野口五郎岳・烏帽子岳
野口五郎岳・真砂岳・湯俣岳
(長野, 富山)
2023.11.03(金)
2 DAYS
急登、爆風に満身創痍の身体。かなり苦しい登山になったけれど、ヨロヨロになりながら見た北アルプスのモルゲン、アーベントはこの上ない2日間の縦走となりました。
リハビリ登山は今年北アで1番行きたかった自身最後の日本三大急登のブナ立尾根から烏帽子岳と野口五郎岳へ。1ヶ月半ぶりの登山ともあり気持ちが高ぶる。
脚とヘルニアの不安もあったが雪山フル装備にテント泊装備を背負い、急登に挑んだ。
朝、最近やたらと多い寝坊。予定の2時間もロス。
日本三大急登の制覇には烏帽子岳を登るのは絶対条件だが、野口五郎岳に日没まで危うい。急遽七倉ダム〜高瀬ダム間を歩きからタクシーへ作戦変更。1時間を金で取り戻す。吊橋を渡りいよいよ始まった日本三大急登のブナ立尾根。
一言で言うと苦しかった。久々の登山にリハビリ、雪山、テン泊装備といきなり無理があったのかもしれない。衰えた筋肉に何度も脚が攣る。日本三大急登と言われるのに何の疑いもないほどの急登でした。
西黒尾根、黒戸尾根、そしてブナ立尾根とこの三つ。
ブナ立尾根が僕の中で一番の急登だと思います。
4時間もかかったがどうにか烏帽子岳避難小屋に到着。脚と相談しながらまだ痛みはないと予定通りに烏帽子岳へ向かう。烏帽子岳山頂直下のトラバースと鎖場は雪が着いて慎重に通過し、無事に日本三大急登を完登した。
烏帽子岳小屋に戻りここから野口五郎岳へ向かう。
長い長いアップダウンの稜線。辺りには表裏銀座の名峰に槍ヶ岳などが疲れを癒してくれるが脚は正直だ。
動かない脚をゆっくりゆっくり焦らず野口五郎避難小屋に向け進めた。三ヶ岳山頂直下の200mくらいのトラバースが核心部だった。滑ら無い様に慎重にステップし、通過。稜線を歩き続けどうにか日没ギリギリに間に合った。そしてアーベントタイム。焼ける稜線に何度もシャッターを切る。久々のテント設営。無風で条件は良かった。
深夜、爆風で目が醒める。心配になりテントから出て
ロープなど確認。問題はなかった。AM2時頃、更に風は増し台風の様に。乱気流で横から上から風が叩きつける。次の瞬間、上から叩きつける風にテントに押しつぶされた。ビリビリとフライシートな破れる音と共にテントの骨組みが折れた。緊急事態だった。そのまま急いでテントからでて避難小屋にテントを引きずり退避した。この時の風は25m以上は吹いていただろう。寒さで身の危険を感じながらもテントを片付け避難小屋で暖を取る。
弱まる気配の無い風に撤退も視野に入れながら野口五郎岳へと脚を運んだ。立っているのもやっとの爆風。気を抜けば谷底に飛ばされそうだった。身を引くくしながら登頂。経験した事のない風に30mくらいは吹いていたのかもしれない。山頂標識に身を預け飛ばされない様にしながらモルゲンタイムまで待つ。山頂は貸切。誰も登って来なかった。三脚も立てれない中どうにか自撮り。そして夜が明け、焼ける北アルプス。写真撮影を終え、本来この先まで進む予定だったがここで下山を決意。テントが大破した事が何よりの決め手だが悔いは残らなかった。再び烏帽子岳小屋に向け稜線を戻る。風に注意しながら何とか烏帽子小屋まで戻る事ができた。
日本三大急登の完登に、最高のアーベント、モルゲンを見る事ができたがその代償はテントの大破。設営の仕方が悪かったのかもしれない。復帰戦は課題もたくさん残ったが無事に帰って来れただけ良かった。