活動データ
タイム
05:18
距離
8.5km
のぼり
543m
くだり
543m
チェックポイント
活動詳細
すべて見るこの時期レポで多く上がるミツマタ目当てに、御多分に漏れないようミチクサ隊も乗っかってみた。ミツマタはご存知、昔から和紙の原料として知られていて、林業が盛んで農作物の収穫が厳しい山間に、副収入を目的に植えられたようだ。 和紙の原料はミツマタの他にコウゾやガンピがあるが、日本人は仏教の伝来と共に紙の需要が高まると、麻や稲藁、桑、竹など農作物や身近で入手し易いものを紙の原料として利用していたようだ。中でもコウゾは和紙の材料として重用されてきたが、紙の平滑度や白色度を上げようとすると粘度が損なわれ、破れやすい紙になる。そこに発見されたのがガンピで、コウゾと複合的に使用することで、粘りが出て品質も安定したそうだ。これが奈良時代で確立したと言うから驚きである。 粘りを補強する繋ぎの原料はトロロ(ネリ)と言うそうだが、その後はノリウツギなどの発見やトロロアオイの中国からの導入も加わり、原料のレパートリーも増え、品質も安定したことだろう。 和紙の凄い所は、繊維が丈夫で折れ曲がりに強く、酸化による劣化が少ない中性紙であることに尽きる。奈良の正倉院をはじめ、その後の日本の歴史を紐解く書籍や歴史書が残されているのは、和紙のお陰と言っても過言ではない。 さて、今回の主役のミツマタであるが、その歴史は意外と浅く江戸時代に中国から渡って来たと言われている。栽培が容易で、シカの食害の影響を受けないミツマタは、山間地の副収入を補う産業として浸透していったようだ。然し、現代では洋紙に圧され、ミツマタの需要も少なくなり、林業の衰退と共に生産地を減らして行った。
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