大菩薩連嶺の北端は苔の山🫨

2024.05.06(月) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 46
休憩時間
1 時間
距離
16.1 km
のぼり / くだり
1390 / 930 m

活動詳細

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久しぶりの山行。 かねてより計画していたのは2日かけての大菩薩連嶺全縦走であった。ワタシはこの2週間あまりの日々、毎朝発表される天気予報を穴が空くほど眺めて予定日が晴れるよう祈りながら過ごしたものだ。しかしちっぽけなハイカーの祈りは風に負けて届かず、2日目の天候がワタシの許容範囲をあっさり超えてしまったので断念せざるを得なかった。 始まりは4月の下旬、ワタシは少しでも山行を早く開始したく、コミュニティで「タクシーのシェアライド」を募集した。 さっそく1人のYAMAPERさんがコメントをしてくれたので感激したのだが、その方は界隈が地元とのことでシェアライドどころか自家用車で最寄駅まで迎えに来てくださると言う! 耳を疑った(正確にはテキストなので目を疑ったのだが)のは言うまでもなかった。そんなことあるんだろうか。ワタシはその親切なYAMAPER様の申し出に感動した。 さらに少々無理を言ってしまったが快く応じていただき、自分の入りたい登山口まで連れて行ってもらい黒川鶏冠山を目指した。 初めてのソロじゃない山行は楽しいものだった。 落合登山口は柳沢峠より標高を大きく下げるのだが、その登りは散歩並みの緩やかな登り。 ただ、核心部とも言うべき黒川鶏冠山に向かう部分で突然岩が剥き出しの道になり高度感も増す。 この、山の振る舞いが突然変わったことで心に火が灯る感じをワタシは好む。 曇っていたにも関わらず富士山が綺麗に見えた。 風は肌寒さを感じるくらいによく吹いていた。 普段丹沢などからワタシが見る富士よりもずっと黒かった。それは酸いも甘いもを噛み分けた大人の男然としていた。 いつもは海の色でも映しているのだろうか? 丹沢から臨む富士山は裾を引いたドレスを着ているように見えどこか女性的だ。 次に向かった展望ポイントからは金峰山が見え、五丈岩が炊き立ての米のようにピョッコリ立っていた。 同行していただいたなえ子さんと六本木の分岐で別れ、ワタシは大菩薩方面へ向かった。 タイトルの通り、大菩薩連嶺の北側は岩肌や地面、倒木に至るまで苔むす美しい山だ。 野生のヘレボルス(と思われる)やミツバオウレンのような亜高山植物も多く見られ、園芸店などで手に入る植物より遥かに小さいものの美しさは格別だった。踏めば消えそうな花に顔を近づけて眺めているだけでそのたくましさにグッときてしまう。 盗掘なんてせず、山に来て花を愛でれば良いではないか。そこにあることが唯一の価値なのだからとワタシは考える。 そういえば登山口付近でマムシグサと教えられた草をうかつにペタペタ触ったせいか前線の影響か、この日は後半につれて体調が優れなかった。 丸川荘までは明るく穏やかな山中でアップダウンはほぼない。気付けば雲間から陽射しを見せるようになった。 そこからは標高を300メートルほど上げるので上りが多くなる。 20分ほど歩くとグレーピークの国内御殿がある。御殿というのは岩塊のことだとどこかで読んだことがある。取り付きは不明瞭だが地図を頼りに上がる。溜めフンがそこら中に積み上がっているがタヌキでもいるのか? 国内御殿からの眺望は抜群に良いが踏み跡もあまりないので向かう時には切れ落ちた右側に注意したい。 ワタシは行動食の量が心許ないことを心配していたが、案の定シャリバテしかけていて足取りが重かった。 大菩薩嶺は展望に乏しかったが、樹林が風を遮ってくれるので強風のこの日でも苦労せず調理が出来た。 この日は自家製ベーコンとキヌアを火にかけてクノールのトマトスープで仕上げた。全粒粉の食パンと共に食べ、くたびれた身体によく染み込んだ。 ひと気のない山頂でのんびりしすぎ、気付けば最終バスまで1時間と少しになってしまっていた。 CTを確認するとギリギリ届いてなかった。 とはいえ、下りのことはあまり心配してなかった。ワタシはこの半年強、山に通っていて知ったのだが下りが得意なようなのだ。 磯釣りをよくやっていた時代、足を捻ることは多かったが痛めたことがなかった。これは頑丈な足首を与えてくれた両親に感謝したい。当初は翌日まで膝が痛むこともあったが、今ではそれもないに等しい。眼が良いことも貢献しているのだろう。喜んで駆け下りることにした。 たまに写真を撮りながらせっせと駆け下りていて福ちゃん荘に辿り着いた時のCTは0.5を切っていた。これなら一本前のバスにも間に合いそうだと考え少しの間この山行中の景色の余韻を楽しみながら歩くことにした。 今回の山行はなえ子さんのご厚意によって実現できたようなようなものです。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。そんな地元の方の知恵を借りながらこれから山梨もどんどん登っていきたいと考えています。 ここまでお付き合いいただきありがとうございます。 次回、小金沢連嶺編に続く。

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