原点回帰@後立山連峰白馬岳〜不帰の嶮
白馬岳・小蓮華山
(長野, 富山)
2025年10月24日(金)〜25日(土)
2日間
・序章
晩秋の候、一気に気温も低くなり、下界では紅葉まっしぐらとなりました。
アルプスなど高山では山小屋も閉じ、夏山の喧騒が嘘のような静かな季節です。
特に日帰りで厳しい山域は一気に人が居なくなり、まさに山本来のたたずまいを取り戻したと言っても過言ではない。
このシーズンは静かに山を噛み締めたい者にはうってつけの時期だ。
そうだ、やはり山へ行こう。
・まずはどこ行こうか??
どこに行きたい?となった時に相方と候補になったのは後立山連峰の不帰の嶮。
近年の山岳ブームで特に後立山連峰はテント場が全て予約制でなかなか行きにくくなり、騒がしくなって敬遠していた。相方にとっては初めてであり、自分にとっては20年前の初めての北アルプスデビュー(白馬大雪渓から唐松岳縦走)ルートで、2日目の不帰の嶮は雨でなんにも見えなかった因縁のルートだ。なので今回は代替え案もなくすんなりここに落ち着いた。
シーズンが終わった北アルプスは泊まりの場合はテント泊となる。しかもすでに稜線上は日中でも0℃近辺で夜間はマイナス5〜10℃となるから装備は悩ましい。今回のルートは一応水場はあると想定しているが、もし枯れていたら頼るとこもないので水も余分に必要だ。(この点、残雪期は水に困らないから楽だ)
装備も厳選しつつ重すぎず、というところで今回は総重量15キロとなった。
・登山口までのアプローチ
前日の21時に岡山県を出発して北陸道経由で一路長野県へ。
この時期大雪渓はすでに通行止。行って行けなくはないだろうが、それより無理しないために栂池スタートとした。(もう一つ理由としては前日海釣りがあり、釣りのあと岡山県からの移動してそのまま登るのはきつすぎるので仮眠を取りたかったというのもある(笑))
栂池ゴンドラのスタートは8時なのでかなり仮眠を取ることができた。
平日にも関わらず始発には列が出来ていたがなんと先頭はワクワク浮かれ気味の自分達(笑)
天気予報は抜群でゴンドラから見える景色にすでに心拍数は爆上がり気味だ。
栂池自然園に行く方は沢山いたが、明らかに場違いなバックパックを担いだ二人組は相当浮いていたに違いない(笑)
・栂池から白馬岳へ
自然園入口の脇から登山道が始まる。
天狗原までは笹薮の途切れから時折見える新潟方面の山を眺めながら霜柱と薄氷が張った登山道を登っていく。
寒いはずだが荷物が重たいこともあってすぐに汗が吹き出してくる。まぁ僕は暑がりだから寒いほうがいいのだが。
天狗原からは岩岩した斜度キツめの道を登っていく。ここからは見晴らしも良く、日本海側の低山の紅葉を眺めながら登っていく。登りきればその先には白馬大池を見下ろす白馬乗鞍岳に到着だ。
そこから一旦大池の淵を沿うように真っ赤な外壁の白馬大池山荘を目指して下っていく。
静かな池と抜けるような青空に赤茶けた山肌と真っ赤な山荘が特に目を引く。
人がいないからその景色はまた異彩を放っている。
大池から先はゆっくり高度を上げなから新潟県最高峰の小蓮華岳まで標高を上げていく。この稜線からは西は雪倉岳や朝日岳の真っ赤な紅葉を楽しみながら、後背には白馬大池、東は八ヶ岳方面を眺めながら大パノラマだ。稜線上で出会うハイカーは極少数で栂池からのピストンくらい。おかげで夏場は沢山人が稜線上にいるのにこの時期はほぼ人影をみない。
これこれ、この時間と空間の占有の贅沢さよ。
小蓮華岳まで来ると本日の最高峰、白馬岳が見えてくる。北側見ると白馬岳は切り立った崖のように見える。白馬岳を眺めながら歩を進め、三国境で日本海側からの栂海新道と合流する。
いつかここから日本海まで歩いてみたい。
白馬岳の手前で久しぶりの雷鳥と出会う。
大分白毛が増えてこちらも雪シーズンに向けて準備中といったところか。通り過ぎるまで観賞させてもらって最後白馬岳へ至る。
・天狗山荘まで進むか?
白馬岳について南側を眺めると白馬三山(杓子岳、白馬鑓ヶ岳)が目に飛び込んでくる。東西非対称の山容が印象的で、ここが日本列島の変曲点であるフォッサマグナにいることを実感する。地球は偉大だ、こんな景色を作り出してしまうのだから。
時刻は丁度15時。
明日の事を考えると天狗山荘まで進んでおきたいが、日暮れの早い今の時期、日没までにはたどりつく事は不可能だ。
だが、ナイトハイクは得意分野(笑)全会一致で進むことにした。
あと本当はもう一つの目的もあるのだが、、、
杓子岳の手前のコルまで標高を下げていく。
日本一の収容人数(800人らしい)を誇る白馬山荘もすでに閉まっており、夏山の喧騒はどこへやら。不気味感すら覚える静かさっぷりだ。
テント泊もおらず、廃墟を過ぎるように通過していく。大雪渓も夏場は蟻の行列ができているがそれもなく。
コルまで降りきったところで初めてテント泊縦走者と出会う。僕たちとは逆ルートで来られた方で、お互いテント泊ですね〜と声をかけすれ違う。ここから杓子岳には登らず手前をトラバースして白馬鑓ヶ岳へ向かう。丁度取り付きから少し登ったことろで夕暮れ、アーベントロートの時間。
これこれ、これを観たかった。
白馬岳は白馬鑓ヶ岳から見ると綺麗な斜をもった山容を眺めることができる。その斜面に夕日が当たって真っ赤に染まる。そう、この場所からこの時間ではないと見えない景色だ。
少しガスはかかったが綺麗に真っ赤に染まった白馬岳を見ることができた。この場所で見ようと思うと白馬山荘、天狗山荘ともに到着が日没後となるため、シーズン中はテント場予約ということもありなかなか行きにくい。今の時期は自由だから気兼ねなく行ける。
(但しその後夜間行動となるのでお勧めはしませんが。)
最後は真っ暗な中、白馬鑓ヶ岳を通過し天狗山荘までルートロスしないように歩いて行く。
日が落ちると途端に気温が下がり始め太陽の力が夜の帳に侵されていくのを感じることとなる。焦らず確実に歩き1時間ほどで天狗山荘到着。ここで本日の行動終了。到着は遅いがスタートが遅かったのでいつもよりは歩いてない。
テントを貼りお疲れさまと山飯。
今回は暖も取りたいから津山名物ソズリ鍋。
それに昨日の釣った鯛の刺身とデザートのフルーツと、、、毎回思うが一泊二日の工程の時はご飯の重さが余分(笑)
ご飯を食べたら防寒対策を十分して就寝。
今回はお互い防寒グッズの新装備を試してみた。相方は湯たんぽ。直火にかけれて熱容量も大きいし、水は最悪飲める(笑)結果は途中までは温かかったが朝までは保たなかったみたい。
僕は充電式カイロ
普通のカイロや燃料式カイロはあんまりに寒いと反応が悪い。
結果としては十分過ぎるほど暖かく、朝まで使っても電池は余裕だった。難点は充電忘れたらアウトなとこと重たいことかな??
・不帰の嶮へ
夜間マイナス7℃くらいまで冷えていて、岩場の凍結もあるから今回は日が出るまでのんびりする事にした。決して寒いからシュラフから出るのが嫌で朝日を見なかった訳じゃないですよ?(笑)まぁおかげで久しぶりにテントで8時間も爆睡したけど(笑)
テントを撤収して、まずは天狗の頭まで稜線を進む。昨夜の寒で真っ白に凍りついた植物の脇の縦走路を進む。風もそこまで強くなく、これなら不帰も通過できそうだ。
しばらく進むと登山道は急に切れ落ち、眼下のコルまでのガレ場が現れる。そして目の前には巨大な岩塊、不帰の嶮が飛び込んでくる。
これを下ってまたそれ以上に登り返すのかと思うと地味に辟易するがまぁそれがキレットですからと言われればそれ以上は言えない(笑)
ガレ場をつづら折りに下り、途中何度か鎖場を通過しながら下っていく。基本そこまで危ないところはないがザレ場や岩場を慣れて居ない方は危ないだろう。多分キレットの登りよりここの下りのほうが気が抜ける分危ないかもしれない。
下りきったら不帰一峰に登るがここは普通の登山道と同じ程度なので大したことはない。一度標高を落としてから二峰への登りが本番だ。
若干逆勾配になっている滑りやすい岩場を鎖を使いながら登っていく。慣れていればどうということもないが滑ったらアウトなので慎重に。半分ほど登ると空中ハシゴがあるがここもそんなに難しくはない。相方は結局あまり鎖も使わずさっさと登っていった(笑)来るまでは騒いで居たのにいつも現場ではひょうひょうと行ってしまう(笑)
西側には剱、立山の絶景を楽しみながら、東側は切れ落ちた崖面と八方尾根を眺めながら登っていく。
二峰南峰まで来るとあとはほぼ一般道となって唐松岳へと至る。
20年前、暴風雨の中景色も見えず黙々と歩いた
不帰の嶮。今回は天気に恵まれ最高の稜線歩きが堪能できた。20年前の記憶を辿りつつ、こんな景色だったのかと興奮しながら唐松岳へ到着した時は感慨深いものがあった。
登山を初めてこの20年、途中山に行かず休憩時間もあったがやっぱり山はいいなと改めて思うとともに、自分らしい山歩きをこれからも楽しめたらと改めて感じた。
・下山、帰路
唐松岳からは一気に人が増え、順番待ちもしながらら八方池まで下っていく。相変わらず巨大バックパックの二人組は浮いていたかな(笑)
八方池まで来るとここからは観光地だ。
ちっちゃい子供達も自分の足でここまで上がってきている。頑張れ、未来の登山家たち(笑)
最後はリフトとゴンドラ乗り継いで下界へ。あっという間の山中2日間だった。
栂池までは八方バスターミナルからバスで帰る。バスターミナルでの待ち時間で飲んだイチゴシェイクが今回1番美味だった(笑)
あとは北陸道経由で岡山まで帰るが下山直後から雨が降り始め、途中は豪雨となった。天気予報も見ながら今回の登山日をギリギリで1日前倒ししたがこれが見事に当たり。予定通りだと今ごろ雪中のなか猿倉へ下山だったろう。晴神の相方には感謝しかない。
今年中のアルプス遠征はこれで終わりかな、次はどこ行こうかな〜