活動データ
タイム
09:19
距離
24.4km
のぼり
2147m
くだり
2304m
活動詳細
すべて見る前々回、日没が迫り滝見物をやめて下山したので、その続き。 百尋の滝にはある思いがあり、一度訪れたきり二度と訪れることはなかった。1969年1月10日付の新聞東京版に「吹き飛ばされる自然美 発破で凍る百尋の滝を行く 滝つぼは岩だらけ 景観より林道開発」いう見出しで、岩に埋まった谷の写真と共に掲載された記事が当時山登りを始めて間もない自分には衝撃的だった。そして同じ年の7月に行ってみたら、確かに谷は岩で埋まり、滝は形だけは保っているものの周囲の自然景観は台無しで、特に林道工事をしている側は無残な姿を晒していた。こんな姿になってしまっては、もう見る価値もないし2度と見たくもない。こんな自然破壊が許されていいのか…と高校生ながらに当時進行していた奥多摩有料道路の行方と共にやるせない気持ちで憤慨しながらその場を離れ、下山したのだった。それから50年以上が経ち、数年前に「日本百低山」というテレビ番組で川苔山が取り上げられたのを見ていたら、その百尋の滝が出てきたのでよく見たら、かつての岩で埋まった姿はなく、滝の景観も林道の存在が良くわからないくらいにまで甦っていたので、その後の状況を確認したくなり再訪することとしたのである。 途中、以前林道を歩いた時に、はっきり見えていた聖滝を、今回は見落としてしまった。結構立派な滝だったと思うので歩いていて気づかないはずはないと思ったのだが・・・。 登山道に入ってからは林道も見えず、次から次と現れる滝や淵を楽しみながら歩く。やがて左手はるか高くにコンクリートの擁壁のようなものが見え始め、百尋ノ滝が近づいたことを知る。こうしてみると、これまで見えない所を通っていた林道をなぜわざわざ滝の近くに寄せてきたのだろうと思う。やがて谷が右へ曲がりこんだところに滝があった。確かに54年前見た荒れ果てた風景とは異なり、一見普通の美しい滝である。谷を埋めていた岩屑も、長い年月の間に押し流されたのか、普通の川床となっていた。しかし、左手上の岩肌をよく見ると、すぐ近くを林道が通っている気配が感じられる。しかし、それも過去を知らない人にとっては気づかないほどのものであろう。渇水期なので水量が少なく、迫力にはいささか欠けるが、山合の渓流に懸かる美しい滝がそこにあった。奥多摩周遊道路も建設時の荒れた山肌が今は樹林に覆われ、あまり存在を感じさせなくなっている。50年経つとそれなりに変わるものなのだと、自然の凄さを改めて思う。 川苔山から日向沢ノ峰までは、それまでの谷間の暗い道から打って変わって日当たりのいい明るい道が続く。途中「ヨウヘイギの頭」などという小ピークに寄り道したりして、日向沢ノ峰の北側に広がる草原で前と同じく昼食とする。あまり人が来ない所だけど、今日は土曜日のせいか4人ほどが通り過ぎて行った。 日向沢から長尾丸までの間、急斜面で滑りやすい道が断続的に続く。道も落ち葉で埋まっていたりしてなおさら滑りやすい上に迷いやすい。落ち葉の中を幾筋にもついた踏み跡を追って行ったら道を間違えそうになり気づいたものの、斜面が滑るので本道に戻るのに手古摺ってしまった。 棒ノ折山着は14時を過ぎていたが人が結構多くいた。外国人のトレラングループはこの時期に半袖・短パンで登ってきている。やはり、彼らとは肌感覚が違うのだろうか。 名坂峠まで、3年前は1時間20分ほどで来れたので、今回もその程度の時間で行けると思ったのだが、道が落ち葉で滑りやすかったこともあるけど、今一調子の波に乗れず思いのほか時間がかかってしまった。さらにその下のバス停までも、20分で着いたところが30分以上かかってしまった。なので目標としていた川井発16時48分の電車には乗ることができなかった。最近特にバランス感覚に変調を来たし、下りに時間がかかるようになったみたいだ。 次は棒ノ折山から青梅鉄道公園を目指す。
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