熊倉山:地味な山にご用心?

2023.12.09(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 20
休憩時間
15
距離
13.0 km
のぼり / くだり
1404 / 1388 m
2 53
1 38
1 8

活動詳細

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山路の半ば、あるいは山頂から見晴らす周辺の峰々。中でも秀麗な、あるいは特徴的な山容に目を惹かれることもあるが、一見して単調としか言い表しようのない稜線も多い。しかしながら、そういった地味な頂きであっても、何故か気になってしまう存在に出会うことは無いだろうか。筆者は3ヶ月ほど前、埼玉県秩父市の『秩父御嶽山(ちちぶおんたけさん、1080m)』に登った際、道中の見晴らし台から見た『熊倉山(くまくらやま、1427m)』が、そういったピークの一つであった。その後あれこれ調べてみたところ、コースタイムもやや長く、また登山者も比較的少ない様子であるが、それだけに開拓しようのある山路ともいえよう。   そんな訳で、この週末は上述の『熊倉山』を目指すことに決定。実際に登らなけらば知りえないその魅力に触れるべく、早朝の列車で秩父路へ向かう筆者であった。     <アクセス> 今回は秩父鉄道『武州日野駅』を起点、同『白久駅』を終点とした。   <下山後のいで湯> 今回は、秩父鉄道『御花畑駅』より徒歩5分の『祭の湯』(西武秩父駅併設)を利用。開館時間は10:00~22:00(最終受付21:30)。浴場にはボディソープ、シャンプー、リンスーの備え付けあり。岩盤浴あり。料金は各種条件によって異なるため、公式ウェブサイトを参照のこと(土日祝の入館料は大人1380円)。レストランもあり(11:00~21:30)。

雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 今回は秩父鉄道の『武州日野駅』をスタート地点とした。駅舎内の待合室で支度を整えたのち、登山口へ向かう。
今回は秩父鉄道の『武州日野駅』をスタート地点とした。駅舎内の待合室で支度を整えたのち、登山口へ向かう。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 踏切を渡って、登山口までは少々長めの車道歩きとなる。道標なども整備されており、まずは『如意観音堂』と記された方向へ進む。
踏切を渡って、登山口までは少々長めの車道歩きとなる。道標なども整備されており、まずは『如意観音堂』と記された方向へ進む。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 道中、YAMAP登山地図の赤線ルートが車道を逸れ、いったん歩道へ入るルートを示す分岐点へ差し掛かるが、そちらはトンネル崩落の恐れがあるため通行止めとなっており、そのまま車道を進んで峠を越える。
道中、YAMAP登山地図の赤線ルートが車道を逸れ、いったん歩道へ入るルートを示す分岐点へ差し掛かるが、そちらはトンネル崩落の恐れがあるため通行止めとなっており、そのまま車道を進んで峠を越える。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 そののち再び赤線ルートに合流すると、右手に『如意観音堂』が佇んでいる。堂内には『寝入り観音様』という観音様が安置されており、安産や子育ての御利益があるそうだ。
そののち再び赤線ルートに合流すると、右手に『如意観音堂』が佇んでいる。堂内には『寝入り観音様』という観音様が安置されており、安産や子育ての御利益があるそうだ。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 『如意観音堂』を過ぎると、今度は左手に水車小屋が。付近には公衆トイレも置かれている。
『如意観音堂』を過ぎると、今度は左手に水車小屋が。付近には公衆トイレも置かれている。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 その後は道なりに進み、やがて車道は山奥への林道へ。工事現場を見送って登り基調に進むと、写真のような分岐点へ。
どちらの道も『熊倉山』への登山口へ続いているが、今回の登りは『日野コース』というルートを辿ることとし、左手に延びる砂利道へ折れる。
その後は道なりに進み、やがて車道は山奥への林道へ。工事現場を見送って登り基調に進むと、写真のような分岐点へ。 どちらの道も『熊倉山』への登山口へ続いているが、今回の登りは『日野コース』というルートを辿ることとし、左手に延びる砂利道へ折れる。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 非舗装の荒れた林道の突き当りが『日野コース』の登山口だ。ガードレール終端に設置されたポストに登山届を提出し、その先から沢筋へ下る。
非舗装の荒れた林道の突き当りが『日野コース』の登山口だ。ガードレール終端に設置されたポストに登山届を提出し、その先から沢筋へ下る。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 登山道へ踏み出して早々に沢を渡ったのち、しばらく沢沿いの道程となる。その後も幾度となく渡渉地点を越えることとなるが、どこからどこへ渡って、その後はどちらへ進めばいいのか、道筋が不明瞭で分かり辛い箇所も多い。とりあえず沢筋に沿って歩きやすそうなルートを辿れば大丈夫だが、その見極めはある程度登山に慣れていないと難しいかもしれない。
登山道へ踏み出して早々に沢を渡ったのち、しばらく沢沿いの道程となる。その後も幾度となく渡渉地点を越えることとなるが、どこからどこへ渡って、その後はどちらへ進めばいいのか、道筋が不明瞭で分かり辛い箇所も多い。とりあえず沢筋に沿って歩きやすそうなルートを辿れば大丈夫だが、その見極めはある程度登山に慣れていないと難しいかもしれない。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 ともあれ最後の渡渉地点を過ぎて道標が見えたら一安心。その後は谷あいのトラバース道となるが、そちらへ踏み込んで早速、崩落地点に出くわす羽目になった。写真では分かり辛いが、うかつに踏み込めば滑落必至で、高巻きも困難。結局細い木の枝につかまりながら、恐る恐る突破することとなった。
ともあれ最後の渡渉地点を過ぎて道標が見えたら一安心。その後は谷あいのトラバース道となるが、そちらへ踏み込んで早速、崩落地点に出くわす羽目になった。写真では分かり辛いが、うかつに踏み込めば滑落必至で、高巻きも困難。結局細い木の枝につかまりながら、恐る恐る突破することとなった。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 その後も、時折狭くなる足場を慎重に抜け、若干の急坂を乗り越えると、「足元注意」の看板とともにロープの張られた岩場へ。登りで通過する場合は、ロープに頼らずとも問題なかった。
その後も、時折狭くなる足場を慎重に抜け、若干の急坂を乗り越えると、「足元注意」の看板とともにロープの張られた岩場へ。登りで通過する場合は、ロープに頼らずとも問題なかった。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 更にトラバースと急坂を繰り返して沢筋の終わりに近づくと、足元が落ち葉に覆われた開けた箇所に出る。ここからの行く手は非常に分かり辛く、登山道とは関係ない樹の枝に結ばれたピンクリボンも。そのため、他のユーザーの方々が投稿されているフィールドメモも参照しつつ、慎重に進行方向を見極めることが肝要だ。
更にトラバースと急坂を繰り返して沢筋の終わりに近づくと、足元が落ち葉に覆われた開けた箇所に出る。ここからの行く手は非常に分かり辛く、登山道とは関係ない樹の枝に結ばれたピンクリボンも。そのため、他のユーザーの方々が投稿されているフィールドメモも参照しつつ、慎重に進行方向を見極めることが肝要だ。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 そののち進行方向左手がにわかに開け、明るいトラバース道へ。写真は道中見かけた、明らかに人為的な石組の遺構。マタギの人々が築いた小屋の跡であろうか?
そののち進行方向左手がにわかに開け、明るいトラバース道へ。写真は道中見かけた、明らかに人為的な石組の遺構。マタギの人々が築いた小屋の跡であろうか?
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 再びの鎖場を経て、つづら折りの急坂へ。写真は岩にしがみついて斜めに伸びる樹木。そのど根性ぶりに圧倒された。
再びの鎖場を経て、つづら折りの急坂へ。写真は岩にしがみついて斜めに伸びる樹木。そのど根性ぶりに圧倒された。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 つづら折りの急坂を登りきると、尾根筋の分岐点に突き当たる。ここを左手に折れれば、山頂はもうすぐだ。
つづら折りの急坂を登りきると、尾根筋の分岐点に突き当たる。ここを左手に折れれば、山頂はもうすぐだ。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 しかるのちに、その先の急坂を登り切れば、ようやく『熊倉山』の頂に到着である。
しかるのちに、その先の急坂を登り切れば、ようやく『熊倉山』の頂に到着である。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 山頂周辺は木立に囲まれているが、山頂標識の少し先からはわずかに、長野県との県境を隔てる稜線への見晴らしを伺うことが出来た。
山頂周辺は木立に囲まれているが、山頂標識の少し先からはわずかに、長野県との県境を隔てる稜線への見晴らしを伺うことが出来た。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 同所の傍らには、小さな祠も置かれている。筆者もここまでの山行の無事に感謝し、手を合わせた。
同所の傍らには、小さな祠も置かれている。筆者もここまでの山行の無事に感謝し、手を合わせた。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 山頂で軽く食事をとって休憩してから、下山の途へ。まずは山頂直下の分岐点まで取って返したのち、往路とは異なる『城山コース』を辿って麓の『白久(しろく)駅』を目指すこととした。
早々に急な下りとなり、足元も落ち葉に覆われているため滑りやすく、時折木の枝などにつかまりながら、慎重に下る。
山頂で軽く食事をとって休憩してから、下山の途へ。まずは山頂直下の分岐点まで取って返したのち、往路とは異なる『城山コース』を辿って麓の『白久(しろく)駅』を目指すこととした。 早々に急な下りとなり、足元も落ち葉に覆われているため滑りやすく、時折木の枝などにつかまりながら、慎重に下る。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 足元が緩やかになると、左手に大きな岩が佇んでいる。特に何かの謂れがあるという訳では無いようだが、かなりの存在感を放っている。
足元が緩やかになると、左手に大きな岩が佇んでいる。特に何かの謂れがあるという訳では無いようだが、かなりの存在感を放っている。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 コル部を経て、今度は岩稜帯の急な登り返しへ。両脇も切れ落ちており、痩せ尾根の様相を呈している。
コル部を経て、今度は岩稜帯の急な登り返しへ。両脇も切れ落ちており、痩せ尾根の様相を呈している。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 なお、以前はこの岩稜帯のピーク付近に展望スポットがあったようだが、現在は周囲に木々が生い茂り、落葉したこの時期、その狭間からわずかに周辺の峰々を垣間見える程度となっている。
写真奥は日本百名山の一座である『両神山(りょうかみさん、1723m)』。
なお、以前はこの岩稜帯のピーク付近に展望スポットがあったようだが、現在は周囲に木々が生い茂り、落葉したこの時期、その狭間からわずかに周辺の峰々を垣間見える程度となっている。 写真奥は日本百名山の一座である『両神山(りょうかみさん、1723m)』。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 その後もややテクニカルなアップダウンを経たのち、つづら折りの下りへ。写真の植林地帯へ出ると足元を覆う落ち葉も無くなり、多少は歩きやすい道程となる。
その後もややテクニカルなアップダウンを経たのち、つづら折りの下りへ。写真の植林地帯へ出ると足元を覆う落ち葉も無くなり、多少は歩きやすい道程となる。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 そののち、木立が拓けると登山道は林道へ突き当たる。同所は数台分の駐車スペースも置かれているほか、山と渓谷社の『分県登山ガイド』では、ここから車道を辿って『白久駅』へ向かうルートが紹介されている。
そののち、木立が拓けると登山道は林道へ突き当たる。同所は数台分の駐車スペースも置かれているほか、山と渓谷社の『分県登山ガイド』では、ここから車道を辿って『白久駅』へ向かうルートが紹介されている。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 ともあれ今回は、『城山コース』の名が由来する『城山』にも立ち寄ったのち、引き続き稜線沿いに歩いてから下山することとした。先程の林道から向かいの登山道へ入り、階段状に整えられた斜面を登る。
ともあれ今回は、『城山コース』の名が由来する『城山』にも立ち寄ったのち、引き続き稜線沿いに歩いてから下山することとした。先程の林道から向かいの登山道へ入り、階段状に整えられた斜面を登る。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 その後10分ほどで、『城山(648m)』の頂へ。本峰はその名の通り、戦国時代に城塞が築かれた経緯があるそうだ。
その後10分ほどで、『城山(648m)』の頂へ。本峰はその名の通り、戦国時代に城塞が築かれた経緯があるそうだ。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 『城山』山頂から、引き続き尾根伝いに進む。しばらくはそれまでと打って変わって非常に歩きやすい道程が続くため、あとは楽勝かな、と油断していたのだが、のちにその認識は覆されることとなる。
『城山』山頂から、引き続き尾根伝いに進む。しばらくはそれまでと打って変わって非常に歩きやすい道程が続くため、あとは楽勝かな、と油断していたのだが、のちにその認識は覆されることとなる。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 『城山』から先の稜線においても、若干のアップダウンを繰り返す。こちらは階段状に整備されている箇所が多く、滑る心配は少ないが、歩幅に合わない段差もあり、思いのほかハードだ。
『城山』から先の稜線においても、若干のアップダウンを繰り返す。こちらは階段状に整備されている箇所が多く、滑る心配は少ないが、歩幅に合わない段差もあり、思いのほかハードだ。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 そののち、最後の小ピークで不自然に平坦な広場に出る。ここにはかつてNHKの電波塔が建っていたようだが、現在は跡形もなく撤去されている。
そののち、最後の小ピークで不自然に平坦な広場に出る。ここにはかつてNHKの電波塔が建っていたようだが、現在は跡形もなく撤去されている。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 先程の電波塔跡から先の道は茂みに覆われて少々分かりづらい。更にその先の道程も荒廃気味で、木製の階段も崩落した土砂に覆われがちであった。
先程の電波塔跡から先の道は茂みに覆われて少々分かりづらい。更にその先の道程も荒廃気味で、木製の階段も崩落した土砂に覆われがちであった。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 やがて木立が開け、砂利道から民家を見送ると秩父鉄道の踏切へ。これにて無事下山完了だ。
やがて木立が開け、砂利道から民家を見送ると秩父鉄道の踏切へ。これにて無事下山完了だ。
雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山 先程の踏切を渡って左手に車道を進み再び軌道を横切れば、ゴール地点の『白久駅』へ到着である。
予想以上の難路を完遂できた安心感と共に、列車で下山後のいで湯に向かう筆者であった。
先程の踏切を渡って左手に車道を進み再び軌道を横切れば、ゴール地点の『白久駅』へ到着である。 予想以上の難路を完遂できた安心感と共に、列車で下山後のいで湯に向かう筆者であった。

活動の装備

  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    フジノンレンズ XF16-80mmF4 R OIS WR
  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    ミラーレス一眼カメラ X-T4 シルバー X-T4-S

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