白馬伝説

2023.11.19(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 54
休憩時間
1 時間 1
距離
8.8 km
のぼり / くだり
592 / 593 m
12
11
1 28
7
11
16

活動詳細

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各務原アルプスで、伊吹の滝から北山展望台を経由し、各務原権現山を目指す途中に鳥居が有る。その鳥居の横の石柱に多度神社の文字が刻んであることを不思議に思ったことは無いか。 多度は三重県の北東にあり、岐阜県に隣接する養老山地の南端に位置する。全国的に有名な多度大社があり、白馬伝説(しろうまでんせつ)で知られる。それは多度山に棲む白馬が、人々の願いを天上の神に届けるという使者の役割をするというもの。当時の人々の願いは、天変地異を畏れ、農耕とその収穫が安定する事にある。目の前に広がる木曽三川は、恵みをもたらす一方で、氾濫による破壊的なエネルギーも目の当たりにした事だろう。人々は神の使いである白馬に、鎮守としての役目を期待したのだ。 神代の時代から、馬は龍の生まれ変わりとされる。それが白い馬なら尚更に特別な存在となることは言うまでもない。現代で有れば、白い馬が生まれるのは、アルビノと言う白子症で、からだの色素が生まれつき不足している状態だと理解できる。しかし、当時としては珍しい白い色の馬が生まれれば、神の使いとして神社に奉納され大切に扱われた事だろう。 さて、各務原アルプスにある多度神社であるが、これは当時の雨乞神社としての名残りのようだ。つまり、白馬伝説のある多度大社にあやかり、龍神の化身である白馬に天上の神へ恵みの雨をもたらすよう願ったのだ。現在では、新境川用水(放水路)や各務用水などにより水利も良くなっているが、それまでは台地特有の地形による、水はけが良いのが災いして、農耕には不向きで、干ばつや飢饉に脆弱な土地であった。 ところで多度大社の本尊である多度山の山頂を、各務原アルプスの多度神社がある、各務原権現山の山頂を結んだ延長に槍ヶ岳が有るのをご存知か(以降、個人の勝手な解釈です)。槍ヶ岳を始めとする北アルプスの主峰が集うこの場所は、穂高神社の奥の院であり神々が降り立つ土地、すなわち神降地(上高地)ということになる。そして、穂高神社に行かれた方はご存知かと思うが、境内には神々への伝達の役割をする白馬が祀られるのだ。 更に、対角線を延ばして行くと、なんと白馬村に行着く。余談だが白馬村の由来は北アルプスの白馬岳(しろうまだけ/はくばだけ)に由来する。白馬岳は「しろうまだけ」がもともとの読み方であった。春の稲作の代掻き時期に、雪解けで山肌に現れる地表が馬の姿から代馬岳と呼ばれ、更に白馬へと変化したそうだ。何れにしても馬と農耕の関係は、日本人の心に密接に関わっており、まして白馬となれば神々しさも増し、人々と神を結び付ける特別な存在であったのだろう。

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