活動データ
タイム
09:53
距離
18.4km
のぼり
1515m
くだり
1463m
活動詳細
すべて見るGWに伊豆海岸線シリーズ待望のテント泊、妻良〜石廊崎を遂に決行。 妻良〜石廊崎は南伊豆ロングトレイルの中でもオシャ伊豆ハイカーに人気のコースだ。途中すれ違うハイカーズが揃いも揃ってみんなオシャレでビビる。 6月〜9月は海岸での野営が禁止(ただしキャンプ場は可)になるため、スケジュールと天気を鑑みて滑り込んできた。このところ雨続きだったが奇跡的に二日間快晴。良すぎる天気に日焼け不可避、半袖不可避、そして絶好のテン泊日和であった。 このコースは基本石廊崎(逆側)からスタートになるので、こんないい天気のGWにも関わらず、スタートから富戸の浜まで誰ともすれ違わず、追いつかれもしなかった。人を遠ざける才能が開花しつつある。 伊豆は遠い。例の如く、電車とバスを乗り継ぎ5時間かけて11時にスタート。バスの始発時間が遅いので、どうしてもこの時間になってしまう。しかし今日は底なしだ。ちんたらゆるふわ行こうじゃないか。 開始即半袖短パンで、まずは妻良〜吉田コースをゆく。ここが本当に素敵なコースだった。苔むした岩場に川の流れる渡渉ポイントを抜けると、海が見える。深い森の中で川の流れを追いつつ、樹林帯を抜けると目の前に海が広がっている、というのはSea to Summitの醍醐味だ。 海岸を覗くと、小さな砂浜が見える。藪をこけばあそこまで降りて行けるようだ。まさにプライベートビーチといった感じの、こぢんまりとしたビーチで、あそこにテントを張れたら最高だろうなと思う。しかしまだトレイルは始まったばかり。先に進む。 再び樹林帯に潜ると、昨日までの雨でぬかるみも多い。倒木も多く、クソデカテン泊荷物を背負ってくぐるのが難しいところも多々あり。これを俗にテンハク殺しの倒木と呼ぶ(今決めた)。ちなみに大股でしか越えられない倒木はタンソク殺しの倒木と呼んでいる。この足場の悪い急登の樹林帯でまぁまぁ消耗し、ベンチのある箇所でバター餅を補給する。 再び浜へ降りてくると、吉田海岸だ。広い海水浴場で、この辺りからようやくすれ違うハイカーやキャンパーが増える。妻良から向かうコースはやはり少数派らしい。 海岸からまたすぐに山へ入る。小刻みなアップダウンの多いコースなので、ひらけたところに出ると陽射しが強く、この時期でも暑い。しかし樹林帯の急登を経てからの突然の海という、小刻みなご褒美が訪れるのがいい。 吉田海岸の赤い屋根がどんどん小さくなっていく。 次に辿り着いたのは、富戸の浜。ここまではそれなりに歩かないと来られないので、秘境と言える。しかし流れ着いているゴミが多く、ゴロゴロ岩の浜で砂ではないので幕営には適さないかもしれない。ハマヒルガオが咲いており、静かで場所としてはわりかし好きなのだが、ハイカーが多く停滞していたのもあり、ここでの幕営は諦め先に進む。 富戸の浜から入間に向かう道もまた素敵だ。草原の坂道は遮るものがなく、とても美しい。夕暮れ時や早朝はさぞかし気持ちいいことだろう。 再び樹林帯を抜けると、入間の手前にある名勝地、千畳敷だ。石切場の名残を感じる岩場を奥まで進むと、夕暮れ時の海が目の前に広がる。今日はここで休むことにしよう。 日が落ちてきて、釣り人たちが帰っていく中、一人日が沈むのを眺め過ごす。この時間はやはり野営ならではだ。この美しい海と空があれば、他にどんな娯楽もいらない。 11月の七ツ石小屋ぶりに日の光を浴びるテントに海を見せてやる。チャルテン、これが海だよ、綺麗だろう。でも君の夕陽色のフライもまた素敵だよ。 夕飯にチキンラーメンをメイクし、デザートにパイン缶を食べる。下田駅で買った伊豆急ブレンドコーヒーを飲み、早々に寝袋に潜り込む。 夜の帳が下りると、満天の星。この時期の伊豆は夜でもそこまで寒くなく、フリースがあれば十分だ。波の音と風の音を聴きながら、眠りにつく。 明け方に風が止んでから、どうやら熟睡したようだ。4時のアラームで目を覚ますと、白んできた空に三日月が浮かんでいて、その美しさに見惚れる。月明かりが海に反射して、水面を照らしている。 伊豆急珈琲うみまちブレンドを淹れ、恍惚の夜明けを過ごす。 一晩中夜釣りをしていた人も、いつの間にか帰っていったようだ。向こうには朝釣りに来た人が見える。 朝飯に卵を2個茹で、岩塩を振って食べる。食事はシンプルでいい。こういうのでいいんだよ、こういうので。 朝陽が顔を出すと、漁に出る船が一斉に波を切り海を駆けて行く。さて、こちらも出発しますかね。 もうテントの撤収も慣れたものだ。パッキングも綺麗にでき、6時前に出発。朝陽を浴びながら、終着点である伊豆最南端、石廊崎を目指す。 入間海岸から中木方面へ樹林帯を登っていくと、今回のコース唯一の山頂がある。その日和山山頂には念仏堂という石室があり、付近の道はとても爽やかで気持ちのいいやせ尾根だ。実にバラエティに富んだ、素晴らしいコースだと再認する。 日和山を下山し中木に出ると、閑静な港町で猫ちゃんがたくさんいる。存分にちんたらちんたらしながら猫ちゃんを追いつつコースを進む。 最後は石廊崎まで奥石廊の海岸線を眺めながら、長津呂歩道をゆく。苔むした石切場のある深い森から、青空の下海を見渡せる草原を経て、しばし車道を進むと、ゴールが見えてくる。石廊崎灯台だ。 ちなみに車道を歩いてる時にオシャハイカーに声をかけられるも、陰キャをこじらせて会話が続かない。どうやら向こうもこちらをオシャハイカーだと勘違いしたようだ。申し訳ない。持っていたバター餅を一個あげればよかった(違う、そうじゃない)。 灯台の手前にある石廊崎オーシャンパークでソフトクリームを補給し、しばし休憩する。ここまでは車で来られるので、観光客も多い。俗世に戻ってきたことを実感する。長袖オシャレ着の人間たちを冷ややかな目で、いや、暑苦しい目で見るも、おそらく彼らもまたクソデカ荷物にグラサンに真っ赤な髪のこちらを不審そうに見ていたことだろう。見た目はパリピ、頭脳は陰キャ、その名は異常猫かぶりハイカー三浦!(アヘ顔ダブルピース) 石廊崎は狭く神社のある岩場で、手すりのある回廊は人も多く長居はできない。再びオーシャンパークに戻り、バスを待つ。テラスから海が見渡せるので、そこで少し救われる。 帰りはゆったり踊り子で、金目鯛押し寿司を食べながら伊豆を後にする。 伊豆はもうじき夏だ。真夏に海岸線を歩くのはやはり少し気が引ける。このシリーズもしばらくお休みになるかもしれない。 Sea to Summit はやはりテント泊が最適解に思う。森、山、川、海、風、空、太陽、大地を感じられるからだ。快適さは最優先事項ではない。食事や文明をできるだけ排除することに、大いに意味がある。そして一人でゆくことにも、大いに意味がある。一人きりで自然と向き合っていると、どこにいても感じることのできなかった居心地の良さを感じる。大地のエネルギーを感じながら歩き回り、呼吸し、代謝し、補給し、そして眠りにつく。そんな一日の過ごし方に取り憑かれてやまない。 ⛰️今回の学び🌊 ・ローカットシューズにインソールを入れた。テン泊荷物でも足裏がそこまで痛くならず、効果を発揮したと言える。やはりインソールは大事らしい。 ・今回眼鏡を忘れたんだが、やはりコンタクト外した後に星を見たりするので眼鏡は必須だった。逆に眼鏡をかけながら歩くのは汗でずり落ちてくるし、サングラスと併用もできないので日中はコンタクトに限る。 ・寝る時用にと思って履いたパタゴニアのさらさらパンツが思った以上に快適だったので二日目も履いた。これでもっと山行こう。 ・テン泊荷物は大体14〜15㌔になるけれども、重さ自体がそこまで負担だと感じないのはやはりエクスペドライトニングの仕様、様様であると感じる。人によるのかもしれないが肩ではなく腰で背負うということがとんでもなく楽で、逆にいえばこの腰ベルトがないととても歩けないと思う。背中とザックが密着しない仕様も、汗が溜まらず風が吹き抜けるので非常に快適で素晴らしい。ファーストザックでありながらまさに私にぴったりなザックなのだと再認。これからもよろしくお願いしたい。 ・伊豆は夜も暖かい ・卵は常温で持ち歩ける
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