甲斐駒ヶ岳・日向山(山梨,長野)
2026.07.20 (月)日帰り
鋸岳・鹿窓、日帰りチャレンジ
3年前、テント泊で挑んだ鋸岳山行では力量不足で及ばなかった鹿窓
漠然といつかはとブックマークしていたが、夏山縦走に向けた体力・気力測定を兼ねて鹿窓へ日帰りチャレンジすることに
山梨四天王の一角、鋸岳は自分の山行史上でもモンスター級
鹿窓へのスタートラインとなる鋸岳山頂に立つだけでも容易なことではなかった
鹿窓への経路は予習していたこともあって、概ねトラブルなく順調に乗り越えることが出来た
3年越しの念願が実り、富士川源流水で乾杯したひとときは忘れられない記憶となった
ここ最近、谷川主脈、八ヶ岳、日帰りロング山行が続いている
3連休、あまり天気がパッとしない予報だったが身の回りの用事を済ませ山時間を確保
夏山縦走に向けもう一本、強度の高い山行で心身を鍛えておこうと思いたち、3年越しに鋸・鹿窓を目指すこととした
前晩、夕食を済ませてから車中泊ポイントとなる道の駅・白州へ車を走らせる
目立った渋滞もなくスムーズに到着、水汲みをしているとこの地でも若干暑さを感じるほど
登山口に程近い蔦木宿の方が標高は100mほど高く翌朝の走行も短いので、そちらへ進むことにした
白州よりも1℃程度気温が低そうだ、奥側エリアに駐車して準備を終えてからビール時間、1本ではもの足らず2本手を出してしまった
約4時間睡眠をとりトイレ、着替えを済ませてから登山口へ車を走らせる
国道20号から釜無ゲートまでは未舗装路が続く、白砂が舞い上がり車はかなり汚れることになる
まだ薄暗い時間帯、予期せぬパンクやトラブルに見舞われないよう路面のコンディションに十分留意して低速走行で進む
ゲート手前のスペースには先行者の車両が数台駐車、自分もその列に倣って駐車
3年前の歩みの記憶が甦ってきた、朝食と山行の支度を整えてAM4:30山行開始
林道9.2kmはトレランシューズ着用で進んでみることに、登山靴はザックにしまっておく
1箇所大崩落しているポイント以外はスムーズに歩むことが出来た
行きは手前の河原に続くスロープを下り、河原からテトラポットを通り大崩落しているポイントの沢を渡り崖から復帰する流れが正解
自分はこのスロープを見過ごしてしまい大崩落しているポイントから河原に何とか降りて事なきを得ました
辛抱強く林道を進むと飯場跡の建物に到着、テントがいくつか設置されていた
いったんここで小休止、登山靴へスイッチしトレランシューズはデポさせていただくことに
富士川源流水を目指して進み始めるが、いきなりルートミスを犯してしまう
左手の沢を渡り左隣の尾根と沢沿いを進むところ、踏み後に惑わされ右手の尾根を登りはじめてしまう
何となく違和感を覚え地図を確認するとやらかしていることに気がつく、元に戻りルート復帰
沢を渡り荒れ気味の沢沿いルートを進んでいくとガレ放題の沢分岐へ
まっすぐ進むと富士川源流水ポイントへつながるみちにつながる、標識は倒れていた
少々登ると富士川源流水の源へ到着、行きと帰りでそれぞれ1ℓを行動水としてここで補給する算段
冷涼で清らかな水が滾々と流れる、ありがたく手や顔を拭い清めさせてもらった
ここから先、横岳峠までは猛烈な角度の急登が続き一気に鋸岳モードが加速される
水分、塩分、糖分をこまめに摂取し消耗を和らげる
横岳峠の手前ではようやく勾配が緩みやれやれ感が込みあがってくる、しかしこの先の方がさらに急登となることはまだイメージしていなかった
横岳峠にはテントが1張見えた、ここまで装備や水を担いでくるのは容易ではないだろう
峠から先もいきなり急登がはじまる、しばらく進むといったん傾斜が緩むゾーンを挟むがそれ以降は怒涛の急登が角兵衛沢の頭まで延々と続く
時折眺望が開けるポイントが現れるが、樹林帯が中心
ほんの一瞬、仙丈と北岳の姿を視界に捉えるも雲が沸き上がりあっという間に包まれてしまった
藪が濃いゾーンも多く足元が視認しにくかったり行く手を遮られたり、ルートも見誤りやすく注意が必要
辛抱を重ねようやく森林限界へ達し、樹林帯から岩場ゾーンへ変貌
いままで皆無だった高山植物たちの姿も現れ始めた、タカネビランジとの遭遇は嬉しい誤算だった
幾人かの登山者とスライドし情報交換、後で気がついたが数名のパーティでは鋸岳で百高山を成し遂げられた登山者がいた様子
もうすこし早く歩み始めていたら山頂でその瞬間を見届けできたかもしれない
名もなき三角点ポイントから、角兵衛沢の頭を含めまた2つピークを越える、終盤のアップダウンは実に堪える
ここから先はルートミスしないよう細心の注意を図り進んでいく、一歩誤るとガレた谷筋へ導かれてしまう...
ついつい露出した道筋を選びがちになりそうになるが、藪に覆われた道筋を優先して探っていくと歩みやすいみちが得られた
角兵衛沢の頭を超え最後の急登を慎重にこなしていくと鋸岳山頂へ辿り着いた
山頂まで6時間を費やした、残念ながら眺望は雲に覆われて皆無
いったん休息し体を整えてから、ザックはデポしウエストポーチのみで鹿窓へ歩みを再開
山頂からクサリが設置されている崖まではしばらく岩稜帯を下っていく展開
この先どうなるんだろうとドキドキしながら進んでいくといよいよ崖が現れる
対面の崖はわりと高さがあるなという印象、手前側の崖は想定よりも深さは短く足元のスタンスは取れそうだ
クサリを補助として使いながら、基本は足元のスタンスを確保し片手でホールドしながら慎重に降下
オーバーハングしている岩が核心とされていたが、いったん右手の岩場に身を置き、横側から観察すると岩の面にスタンスがとれたのでスムーズに着地できた
ここが小ギャップと呼ばれるポイントか
対面の崖はクサリを取りつきのみで使用、左手の斜面にはステップが刻んであるので取りついたらクサリなしで上まで進むことが出来た
クサリを頼って右手のナメた岩を攀じ登るのはむしろ危険と思う
クサリが取り付けてある支点の岩を乗り越えると細いみちが続いている
岩場には一瞬ハクサンイチゲかと思われる高山植物を目にしたが、帰って調べてみるとハクロバイだったみたい
花の写真を撮影していると、「よくここまで来たね」って、声をかけられた気分がしたのは気のせいだろうか
そしていよいよ鹿窓へ到達
北沢峠に向かう林道から遥か遠くに眺めたごく小さい穴、いまそこに身を置いている実感に心が高揚する
残念ながら窓越しの仙丈を眺めることはできなかったが、窓から冷たい空気が吹き抜けてきてとても心地が良かった
クサリをつたって窓を越えてみようかとも思ったが、時間もあまりないので自重
ここまで来られたことに感謝をし、しっかり記念撮影をして別れを告げた
崖まで戻りクサリは使わず、クライムダウンが必要かと思われたが斜面のステップで進み最後はクサリを活用して着地
逆側の登りも慎重に攻略、乗り上げた時は安堵した
山頂に戻り、天候の回復を祈るも変化なし
鹿窓まで到達できたことでもう十分な気持ち、後は無事下山することに集中
樹林帯までは2つのピークを登り返し、1箇所誤って岩場を谷筋へトラバースするルートへ進んでしまったが早めに異変に気がつき修正
登りとは違う視点なのでルートミスはくれぐれもご用心
森林限界ゾーンを過ぎると深い樹林帯の猛烈な角度の下りへ、この山行の核心部はここだろう
急斜面の山肌は濡れ気味であり、行く手には木の根が張り巡り安定して足を置ける箇所が少ない特性がある
濡れた木の根は非常に危険、地面と思ったら木の根が浮き出ていてスリップを引き起こす
樹林帯は薄暗く足元の視界が悪いこと、急斜面で勢いがつきやすいことも影響し、横岳峠まで3回もスリップ転倒してしまった
翌日、青アザになってしまった...
このゾーンの攻略はメンタル的に厳しいものがあり、峠に着いた時はだいぶ疲弊していた
気を取り直し、源流での水浴びを糧に歩みを再開
峠から先は木の根はそれほど悪させず、いくつかルートミスしたけれど順調に進めた
源流で待望の水浴び、そして土産に0.7ℓほど採取、気持ちがだいぶ楽になった
飯場跡に戻ればもうテントはすべて撤収され自分がシンガリであることが浮き彫りに、デポしていたシューズを回収しあとは林道を下るのみ
大崩壊しているポイントではテント泊の4人パーティの姿を発見、道中ではいろいろ情報収集させていただき無事鹿窓まで辿り着けたことを報告
シューズを履き替えるついでに河原で足をクールダウン、冷たい水で気持ちがよかった
あとは淡々と林道を下り、無事下山完了
スタートが遅れ気味だったので、日が暮れる前に下山できるか少々不安だったが結果オーライ
案の定、駐車していた車には白い砂が窓ガラスを覆っていた
最寄りの白州塩沢温泉フォッサマグナの湯で汗を流し、甲府でEV充電
その合間に自炊ラーメンで補給
高速道路は渋滞しているが下道は問題なさそう、国道20号で帰路へ
比較的スム―ズに流れ21:30自宅へ到着
片付けを済ませて、富士川源流水と不動水の氷でマリアージュした祝杯を用意
山の恵みは全身に浸透、この感覚は忘れられない
次の週末から夏休み、天気が安定してくれるといいのだが週間予報だとイマイチ
野反湖キャンプ、北ア・裏銀座縦走、プラン通り過ごせることを祈るばかり