裏銀座縦走(高瀬ダム〜新穂高)
水晶岳・薬師岳・黒部五郎岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・湯俣
(富山, 岐阜)
2025年09月21日(日)〜24日(水)
4日間
裏銀座縦走路のことを知ったのはいつだったろうか。いつかは歩いてみたいと思っていたが、それはもっと先のことだろうと漠然と思っていた。やりたいことは他にもあるし、縦走は今じゃなくてもなんて考えていた。
ところが、2年前、北鎌尾根から槍ヶ岳へ登ったとき、北鎌からずっと見えていた裏銀座がすごい美しかった。そして、去年滑落事故を起こして、病室でネトフリで「ゆるキャン△」を見ながら考えていたことは、治ったらどこでも良いからゆっくり縦走してみたいということだった。
ということで、ならば裏銀座! ゆるめに百名山に挑戦している相棒ちゃんを誘って、食料計画やウェア、装備などを相談しながら準備して、3泊4日の縦走にチャレンジしたのだった。
裏銀座の記録はちまたにあふれているけれど、以下、少しでも裏銀座に関心がある人たちに参考になるように書いてみたい。
〜記録〜
9月20日(土)
盛岡南ICに仕事終わり、7時半に集合。最近は仕事終わりの移動時、時間節約のため高速道路のSAにあるシャワーを利用している。東北道だと金成と安積にある。今回は安積を利用。10分300円、女性用のシャワー室が1つしかないため待つことがある。その後、安曇野へ。
9月21日(日)
5時前に安曇野に着いたのでコンビニの駐車場で仮眠。7時に南安タクシー豊科本社に向かう。登山口となる七倉までのタクシーと、下山口に車の回送をしてもらうためだ。今回は下山予定の24日が、新穂高の営業所が休業日ということで、沢渡に車を回送してもらうことにした。七倉までのタクシー代と回送料込みで24000円、2人だと高い気もするが、4人くらいで割ればかなりお得だろう。事前予約が必要。8時に七倉山荘前に送ってもらい、そこから高瀬ダムまで大町のタクシーに乗り換える。ここは予約不用だった。まもなくタクシーが来て、高瀬ダムまで乗せてもらう。2400円。
8時半過ぎ、高瀬ダムからスタート。濁沢にかかる丸太橋が流されてしまっていたので、前日までの雨で水量の増した沢の渡渉に少し苦労した。ブナ立尾根は12から0番まで数字があり、それが良い目標となって、そこまできつく感じなかった。7から6がやや遠く感じたけど。この日は烏帽子小屋まで登り、テント泊。しかし、なんとこの日はテント予約が必要な指定日だったため、テン場の良いところは押さえられていた。かなり小屋から離れたところにテントを張る。トイレと水場は遠いが、それでも張れただけありがたかった。予約指定日というものがあるんだとはじめて知った。テントも予約の時代なのだ…。その後、烏帽子岳に行き、ピークハント。山頂付近は鎖場があり、スリリングだった。夜はスパゲッティ、ソースにサラダチキンを入れた。それにじゃがりこポテサラ。
9月22日(月)
少し寝坊。かなり冷え込み、夜は寒かった。テントは雪が降ったかと思うくらい霜が張って白かった。朝はアルファ米に、サバの真空パックされた燻製。それとスープ。濡れたテントをたたみ、6時半過ぎに出発。
いよいよ裏銀座縦走路。朝から快晴、すでに日は登り、日の出は見れなかったが、縦走路はよく見渡せた。この日の予定は長く、三俣山荘までを目標としていたが、情けないことに予想よりスピードが出ず。東沢乗越まで来て、あきらめて水晶小屋に泊まることにする。ここで途中縦走路で何度か、抜きつ抜かれつ進んでいたお二方に、水晶小屋にするなら電話をしたほうが良いというアドバイスをいただいた。迂闊にも水晶小屋にテント場があると勘違いしていたきつつきたちに、テント場がないということもこのとき教えてもらい、ありがたかった。電波があってよかったが、小屋の電話番号はメモしてくるべきだった。ネットが不安定で少し焦ったが、なんとか予約できた。
縦走路の景色はまさに雑誌やテレビで見た通りであった。景色がいくら歩いても変わらなくて、逆に怖かった。はるか先に見えていた双耳峰があまりに遠すぎて、水晶岳ではないと思いたかったが、水晶岳だと確信に変わっときのショックと言ったらなかった…。
でも、ひそかに登ってみたかった野口五郎岳にも登れたし、その手前の野口五郎小屋はいかにも山小屋らしい味わいある建物で、青い屋根が青空に映えていた。布団を干していたのも、なんだか良かった。ここはいつか泊まってみたい。
15時過ぎに水晶小屋で受付、素泊まりで11000円。その後、水晶岳に向かった。水晶岳までの景色がすごい絶景で、雲の平から槍ヶ岳まで名だたる山々が一望できた。この日の槍ヶ岳は、どの人も完璧だと口をそろえて言っていた。夕飯はサッポロ一番みそラーメンに乾燥野菜、乾燥わかめ、大豆ミート、お餅を入れて食べた。小屋では夜喫茶?のようなことをやっていて6時からいくつか飲み物やアイスなどが注文できる。黒糖ミルクを頼んだ。850円。甘くてこの上なく美味かった。その後、お泊まりの方々と色々な話をして楽しかった。水晶小屋に水場はないため、天水を利用している。水は有料で、ペットボトルの水以外は、1人1リットルまで。しかし小屋は快適そのもの。ほんとに泊まれて良かった。
9月23日(火)祝日
前日の遅れを取り戻すべく4時に起きて、アルファ米とフリーズドライの味噌汁で朝食を済まし、5時に出発。この日はなんとしてもワサビ平まで降りたかった。
朝は霧が濃く、肌寒い。まずワリモ岳に登り、続いて鷲羽岳へ。少しずつ霧が晴れて、景色が見えてくる。その後、急な下りを経て三俣山荘へ。この下りでなんと岩手の知り合いに会う。伊藤新道の帰りだと言う。邂逅に元気をもらい、三俣山荘へ。噂通りの山小屋だった。小屋前のベンチでコーヒーを淹れて休憩。そこから三俣蓮華岳、丸山、双六岳を経て、12時過ぎに双六小屋。やはり噂通りの小屋だった。ここでこの縦走唯一の小屋で食事。カルビ丼1600円、コーヒー600円を頼む。ケーキなどもあったが、さすがに贅沢過ぎたのでやめた。
ここまでで結構疲れていたが、あとはワサビ平まで下るだけと思いきや、この後もわりと登りがあった。それでも下りに入ると順調に進み、鏡平で小休止したのち、ワサビ平山荘には17時半に着いた。この間にまたもや岩手の知り合いにお会いして、元気をもらった。ワサビ平山荘には名物の水に浮かんだ野菜が売っていた。きつつきはトマトを、相棒ちゃんはきゅうりを食べた。これは疲れた体に沁みた。このあと食料が結構余っていたので、テントで宴会気味に食べた。相棒ちゃんおすすめの塩辛ペンネ、ドライグリーンカレーなど、けっこう高級なドライフードを食す。もちろん、旨い。高いけど、やはり旨いものだ。その間、相棒ちゃんがこの縦走で小屋ごとに買った山バッチのお披露目会。じっくり見るとデザインなど、けっこう面白かった。10時前に遅めの就寝。
9月24日(水)
5時起床。ゆっくり起きて、スープにどん兵衛のミニパックを入れて簡単に朝食。7時に出発。新穂高のロープウェイ駅に8時過ぎに到着。8時55分の高山行きのバスで平湯温泉へ。910円。ここで乗り換え。平日なので余裕だと思っていたが、国外の方々で行列。次のバスまでゆっくり足湯でもと思ってたが、それどころじゃなかった。けっこう焦る。臨時便まで出ていた。9時30分の臨時便に乗れそうだったが、行列の整備の人数え間違えで、外国人の2人に先を譲ってほしいと言われた。少し前にこれ数え間違えてるとなんとなく思っていたので、外国人の方も困った顔をしていたので、先を譲った。海外で予定時刻のバスに乗り遅れるなんて、自分ならパニックどころじゃないだろう。良いことしたので気分が良かった。10時のバスまで売店で買ったクロワッサンと飛騨牛コロッケを食べた。次の上高地行きのバスに乗って、1駅、中の湯で降りてもう一度乗り換え。670円。今度は沢渡行きのバスに乗る。10時28分のバスに乗って、茶嵐バス停で降りる。1000円。久々にマイカーと再会。ちゃんとここまで迎えに来てくれていて、すこし感動する。駐車代800円。長いようで、あっという間の4日間が終わった。この後、沢渡近くの温泉に入り、乗鞍高原のほうでお蕎麦を食べて帰路に着く。
憧れの裏銀座は、憧れ通りの縦走路だった。本来表も裏も銀座ルートは槍ヶ岳に向かう登路だけど、槍ヶ岳は北鎌尾根から行ってるし、今回はパスした。ただやはり歩いてみて、槍ヶ岳が北アルプスの盟主であることはわかった。どこからでも見え、それとわかる姿は改めてかっこよかった。また行きたいと思った。
天候は、暑すぎも寒すぎもなく、ほぼ晴れて、絶好のコンディションだった。ただ、あまりに同じ景色過ぎて、ずっと歩き続けるのは少々飽きてくるのと、絶景が続くので写真撮りすぎ問題が発生した。
体力不足も実感したが、すれ違い、追い抜かれた多くの人たちが、それぞれに軽量化していて軽やかだった。ほんとに山にULの考えや装備が浸透しているんだなと実感。軽やかに山々を歩いて行く人たちは、みんなおしゃれで楽しそうだった。汗をかきかき、はあはあ喘いで登る苦しい登山は、時代遅れになりつつあるのかもしれないと思った。今回、自分たちもかなり軽量化したつもりだったけど、それでもまだ減らせるものはあると思う。途中、小屋泊になってしまったのは、ご愛嬌だが、本当は全テント泊にしたかった。課題は多いな。
今回、色々計画を進めてくれ、4日間も共に歩いてくれた相棒ちゃんに、いつもながら感謝。
またどこかよろしくお願いします🙏