碓氷峠御巡幸路

2020.12.10(木) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 37
休憩時間
1 時間 14
距離
14.4 km
のぼり / くだり
400 / 1202 m
57
4 38
46

活動詳細

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ある日、保台古道を歩いた仲間に「碓氷峠御巡幸道路に行きましょうよー」と声をかけたらトントン拍子に話が進んだ。 明治11年、時の天皇が北陸へ巡幸する際、天皇の乗る輿と400人の従者が中山道の急斜を避けて碓氷峠を越えるために、僅か4ヶ月という短期間で整備されたが、その後の碓井峰新道(明治17年)の整備により僅か6年で廃道となった、幻の「超一等国道」だ。 近年、この道を観光資源として利用するべく整備が進んでいると聞き、ならばなるべく早いうちに歩いておかねば、ということになった。 軽井沢の熊野神社から和宮路を歩き始める。和宮路は孝明天皇の三女、和宮親子内親王が徳川14代将軍家茂に輿入れする際に整備された道で、陣場ヶ原で中山道と合流する。こちらも和宮の乗る輿と1万人の従者が歩いた道だけあって道幅も広く歩きやすい。 見晴台別荘地跡から栗ヶ原と歩を進め、いよいよここから中山道と別れて巡幸路を行く。 廃道とは言っても本で見た写真では立ち入り禁止のテープが貼ってあったが、今は整備されていて普通の登山道よりむしろ歩きやすい。元は輿の通った道。こんな山の中にこんなに幅の広い道があるのは驚きだった。木々の葉は落ち、明るく見晴らしも良い。山歩きに慣れていない仲間も快適に行くことができた。 泥濘のため輿を担ぐことができず天皇陛下も自ら歩いたという屏風岩の辺りの沢で昼食。軽井沢のスーパーで買ったピリ辛信州みそラーメンで温まる。6時間経ったサーモボトルのお湯は熱々でラーメンも問題なくできた。 眼鏡橋へ下る九十九折りの道への分岐からそのまま東へ。ここからが本番。未整備とはいえ幅広いなだらかな下りだ。途中の沢ごとに石垣が組まれ盛り土をして道幅を確保してある。崩落はしているが石垣が残っている。明治11年の石垣だ!忘れ去られ、120年間山奥で風雨にさらされた石垣が人知れずその姿を保っていることには感動した。草木が茂っていないので石垣の全容もよくわかる。この季節に来てよかった。山ビルもいないし。 驚きの連続の未整備区間はそう長くはなく。しばらくして作業用(?)の林道につながる。ほとんど使われていないようで、ここも夏場は藪漕ぎ状態だろう。 林道はそのまま碓井湖の辺りの国道18号に出る。磯部温泉に宿をとってあるがまだ時間は早い。国道を軽井沢方面に歩き、眼鏡橋からアプトの道を横川まで下った。 紅葉はとっくに終わっていたが、穏やかで素晴らしい初冬の一日だった。 御巡幸路の詳細は「廃道踏破 山さ行がねが 伝説の道編」(2017年 平沼義之著 実業之日本社刊)を参照されたい。

活動の装備

  • その他(Other)
    熊よけスプレー

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