活動データ
タイム
43:54
距離
75.0km
のぼり
8072m
くだり
8071m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る2017年、僕のアルプスデビューは北岳であった。 日本で2番目に高いこと。そして比較的アクセスが楽なことが北岳を選んだ理由だ。どうせならテント泊でと、広河原から大門沢経由の奈良田まで、3泊4日の縦走をした。 北岳の天気だけが優れず、時間の許す限りねばったのだけれど、結局ガスが晴れることはなかった。そのことがずっと、心残りでもあった。 6年が経ち、アルプス百名山で訪れていない山も少なくなってきたところで、今シーズンも残りわずかとなってしまい、行きたい山は雪と氷に閉ざされてしまった。しかし「アルプス納め」という言葉をどこかの日記で見かけたためか、どうしてもアルプスのどこかに登っておきたい気持ちがあった。 そのような経緯で北岳に狙いを定め、YAMAPの活動日記に目を通しているうちに、その気持ちが膨らんでいったのである。 前回とは逆ルートで、すこし色をつけて笹山経由、百高山の小太郎山にも寄り、あわよくば広河原から歩いて奈良田まで帰ろう。 土日の1泊あれば今の自分ならできる。しかしながら天気に恵まれず(完璧な好天を狙い過ぎていたためだ…)、やがて降雪し、こうなれば弾丸の日帰りでやってやろうと、機を窺っていた。 そのため長時間歩くトレーニングに励み、寒さ対策のため全身に育毛剤を塗りたくり、体毛を増やす試みをした。どうして頭髪には効き目がないのだろうかと疑問が残ったが、その成果は目を見張る程のものであった。 そして今回の三連休を迎えると見事なまでの晴れ予報。もうすこし欲張っておこうと鳳凰三山も歩くことに決めた。他の南アルプス百名山は今年すべて歩いているので、即決である。 さらに百高山のアサヨ峰にもタッチし、夜叉神から奈良田まで歩いて繋げたい。そこで余裕を持って有給を頂き、3泊4日で決行したのだ。 ちなみに鳳凰三山は2018年に縦走している。夜叉神から入り鳳凰小屋でテント泊、北沢峠まで駆けるつもりが気持ち、体力ともに波に乗れず、白鳳峠から広河原へあえなく下山。悔しい思いをしたことを覚えている。 ---------------------------------------------------- さて今山行は、タイトル選びで非常に悩んだ。歩いている時はもちろん、下山後もあれやこれやと考えすぎて仕事が手につかない。こうして腱鞘炎すれすれでスマホを駆使している今でもまだ、決めかねているのだ。完全にYAMAP依存症に陥っていると言えよう。 そんなわけで、これからタイトル選びに関して説明しようと思う。 まず日帰りを考えていた時は、 ①『白峰三山NTN』 白峰三山がメインであり、「奈良田to奈良田」、ここ最近のマイブームがアルファベットなので、それを引き継いだ形だ。しかし鳳凰三山も歩くことだし、 ②『白峰鳳凰NTN』 これはしっくりくるのだが、歩いているうちにもうアルファベットはいいやと思うに至り却下。 ダブルメインの白峰鳳凰は入れるとして、三山もやはり入れようかと考えて、 ③『白峰鳳凰三山三山散々登山にもう降参』 これは失敗した時の逃げのタイトルっぽい。しかも、オヤジ臭がぷんぷん匂う…何としてでも歩ききらねばと決意を固める。 小太郎山とアサヨ峰の軌跡が記録された時にこう思った。もう1つ同等のピストンを伸ばせばどうだ!翼を拡げた不死鳥に見えるのでは!そこで、 ④『白峰鳳凰フェニックス』 格好いい!少年野球のチーム名みたいではないか。だけど、同じ意味の言葉が続くのが許せない。 他に、何かに見えないか?…そう、三つ首もたげた地獄の番犬、 ⑤『白峰鳳凰ケルベロス』 これだ!今後の伏線としてもバッチこいなのだ。しかしどこへピストンしよう…地蔵岳の先に山があるけど、そこが名のある山なら…百高山なら…せめて200名山なら…確実に軌跡を残していただろうが、ごめんなさい燕頭山さん、今回はご縁がなかったということで。なので、非常に残念だけど却下。 ではでは小太郎山とアサヨ峰を主人公にしてはどうだろう。もちろん、白峰鳳凰は外せない。言葉遊びをしているうちにここに辿り着いた。 ⑥『しらっとねっとり小太郎くん、ほうほうおっとりアサヨちゃん』 これは物語仕立てであって、地蔵岳に着いたとき、こんな会話の展開が予想される。 「あら、小太郎くんのオベリスク、そそり立ってるわ」 「アサヨちゃんだって、✕✕✕✕✕✕」 つまるところ、下ネタである。 これはいけない。女性からのドーモが来ないではないか。これからのYAMAPを支えるのはなんてったって女性の力だ。いかんいかん。却下。 次に考えたのは地図の問題だ。僕の持つ北岳のYAMAP地図には辻山あたりから夜叉神峠あたりまでの道が表示されていない。ダウンロードする気もない。もしかしたらその区間にある山には登ったことにならず、軌跡すら残らないかもしれない。 そして軌跡が残ったとしても、夜叉神で力尽きた場合だ。 つまり、丸い軌跡のうち、ある部分が抜け落ちている。その形から、 ⑦『白峰鳳凰クリニック~「ええっと、右、かな?いや、右下!」~「はい残念、南東でした。0.03ね。次、左眼さんどうぞ~」』 と、視力検査風のタイトルにしてみる。 これはいいアイデアだ。しかし、終わってみると軌跡は残ったし、最後まで丸く収まった。 ということで、周回をしたわけだからシンプルに、 ⑧『白峰鳳凰サーキット』 アンナプルナ・サーキット(いつか歩いてみたいネパールのトレッキングルートだ)にあやかって、これでいいのではないか、うん、そうしよう!と、なんとなく調べてみると、 針ノ木サーキットなるものが存在するらしい… 知るにつれ、サーキットってスピード感を連想させるよなぁ、対して僕はテント泊で地道に進んでいたよなぁと思い、さらにサーキットはこの世に3つも要らないよなぁとなり。 同じような言葉でラウンドはどうだろう。少しずつ、テント泊しながら回っていくイメージではないか。いいぞ!奈良田起点だから、奈良田ラウンド。すこし崩して、奈良らラウンド。よし、これだ!漢字が続くのは避けて、 ⑨『白峰鳳凰 ナ・ラ・ラ・ラウンド』 どうだ! ララポートみたいではないか! ララランドみたいではないか! ララララブソングみたいではないか! ララ、ララ、ラララララ! うん、決まり!なんちゃらラウンドありますよ~なんて言わないでくれ!もうこれ以上は考えない。 ---------------------------------------------------- あとは写真で語ろう。 そして、語りきれなかったことを最後にいくつか書いておく。 ---------- 奈良田までの林道歩きで、ピンクテープが目印の地図にない登山口をいくつか見つけた。鳳凰三山や辻山から見えた、地図にルートがない尾根に続く登山口だと思い、後に調べると確かに地図にないルートを歩いている人たちがいる。 同じく林道歩きで、ずっと左手、つまり東側に立派な尾根が続いていた。地図にルートがない尾根だ。もしやあれも歩けるのではと調べていると、いやはや歩いている人たちがいる。 夜叉神から西に進路を取らず、南に伸びる地図ルートにない尾根を歩いて奈良田に行けば、より綺麗な楕円形の軌跡ができていたのだ。 例えば私有地や、通行が禁止されている道や山域などでなければ、自分の好きな道を歩いていいのではないか。 決められた道だけを歩く必要はない。 人生と同じではないか。 それが今回得た収穫の1つだ。 ---------- 通行禁止といえば、広河原の先から北沢峠までが通行禁止となっている。 とはいうものの、禁止を強制できないから実際は自己責任で通れば?的なノリらしい。 僕はとってもとってもとっても、そこを通って北沢峠へ行きたかった。それから早川尾根に上がり鳳凰三山を目指せば、アサヨ峰をピストンせずに縦走できたのだ。 しかしこうしてYAMAPで不特定多数の方に見てもらっている以上、ここで「やってやったぜ通行禁止を通ってやったぜ」とヘロヘロしていては自分のことが嫌いになるだろう。 なので、やめておいた。 そういうとこを歩きたい時は、人知れずこっそり歩くことにする。 ---------- YAMAP地図をダウンロードしていなくても、歩いた軌跡は残るし、そこにある山頂を踏めば記録にも残ることを知った。 ということは、山と高原地図で歩いてきた僕のスタイルを考えると、わざわざ地図をダウンロードする必要はない。 よって、このまま無料ユーザーでいいではないかと結論した。 まあ、Pには諸々のメリットがあるんだけど。 ---------- 避難小屋の在り方、使い方について。 これは考え出すと奥が深い。 もうすこし寝かせよう。 ---------- 今すぐ、華々しくチェンスパデビューできる雪山はないかしらん。 ・神奈川県から公共交通機関、もしくはノーマルタイヤで楽に行けるところ ・テント泊地は平和、そこから多少アドベンチャー要素のある雪道が始まるところ ・ローカットシューズでもok ・ピッケルは持っていない ・ピストンは嫌 ・下山後は温泉 ・あ、雪洞泊してみたい ・イグルーだっけ?あれ、作りたい ・雪崩は怖い ・厚い手袋必要か? ・雪山装備って何が要るんだ? ・バラクラバと打とうとしたらバラクオバマが出てきた ・バラクラバに関して書きたいことがあったけど、また今度にする ・スタート地点とゴール地点を同じにしたのに、のぼりとくだりがズレたのはどうしてですかYAMAPさん! ・次はPPPだ!あと、奥多摩だ!奥秩父だ!ええと、八ヶ岳だ!最後にアルプスおかわりあるか! ---------- 最後に、カバー写真について。 初めて歩く白峰南嶺のクジラの背にしようかと先ず考え、北岳で6年越しの風景を見て、さらにそれが僕の尊敬するヤマッパーさんの白峰三山カバー写真と似たような(もしくは同じ、けど迫力は到底及ばない)構図であったのでこれだ!と思い、小太郎くんとアサヨちゃんのことを考えているとやはりオベリスクの写真にしようかと揺れたけど。 辻山からの景色に本当に感動したのだ。思い出深い初めてのアルプスの山々だ。 歩いてきた稜線が奥ではなく、真正面に、真横に、走っている。これはひたすら稜線を行く周回(サーキット?ラウンド?)ならではなのではないか。…ん?日本語おかしいか? とにかく、実はここに居合わせた方に素晴らしい写真を撮って頂いたのだけれど、どうしてか自分で自分を撮りたくなった。 そこでNGなしの一発自撮りをしたものをカバー写真に採用することにした。 撮り終わってみるとザックが写っていてなんとも中途半端。煮え切らない。でも、そんなところが自分らしいのかな。 すこしだけ、自分のこと好きになってもいいのかな。 そんなことを感じていると、とってもとってもとっても、お気に入りの写真になったのでした。 ---------- 今回はいつも以上に理屈っぽくなってしまったかもしれない。 読んでくれてありがとうございます。
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