活動データ
タイム
13:10
距離
14.3km
のぼり
978m
くだり
977m
活動詳細
すべて見る昨年5月中旬、三ツ頭直下でハイマツ&シャクナゲの大藪漕ぎをした川俣尾根。残雪期の今、薮は雪で埋まっているであろうことを期待して、よかさんと再びチャレンジしてきました。 今回もう一つの大きな目的としては、その時下降路で歩く予定だった南東の支尾根を下ること(昨年は藪漕ぎに苦戦して時間切れとなり、帰りは天女山への一般ルートで下山)。 私にとっては登りも下りもほぼバリエーションルートという初めての体験で、登山者には誰にも会わず、南八ヶ岳の静寂と山深さにどっぷりとつかる山行になりました。 早朝5時から行動開始。5月はクモイコザクラをはじめとして花盛りの地獄谷を、渡渉を繰り返しながら進みます。 春の花はまだ見られないかなと諦めていましたが、前日たまたま麦草ヒュッテのInstagramでウスギオウレンが咲いていることを知り、ダメ元で探しながら歩いていたら運良く発見することができました! 出合小屋の先、3つの沢の出合の標識から川俣尾根に取りつきます。取り付きの岩は脆く前回も今回も落石を起こしかけたので、登られる際は十分に注意してください。 樹林帯の急登では徐々に雪が見え始め、腰まで踏み抜くなどはなかったのですが、膝くらいまで埋まることもあり、残雪に苦労して時間がかかってしまいました。 1850mの出合小屋から2時間半かけて、ようやく2300m地点・尾根のジャンクションに到達。 ダケカンバの木立から深い谷を隔てて、権現岳バッドレスの岩壁やキレット縦走路が間近に迫り、その迫力に圧倒されました。 権現岳の表情もいつも見るのとは全く違い、南八ッの新たな一面を知ったような気がして、深いところから悦びが湧き上がってきました。 しかし、この時点で時刻は12時近く。前回は10時すぎにこのピークに到着していました。渡渉と残雪により、思ったよりも時間がかかってしまったようです。 下りで歩く未知の尾根のことを考えても、これ以上進むのは時間的に厳しいと判断。展望を得るために少し先まで進んで、引き返しました。 下山はいよいよ、川俣尾根から南東方向、八ヶ岳牧場に伸びる支尾根を進みます。 川俣尾根ではピンクテープを僅かに見かけましたが、この尾根はほとんど人が入っていないよう。しかし、明瞭な獣道があり、鹿のフンがまるで絨毯のようにぎっしりと落ちていました。 緩やかなアップダウンを繰り返しながら2101m、2032m、1960mと3つのピークを踏んでいきます。 ひたすら樹林の尾根かなと思っていましたが、ところどころ熊笹の草原が現れて展望がひらけ、巨大な三ツ頭や双耳峰のような権現岳、ピラミタルな赤岳など、今まで見たことのない南八ヶ岳の展望がこの尾根からも得られました。 2032mピークには「鹿鳴山(しかなきやま)」という味わい深い山頂標識があったのも嬉しいことでした🦌 1960mピークを過ぎると、尾根が広くなり不明瞭となります。よかさんが後ろでGPSを確認し、方向を指示しながら進みますが、尾根を歩いていると思ったのに途中で消えて、ふと見ると今度は左に現れたり…。 途中、険しい岩尾根を降りなければならない箇所もあり、時刻は15時をまわっていたので、冷や汗が出ました。 それでも、よかさんの冷静なルーファイと下降のアドバイスにより無事に通過。 目指すは八ヶ岳牧場の横断歩道ですが、渡渉が厄介な地獄谷に降りてしまわないよう、細心の注意を払いました。 17時前になんとか八ヶ岳牧場に出ると、夕刻に照らされた南八ヶ岳が神々しくも優しい表情をしていて、まるで旧知の友のように感じました。 美濃戸の西面の活気もいいけれど、あぁ…私はやっぱり南八ッの東面の静けさが好きだと、改めて思いました。 汗みどろで必死に歩いた一日でしたが、時間が経つに連れて、密度の濃い深い山行だったなぁと、徐々に心に沁み入るような感覚を味わっています。 同時に、渡渉、残雪歩行とピッケルの活用、ルートファインディング、野生動物への対応、日没が迫る中いかに冷静に心を保つか…今回は総合的な山力が試される山行で、まだまだよかさんについていくばかりでしたが、大変良い経験をさせていただきました。 今後ソロで山を歩く時も、この山行で学んだことを大いに生かしていきたいと思います。 今回がおそらく積雪期最後の山行。心に残る、とても充実した冬山シーズンとなったように思います。 よかさん、ありがとうございました! ※ルートの拙い説明もかねて、長い日記となってしまいました🙇♀️
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