活動データ
タイム
08:40
距離
20.2km
のぼり
852m
くだり
850m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る坂巻温泉4:30―中の湯バス停4:51―上高地トンネル5:17-太兵衛平5:32―1800m地点7:05―8:15太兵衛平8:35―8:48大正池―田代池9:09―田代橋9:31―河童橋10:15―小梨平キャンプ場10:25―上高地アルペンホテルー上高地温泉ホテル11:04―田代池11:33―大正池11:59―太兵衛平12:16―上高地トンネル12:20-釜トンネル12:30-中の湯バス停12:46―坂巻温泉13:09 霞沢岳西尾根、積雪期の初級バリエーション。以前から行きたいと思っていたルート。重い腰(痛い腰?)を上げて、挑んだけど、あっという間に撤退してしまった。 マイカーで坂巻温泉旅館に。前日に電話したところ、休業日なので停めてOKとのことでした。19時に自宅を出発して、給油、食料補給を兼ねて休憩して23時前に到着。もっとつらいかと思ったけど、案外楽に行けた。 駐車場には3台の車。1台は早朝に電気がついていたが、2台は電気がつかないので、どこかで天泊中かな? 夜中、ダウンを着ても寒さに体が震えた。モンベルの#3にしたが、ナンガのいいシュラフにしておけば良かった。 4時前に起床して朝食を無理やり食べて4:30に出発。山に囲まれているが沢山の星がきらめいている。目の悪い私でも、こんなにたくさんの星が見えるんだな。ちょっと嬉しくなった。駐車場のすぐ横のトンネルを自動車、トラックが通るたびに、恐ろしい轟音が鳴り響いていたが、そのトンネルの中の歩道を歩く。交通量は少ない者の、通過する際の轟音で、歩道にいても当てられそうで恐怖だった。トンネル以外にも工事のために片側通行。青信号で進むが、途中で赤信号になるため、前方から車がやってくる。こちらのヘッデンに気づいてくれていたら良いが念のため、工事用のコーンの内側を通行してやり過ごした。 車両通行止めの釜トンネル、上高地トンネルを抜けて、舗装道路を登り切ったところに国土交通省砂防工事事務所の看板がある。矢印にしたがって、道路わきに積まれた雪の上を登っていく。空に電線が見え、左斜面の笹の中に白いロープを見つけた。ここが太兵衛平の登山口。気温は-8℃。冷えてはいるが、寒くない。ここで、靴を履き替えて、防寒でないテムレスを付けて登り始める。 雪は全くなく、こちらに向かってくる笹の中の階段を、ロープを頼りに登る。登りきると、穂高の雄姿と、大正池からの遊歩道が見えてきた。ここを右に、雪が中途半端に残っている笹の中を登っていく。これまでのレポで拝見したように急登。笹が随分出てきて、雪の面が不安定な場所は、避けて登る。時折、穂高が顔を見せてくれる。尾根の上の大岩は、右の笹の急斜面から巻く。トレースか木々から落ちた雨で融けたのかわかりにくい雪の急斜面。ここは問題なかったが。その上で、全面凍結した急斜面。雪解け水が凍り付いて透明な分厚い氷になっている。どこを通るにしても凍っていて、その上に細かい落ち葉が堆積している。落ち葉の下を雪解け水が流れ、そのまま氷結したのだろう。縦走用のピックルのピックは刺さらないし、平爪のアイゼンも刺さらない。どうしたものか。もう少し行ってみよう。何とかごまかして登ったが、痛めている膝に相当負荷がかかった。さらに凍り付いた斜面が続く。まだ、1800mなのに、登り始めて1時間なのに、体力は問題ないし、天候もバッチリなのに。・・・頭に、家を出るときに娘から言われた「無理しないでね」の言葉が浮かんできた・・・降りよう。このコンディションがこの先も続くのであれば、アイスクライミングをしたことのない私の技量では怪我をするかもしれない。膝に負担が来ているし、ソロだし、周囲には誰もいないし、動けなくなったら沢山の人に迷惑がかかる。家族や職場の皆さんにも。 念のために、下山用に懸垂下降できるように持参したハーネスを付け、補助ロープも出して、下山開始。途中で、ベテランさんがソロで登ってきた。ちょっと口惜しくなったが、もう決心は変えない。笹の急斜面のルートをロスしたりしながら、短時間で下降した。この2,3日で急速に暖かくなっている。もう数日早く来たら登れたかもしれないなあ。今度はもっと早い時期にきて、憧れの稜線に立ちたいと思った。 太兵衛平で、ヘルメットをとって、ハーネス、アイゼンを外して、さてどうしようか。目の前の焼岳もいいが、時間的には少し遅いし、あのつづら折れの舗装道路を歩くのは辛い。それなら、先ほどの稜線から見えた大正池から上高地へ歩こう。すでに4月開始に向けて、道路工事や除雪作業の方々が働いておられる道路を通過させていただく。皆さん、道楽で歩いている私に親切に案内していただいた。ありがたいことです。道路は一部、全面凍結してたので慎重に歩く。ダブルピッケル、アイゼン、ヘルメットをザックに付けた重装備で、転んだらカッコ悪いよね。 大正池ホテルから大正池に降りる。雪原の向こうに焼岳が聳えて圧倒される。また、登りたいな。ここから雪原を上高地まで歩く。踏み跡はたくさんあり、植生保護のために張られているロープに従って歩く。ずっと雪原を田代池、梓川、河童橋から見える白い穂高が青空に映えて素晴らしくきれいだ。気候が安定したGW頃には多数の人が押し寄せるのだろうな。今日は、工事関係者以外、誰もいない。小梨平まで足を延ばすと、スキー板を持ったソロの方、スノーシューを持った二人連れが居られた。テント場は少し雪が残っている程度。河童橋を渡り、比較的雪の少ない右岸を歩くと、オープン前のホテルの大工仕事をされている音がする。この川沿いや先ほどの田代池ではお猿さんが餌探しや毛づくろいをしている。横を通る私を一瞥して、特に気に掛けることもなく、日差しを浴びて春を満喫しているように見える。霞沢岳の稜線を見る。雪がテカテカに輝いている。あそこまで登るつもりだったのになあ。とても残念な気がしてきたが、自分の技量と雪と氷のコンディションの問題だ。仕方ないね。来シーズンは登れるかなあ。 その思いを断ち切るように、ひたすら歩く。そのあと、スノーハイクの方、十数名とすれ違ったが、静かな上高地を満喫した。 これなら、最初から娘を連れてきても良かったかな。でも20kmほど歩いたから、無理か?
もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。