針ノ木岳・スバリ岳・船窪岳(長野,富山)
2026.08.14 (金)日帰り
台風通過後もお盆休みの天気は冴えないので、眺望は期待せずトレーニングに行こうと思い立つ。
深夜の七倉山荘駐車場にはまだ空きがあり、5時半にトレランシューズで歩き出す。帰りのロード6キロは走れれば走ろう(TJARの影響)。
針ノ木谷から七倉へ下山した時のことを思い出しながら登っていく。あの時も雨だったな。
小雨がやんで青空が見える。涼しいけれど汗はかくので水の減りが早い。
船窪小屋で水を追加して北葛岳へ向かう。この機会を逃すと行くことがなさそうという軽い動機だったが、しっかり登り下りがあって疲れる。
山頂手前に雷鳥の親子がいて、もう親より子の方が大きくなっていた。山頂はどちらを向いても真っ白だった。
分岐まで戻って船窪岳へ向かう。ここまでで行程の1/3ほど。6時間経っており下山は日没後だなと思う。けれどトンネルは元々真っ暗だし、夜通し歩いている選手だっているのだから何てことはない。
樹林帯を登ったり降ったり、植生の変化くらいしか見るものもなく黙々と歩を進める。雲が切れて淡い緑の高瀬ダムが見え、あそこまで歩くんだなと目測する。これから向かう峰々は雲隠れしており、精神的には助かる。
不動岳の崩落地には迂回ルートが作られていた。以前のルートを知らないが、事故があったことは知っている。ありがたく使わせて頂く。
山頂で雨が降り始め、シェルを着込む。覚悟はしていたが、草木の雨垂れが注ぎ込んでシューズが水浸しになる。足裏の肉刺(まめ)を心配したが、何日も歩き続ける訳ではないので五本指ソックスで乗り切れた。
南沢岳と烏帽子岳の間には池塘が点在する秘密の花園といった場所があり、晴れていれば楽園なんだろうなと思いながら雨に打たれる。
ふと、雨で冷やされるからか体がよく動いていることに気付く。水の減りも遅い。濡れるのも悪いことばかりじゃない。
前烏帽子岳手前で雲が取れて虹がかかる。歩いてきた峰々が姿を現し、南沢岳はあんなに尖ってたのかと楽しく眺める。山頂からは小屋と裏銀座の稜線も見渡せて、ご褒美の眼福をありがたく頂く。
小屋で休憩し下山に取り掛かる。濡れた岩や根を警戒しながら慎重に下っていると、人の声が聞こえたような気がして振り返るが人影はない。幻聴か?と思いながら進むとまた聞こえる。今度は人影が見えて、これは追い付かれるなと思ったらすぐそこまで来ていた。トレランではなく登山装備の男女ペアで、挨拶を交わすとあっという間に見えなくなった。異次元の速さだなと驚嘆する。
けれどその後抜きつ抜かれつになってしまい、最終的にロード区間で追い抜くことになったのだが、夜道で背後からヘッデンを点けたおっさんが走って来るというのは、八つ墓村みたいな恐怖体験だったのではないかと申し訳ない気持ちを抱えながら、長いトンネルを進んだ(あまり走れなかった)。