が働いたらしい。このまま撮影。 8:08エコーライン到着、ここからはロード歩きでエコーラインを進む。シール歩きよりはツボ足が少し早いので、ザックにスキーを括り付けて引きずって進む。 〇エコーラインから芝草平 エコーラインを進むと次第にガスが濃くなり、見通しが悪くなってくる、雪上車はハイラインを登っているので、そちらには進まず、わだちがないエコーラインを進む。 GPS地図で確認すると、過去の記録ではこのあたりから避難小屋に向けて左90度方向転換してる。そこで、シール歩行に切り替えて、10cmほど沈む新雪斜面を進む。トレースはなく多少歩きにくい程度。所々雪が飛ばされクラストしている個所や吹き溜まり個所を通過する。 ガスがかかって見通しは悪く、凹凸がよくわからないので慎重に進む。コースは、緩い傾斜の沢の上部を巻いて下り、樹林帯をわずかに登れば避難小屋だ。二度経験しているが見通しが悪いので、時々過去の軌跡を確認しながら進む。 避難小屋に近づくにつれ、少しガスが晴れて薄日も差し、樹氷を楽しみながら進む。写真はズームのまま撮影。9:13避難小屋に到着、ここでズームを解除し小屋を標準で撮影。小屋周りは、樹氷が取り囲み、遠回りしないと近づけないのでスルー。9:23刈田峠に到着、峠の標高は1530m。 ここからのコースは、前山、杉ヶ峰の山腹をトラバースして、1652mの芝草平に取りつく。僅か100m余りの高度差なので、余り登らずほぼ平行に進むのがコツ。途中三か所ほど沢を横断する。この沢の横断は、下流に行けば行くほど沢が広く深くなるので、できるだけ沢上部を横断するのがおすすめルートである。 刈田峠では天気が良く青空ものぞいていたが、次第にガスがかかり、芝草平では視界50m程度のガス。コースは、吹き溜まり個所と雪が飛ばされたクラスト斜面の混在で、特に沢の横断個所を間違わなければ危険ではない。 但し困ったことに、ガスがかかるタイミングでスマホが誤作動、使用できないメッセージが度々表示され一定時間使えない状態になった。芝草平には、10:50到着少し休んだ。 〇芝草平から1800m到達点 芝草平からは、屏風岳の山腹が全く見えない状態だが、過去の記憶とGPSで方向を見定め登りを開始する。まだ時間は早いので行けるところまで登って、天候回復しなければ引き返すと心に決めて、登り出す。 残念ながら、登れば登るほど、風当たりが強くなり前が良く見えない。10m以上の強風なので体感は-20度ぐらい、樹氷の間隔は狭いので樹氷間は、ツリーホールと吹き溜まりの凹凸で大きなところでは1m程度の段差がある。しかし、その個所がよくわからない。結果、時間だけが過ぎてなかなか高度が稼げない。 11:11 スマホ使用不能の直前1705m地点での撮影では、まだ元気でもう少しと言い聞かせながら風と寒さに耐えて、撮影。後でよく見ると樹氷モンスターは、もう引き返せと言っているようだ。 この先、スマホは全く使用不能となり写真どころか位置がわからない。11:33 登り切り 1800m地点、天候は一向に回復せず、平らになった所で、もう寒さに耐えるのも限界、ここが山頂と勝手に決めて引き返しを決断した。このままシールで下ることも考えたが、少しずつ下れば大丈夫と考え、滑降準備。 〇1800m到達点から芝草平 滑降準備では、手袋を一重から二重に取替えると少しは冷たさから解放された。12:00滑降開始、風に向かって下る。雪面が良く見えないので手さぐり状態、僅かずつ、スキーが滑る方向と、登ってきた方向感覚を信じて転ばないよう、恐る恐る下る。幸い急傾斜ではないのが救いだ。ボーゲン、斜滑降、横滑りを駆使して、樹氷の間を下った。 下るにつれ、少しずつ見通しが効くようになった。時折ガスが晴れると遠くまで見える。芝草平の滑り込み地点は、持ってきた地図で地形を確認、杉ヶ峰の尾根先端の位置を想定し滑り込んだ。そこで登りのトレースを確認するが風でトレースは消えている。しかし、登りで休んだ所の特徴ある樹氷の形を覚えていた。その地点で更にトレースを探すと、運よくうっすらトレースが確認できた。間違いないとほくそ笑む。トレース確認は12:31過ぎ。 〇芝草平からエコーライン ここからの下りは、登りのトレースを外すことなく進む必要がある。残雪期は、長い長い斜滑降の記憶があるが、今回は春の抵抗のない固い雪と違って、深く潜る新雪のため緩い傾斜では滑らない。ストックを使って進み滑らなくなれば少し斜面を階段歩行で上がって傾斜を確保し進む。その繰り返しである。時間はかかるがトレースを外さないためにはそれしかない。幸い時間はたっぷりある。 天候は、次第に回復し見通しは良くなってきたので、時折風で消えたトレースがあっても、不安はない。また上に少し登って進行方向にトレースを発見、その繰り返し。我慢のトラバースが続く。トラバースを開始して間もなくスマホが復帰した。しかし、電池の残量が10%に消耗している。一枚だけ写真を撮りもうスマホは使わないと決めた。 14:00頃、最初の沢横断個所で二人のボーダーの嬌声、目の前を滑り降りた。ここまで来ると避難小屋はすぐ近くのはず。時折刈田岳の山裾のエコーラインも見えたのでもう大丈と確信、登ることをやめて斜滑降で下り、程よい地点で休憩しシールを装着した。14:40シール地点を出発、ここからエコーラインに直進する。15:23エコーラインに到着した。ここから、振り返ると曇ってはいたが、屏風岳の山頂まで見えた。天候が味方してくれて本当によかったとつくづく思った。 〇エコーラインから駐車場 帰りは、いつもの慣れ親しんだお決まりのコース、疲れてはいたが気持ちが晴れやかだ。日は陰りだしているので斜面の凹凸は見えないが、雪質が良いので回転もできる。最後の後見ゲレンデでは何度も何度も小回りの回転を楽しみ、最後の林道はジェットコースターで駐車場に到着。終わりにした。到着するとすぐ車からモバイルバッテリーを取り出し充電、ヤマップのログを終わりにした。幸いバッテリー残量1%でしっかり記録されており、運が良かった。 〇反省 今回の山行で間違いはなかったのか反省してみた。①下山の判断は多少遅かったのかもしれないが正しかったと思っている。前回のように日が差せばもっと良い結果になっただろうし、何より帰りの時間はたっぷりだった。②斜滑降への切替えも正しい。ログで確認すると大きく登りのコースとずれているが、新雪のなせるわざでこれでシール登りの時間が増えてはいない。③帰りのトラバースに時間がかかりすぎは想定外。新雪がこれほど滑らないのは誤算だった。芝草平からの帰りもシールを使った方が疲れなかっただろう。④スマホの誤作動は、まったくの想定外。スマホは故障が今まで一度もなかった。スマホ故障での遭難は避けたい。早速、登山用GPSを買い求め予備としたい。
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