24:21
37.0 km
3536 m
裏銀座、完遂できず。(高瀬ダム→三ツ岳・真砂岳・野口五郎岳・水晶岳・ワリモ岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳・樅沢岳・弓折岳→新穂高温泉)
水晶岳・薬師岳・黒部五郎岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・湯俣 (富山, 岐阜)
2026年05月05日(火)〜06日(水) 2日間
今年の5月の連休の目標は裏銀座の縦走です。 【計画について】 勤務先の休みはカレンダー通り2日から6日、このうち2日は暴風、4日は暴風雪の予報です。 (実際、その通りになったようです。) 槍ヶ岳山荘まで行ければ食料の調達はできると仮定しても、順当に進んで3泊4日は見ておきたいです。 2日と4日の天気を考えると、安全に停滞することを組み込んだ現実的な計画を思い描くことができませんでした。 そこで7日と8日に休暇を取り、次の行程とすることにしました。 5/4:七倉山荘に宿泊。入山前からテントを濡らしたく無いこと、しっかり栄養と睡眠を取りたいことから1泊2食付きの館内泊とした。 5/5:タクシー利用で高瀬ダムへ行き、野口五郎小屋前で幕営。 5/6:双六小屋で幕営予定だが、天気次第で冬季避難小屋利用。 5/7:槍ヶ岳登頂、槍ヶ岳山荘またはババ平に幕営。 5/8:上高地に下山。 【実際の行程】 <0日目> 松本へ向かう途中、帽子・ヘッドバンドを忘れたことに気付きました。 幸い松本駅前のアルピコプラザに好日山荘があったので、こちらで調達です。 大町駅前からは提携タクシーで七倉山荘へ。 この時期の利用は多くないようですが、やはりいるにはいるようです。 計画段階では駅から歩くことも考えたのですが、こうして車窓を見ていると歩かなくてよかったと思います。 松本も大町も駅前は晴れていたのに、七倉はしっかり雨です。 18:00に夕食ということで、2時間近くあるので温泉でのんびりします。 夕食はすきやきに岩魚の塩焼き、キノコのホイル焼きなど、明日に備えてしっかり栄養を摂れている気がします。 これまで登山口近くの宿にわざわざ泊まるという発想は無かったのですが、これもいいものです。 <1日目> 朝食は4:15です。 ご飯と味噌汁のおかわり1回ずつでしっかり満腹です。 山荘の外に出てみると青空に雪山がとても綺麗です。そして少し肌寒いです。 5:00のタクシーは自分を含め計3名が乗車です。 2600円を割り勘できるのでありがたいです。 この区間は昨年の夏に歩いていますが、行程次第では歩きたくありません。 ブナ立尾根の取付付近はやはり雪無しですが、権太落としを越えると量も増えてきて嫌らしい積もり方をしています。 蹴り込みながらのトラバースや木の枝を利用して急傾斜を上がる場面などありました。 ここまで滑り止め無しで進んできましたが、ここでアイゼンを付けることにしました。 ところどころ雪が減って夏道に薄く乗っているだけの区間もありましたが、三角点を越えると痩せ尾根と急傾斜が続き、早くも難易度を感じます。 上がりきって烏帽子小屋の前で休憩です。 ここから先の稜線はしばらく雪があったり無かったり。 北アルプスの山々の景色がどこまでも美しく、人気なのもよくわかります。 野口五郎小屋に着いたのは正午過ぎ。 少し窪んだ場所だし、安心してテントを張れそうです。 一方で翌日は曇りがちな予報です。 幸い風も弱そうですが、この先の天候が悪化してしまうことも十分考えられます。 到着予想を見てみても先へ行ける気がするので歩き続けることにしました。 真砂岳までは様子は大きく変わらず順調です。 ところがその先は雪が多くなると同時に、痩せ尾根らしくなってきました。 しばらくは稜線上を進んでいくのですが、東沢乗越を過ぎると険しさが増していきます。 掴む岩は半分以上は崩れていくし、まるで信用ができません。 さらにハイマツ漕ぎが酷く、さすがにルート取りを間違えているようです。 正解は少し下がってトラバースだったようです。 雪質は悪くなかったのでよかったのですが、おそらく今回最大の難所はこの辺りだった気がします。 この区間で時間を取られ、水晶小屋に着いた時には17:00前になってしまいました。 そこから高天原側の巻道沿いに水晶岳へ向かうわけですが、これまた中途半端に雪が残っています。 往復に1時間半以上かかってしまいました。 水晶小屋付近から見える夕陽とそれに照らされた山々の景色はひたすら美しく、もう何も言えません。 今日の疲れも忘れるほどの絶景…と言いたいところですが、さすがにこれより先へ進む気力はありません。 水晶小屋の前に泊まることにしました。 しかしこのあたりは風の影響を受けにくい平坦地というのが無く、また壁を作れるような積雪も付近に見当たりません。ここにテント場が無いのも頷けます。 適地を探しに移動することも思い浮かびましたが気力が無く、ポール無しでテントを被ることにしました。 飛ぶほどの強風ではなかったと思いますが、あまり眠ることはできませんでした。 <2日目> 朝になりました。 雲が多いですが一応晴れています。すぐ外に雷鳥も見えます。 できれば槍ヶ岳山荘まで目指したいですが、まずは鷲羽岳を目指します。 ひたすら景色がよく、誰にも会わないのが贅沢に感じられます。 中途半端に雪が残って、通りにくい部分もありますが進めそうなところを探していきます。 鷲羽岳に辿り着くと一気に踏み跡が増えました。 三俣方面に下っていくと出発以降はじめて登山者を見かける等、すっかり様子が変わった気がします。 三俣山荘付近は雪が多く、一部のハイマツと小屋こそ露出していますが、これまでとは全然違います。 ひょっとしたら水場が出ているんではないかと考えていましたが、見事に埋もれています。 そして一気に下がったので登り返しがきついです。 かなりの急斜面というのもありましたが、三俣山荘から三俣蓮華岳の山頂まで1時間以上かかっています。 昨晩あまり眠れなかったのも響いているようです。 そして天気は明らかに悪くなっていってて、西側は曇ってきています。 双六岳に着く頃には三俣蓮華岳や笠ヶ岳も雲に呑まれ、槍穂高連峰も時間の問題のように感じられます。 双六小屋の前で一旦休憩し、少し考えました。 現在時刻、明日の天気、疲れ具合とペース… 明日の天気は早朝は晴れそうなものの風が強く霧予報で今日より条件は悪そうです。 そもそも進めるうちに進んでおきたいし、トラブルが無ければきっと夕方前には槍ヶ岳山荘に着ける気がします。 迷いを抱えたまま西鎌尾根へ向かって歩くことにしましたが、樅沢岳の山頂を越えたナイフリッジのあたりで心が折れました。 慎重さ正確さが求められる難所が予想される中、ついに目の前にも霧が広がっていきます。 もう気持ちが乗りません。 予報を見て一晩停滞して待ってみる気にもなりませんでした。 (ここは本当にそれでよかったのかとの問いが残ります。) そうと決まったら大ノマ乗越を経由して新穂高温泉へ下山です。 松本方面のバスに間に合うかが微妙なところですが、途中で幕営する気にもなりませんでした。 それにしても笠ヶ岳へ伸びる稜線上も足場となる雪の崩落はあったし、弓折岳あたりは霧が濃いし、帰るのも勇気がいります。 幸い危険な目に遭うことはありませんでしたが、下山も楽ではありません。 大ノマ乗越のカールを下り始めると徐々に霧も無くなり、不安も少なくなってきました。 結局、松本方面のバスには間に合わず、高山市内に泊まって終了です。 裏銀座縦走というからには槍ヶ岳まで登って完遂したかったのですが、悔しいです。 色々なタラレバを考えてしまうのですが、もう最後は気持ちが負けていました。 また宿題が増えてしまいました。もっと強くなりたいです。 【反省点】 ・入山前に七倉山荘に宿泊することで充実した食事と睡眠を確保できたのは、体力面ではよかった。 ・当初の想定と比べて3日目や4日目の天気予報は明らかに悪化していたため、なるべく進めるうちに進むという判断は正解だったと思われる。 ・ただし水晶小屋周辺に幕営するという判断は得策ではなく、実はワリモ北分岐から外れた地点に適地があった。 ・以前と比べて重量に対する耐性が上がり、少しは身軽に動けるようになった点はよかった。 ・雪を溶かす作業の効率化を考えてアルミ製・ヒートエクスチェンジャー付きの1000mlクッカーを導入したが、結果的に雪を溶かす作業は発生しなかった。 ・既に液体となっている水から250ml程度のお湯を沸かすだけなら従来から使っているチタン製550mlクッカーの方が速かったため、今後も計画次第で使い分けたい。 ・下山後に山小屋のSNSで実際の3日目の様子を見ると、予報通り昼時点で霧に覆われてしまっていたが早朝は晴れて穏やかだったらしい。そのため2日目に下山せずに双六小屋付近に留まり、3日目の早いうちに出発して槍ヶ岳を目指してもよかったのではないかと思えてしまう。 ・槍ヶ岳を目指さないにしても3日目に下山を始めるでもよく、2日目の下山判断は早計だった。 ・結局、最後は気持ちが負けていた。
