与那覇岳(よなはだけ)は、沖縄県国頭郡国頭村に位置する、標高503mの山で、沖縄本島の最高峰である。
山頂域は日本国の天然記念物「与那覇岳天然保護区域」に指定され、ノグチゲラやヤンバルクイナなどの動物が生息している。やんばる国立公園に指定され、世界自然遺産の候補地である「奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島」の推薦区域にも含まれている。
沖縄本島北部の国頭山地に属し、沖縄県国頭郡国頭村に位置する。同村奥間(おくま)地区と比地(ひじ)地区の東方にあり、奥間地区の集落から東へ約4.5kmに位置する。東麓一帯にアメリカ軍の北部訓練場が設定されている。
標高は503mで、沖縄本島の最高峰である。また沖縄県内では石垣島の於茂登岳(標高526m)に次ぐ第2位の高さで、沖縄県内で標高500m以上の山は、この2つのみである。山中にある一等三角点(標高498.0m)が、与那覇岳の標高とされていたが、1989年(平成元年)以降に行われた国土地理院の調査で、標高が503mと改正され、その地点が三角点から北東100mの距離に位置している。
山頂付近は侵食による谷の発達が十分でなく、西側はなだらかな長い斜面を有するが、北・南・東側は西側と比較して傾斜は大きい。また頂上から南側にかけて平坦な尾根が続き、南方に位置する伊湯岳と山稜が連なる。地質は中生代から古第三紀にかけての砂岩・片岩・千枚岩などで構成される名護層である。
与那覇岳一帯は沖縄県で最も降水量が多く、年間降水量は約3,000mmと、沖縄県平均の約1.5倍である。そのため、周辺は雲や霧に覆われることが多い。南西の麓を源に発した比地川は北西に流れ、北西の麓から発する奥間川と合流し、東シナ海へ流出する。麓東側から床(とく)川が流れ、安波(あは)川の中流部と合流し、太平洋へ注がれる。