武川岳&横瀬二子山:残雪の春路を抜けて

2024.03.10(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 2
休憩時間
19
距離
10.6 km
のぼり / くだり
954 / 972 m

活動詳細

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埼玉県南西部に広がる山稜地帯、『奥武蔵(おくむさし)』。深い山林に抱かれた地域であるが、山間を縫うように走る西武秩父線や国際興業バス等の恩恵によりアクセスは良好で、関東地方有数の登山のメッカとして、多くの登山者達から親しまれている。登山道も良く整備されており、多彩なルートで楽しめるが、その定番の一つである『武川岳(たけがわだけ、1052m)』と『横瀬二子山(よこぜふたごやま、883m)』を繋ぐ縦走コースは、展望に恵まれつつもややテクニカルなアップダウンの多い、通好みの山路として知られているようだ。   ともあれ、早いもので筆者が埼玉県へ越してきてから既に半年が過ぎた。これまでにも、秩父周辺のエリアを中心にいくつかの山路を訪ねてきたが、『奥武蔵』には埼玉県北部の筆者宅からは少々アクセスの遠い山も少なくない。そのため鉄道駅から登れる所はともかく、バス利用が必要な山路には二の足を踏んでいたのも事実である。しかしながら、決して日帰りが難しいという訳ではないため、ひとまず試しに足を運んでみようと思ったのが上述の『武川岳』と『横瀬二子山』の縦走コースであった。同ルートは以前に一度訪ねたことがあり、コースタイムと公共交通機関の時刻表および、下山後の温泉まで勘案した上でも無理なく楽しむ事ができると判断した次第である。   そんな訳でこの週末は『武川岳』および『横瀬二子山』を繋げて歩くことに決定。当日は頑張って早起きし、早朝の列車に乗り込み出発だ。     <注意事項> 当記事のGPXデータは、おそらく筆者の端末の不具合により、前武川岳手前の稜線から武川岳を過ぎてしばらく先までのログが丸々飛んでしまっております。つきましては、お手数ですが前武川岳および武川岳への登頂時刻は、掲載している写真の撮影時刻を参考にしてください。なお筆者の手元のガイド本(分県登山ガイド)によれば、このコースの総歩行距離は10.5km、累積標高差は登り1078m、下り1091m、コース定数は24です。   <アクセス> ※データは全て令和6年3月10日現在のもの ・往路  07:30 飯能駅バス停    国際興業バス    飯01-02湯ノ沢行乗車  07:33 東飯能駅バス停  08:25 名郷バス停下車   運賃:870円 ※今回、筆者が利用したのは東飯能駅~名郷間のみですが、参考として飯能駅から乗車する場合の時刻も記載しています。なお、運賃はいずれの場合でも同じです。 ・復路 今回は西武秩父線『芦ヶ久保駅』を終点とした。   <下山後のいで湯> ・今回は、西武秩父線『横瀬駅』(芦ヶ久保駅の隣の駅)から徒歩10分の『武甲温泉』を利用した。営業時間は10:00~21:00、年中無休。料金は大人900円(平日は700円)。ボディソープおよびリンスインシャンプーの備え付けあり。露天風呂、サウナあり。食堂あり。宿泊施設あり。なお、横瀬駅より無料シャトルバスも運行されているので、タイミングが合えば利用可能(ちゃんとしたダイヤの有無は不明だが、一応、横瀬駅に到着する列車に接続している模様)。   ・現在、『道の駅 果樹公園あしがくぼ』におけるシャワーサービスは利用不可。

武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 JR『東飯能駅』前からバスに揺られつつ山間に入り、50分ほどで『名郷』バス停へ。同所は今回目指す『武川岳』のほか、『大持山(おおもちやま、1294m)』や『蕨山(わらびやま、1044m)』など周辺の山々への登山基地となっており、公衆トイレも整備されている。
JR『東飯能駅』前からバスに揺られつつ山間に入り、50分ほどで『名郷』バス停へ。同所は今回目指す『武川岳』のほか、『大持山(おおもちやま、1294m)』や『蕨山(わらびやま、1044m)』など周辺の山々への登山基地となっており、公衆トイレも整備されている。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『名郷』バス停前で支度を整えたら、西側の車道へ。そののち『西山荘』への道標を右折。民家脇の歩道を登って再び車道に出たのち、左手の階段が登山口となる。
『名郷』バス停前で支度を整えたら、西側の車道へ。そののち『西山荘』への道標を右折。民家脇の歩道を登って再び車道に出たのち、左手の階段が登山口となる。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 登り始めてすぐに、トラバース状の道程へ。踏み跡ははっきりしているものの、時折倒木を乗り越える箇所も。
登り始めてすぐに、トラバース状の道程へ。踏み跡ははっきりしているものの、時折倒木を乗り越える箇所も。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 そののち、登山道は再度車道に突き当たる。そちらを左側に進み、写真の階段から山路の先へ。
そののち、登山道は再度車道に突き当たる。そちらを左側に進み、写真の階段から山路の先へ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 更なるトラバース道から登山道が直角に折れると、若干の急坂へ。ここは木の根を足掛かりに、一歩一歩登り詰めてゆく。
更なるトラバース道から登山道が直角に折れると、若干の急坂へ。ここは木の根を足掛かりに、一歩一歩登り詰めてゆく。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 先程の急坂を登りきって尾根筋に出ると、フェンスの先に南東方面への見晴らしが拓けている。ちなみに向こう側の斜面では石灰岩の採掘作業が行われており、このフェンスはその安全管理上の関係で設置されているようだ。
先程の急坂を登りきって尾根筋に出ると、フェンスの先に南東方面への見晴らしが拓けている。ちなみに向こう側の斜面では石灰岩の採掘作業が行われており、このフェンスはその安全管理上の関係で設置されているようだ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 明るい尾根を進んで若干の岩場を過ぎると、『天狗岩』に至る『男坂』と『女坂』の二つのルートへの分岐点へ。今回は左側の『男坂』を辿ってみることとした。
明るい尾根を進んで若干の岩場を過ぎると、『天狗岩』に至る『男坂』と『女坂』の二つのルートへの分岐点へ。今回は左側の『男坂』を辿ってみることとした。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 先述の『男坂』はかなりテクニカルな岩稜帯で、これをスムーズに突破できるようであれば、北アルプスの一般登山道における岩場は楽勝なんじゃないかと思えるようなレベルであった(筆者の個人的な感想です)。足元に落ち葉が積もっている箇所もあり、慎重な足運びが求められる。
先述の『男坂』はかなりテクニカルな岩稜帯で、これをスムーズに突破できるようであれば、北アルプスの一般登山道における岩場は楽勝なんじゃないかと思えるようなレベルであった(筆者の個人的な感想です)。足元に落ち葉が積もっている箇所もあり、慎重な足運びが求められる。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 スリリングな『男坂』を登りきると、チェックポイントとなる『天狗岩』へ。 かつては展望スポットとなっていた模様だが、現在は周囲を木立に閉ざされている。
スリリングな『男坂』を登りきると、チェックポイントとなる『天狗岩』へ。 かつては展望スポットとなっていた模様だが、現在は周囲を木立に閉ざされている。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『天狗岩』から『武川岳』に向け、しばし緩やかなアップダウンへ。このあたりから、足元に雪が現れ始めた。
『天狗岩』から『武川岳』に向け、しばし緩やかなアップダウンへ。このあたりから、足元に雪が現れ始めた。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 明るい尾根沿いに少し進むと、鹿除けネット沿いの急坂へ。
明るい尾根沿いに少し進むと、鹿除けネット沿いの急坂へ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 やがて、にわかに傾斜が緩やかになり、T字路の分岐点に突き当たると、本日最初のピークとなる『前武川岳(1003m)』に到着だ。
やがて、にわかに傾斜が緩やかになり、T字路の分岐点に突き当たると、本日最初のピークとなる『前武川岳(1003m)』に到着だ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 更に『前武川岳』から鞍部を経て登り返すこと15分ほどで、『武川岳』にも登頂である。
更に『前武川岳』から鞍部を経て登り返すこと15分ほどで、『武川岳』にも登頂である。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 山頂からは木々の枝の向こうに、南側の眺望が拓けている。またベンチも設置されているため、休憩スポットとしても持って来いだ。
山頂からは木々の枝の向こうに、南側の眺望が拓けている。またベンチも設置されているため、休憩スポットとしても持って来いだ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 ともあれ、次なる目標である『横瀬二子山』を目指して再び出発。『武川岳』からは東西南北に尾根道が伸びているが、同峰を目指すには、まず北側へ下り返す。
ともあれ、次なる目標である『横瀬二子山』を目指して再び出発。『武川岳』からは東西南北に尾根道が伸びているが、同峰を目指すには、まず北側へ下り返す。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 そののち、再び登り返すと、3座目の『蔦岩山(つたいわやま、1003m)』へ。こちらは周囲を木立に閉ざされ、見晴らしはあまり得られない。
そののち、再び登り返すと、3座目の『蔦岩山(つたいわやま、1003m)』へ。こちらは周囲を木立に閉ざされ、見晴らしはあまり得られない。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『蔦岩山』を過ぎると、少々急な下り坂も出現する。ここから先はチェーンスパイクを装着することとしたが、靴自体はローカットのハイキングシューズであり、しばしば靴の中に雪が入って冷たい思いをする羽目になってしまった。
『蔦岩山』を過ぎると、少々急な下り坂も出現する。ここから先はチェーンスパイクを装着することとしたが、靴自体はローカットのハイキングシューズであり、しばしば靴の中に雪が入って冷たい思いをする羽目になってしまった。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『蔦岩山』からしばし下ると、途中で並行する林道が現れる。ここからはいったん尾根から降りてそちらを進む形となる。とはいえこの日はその林道にも雪が積もっており、写真ではどれがそうなのか非常に分かりにくいが・・・。
『蔦岩山』からしばし下ると、途中で並行する林道が現れる。ここからはいったん尾根から降りてそちらを進む形となる。とはいえこの日はその林道にも雪が積もっており、写真ではどれがそうなのか非常に分かりにくいが・・・。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 林道から再び登山道へ戻り、少し登ると次なるピークである『焼山(やけやま、850m)』に到着だ。
林道から再び登山道へ戻り、少し登ると次なるピークである『焼山(やけやま、850m)』に到着だ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『焼山』の山頂からよく開けた西側には、秩父を代表する名峰の一つである『武甲山(ぶこうざん、1304m)』の姿を間近に拝むことが出来る。ちなみに先程の『武川岳』の名は、本峰の『武』と、麓に流れる『生川(うぶかわ)』の『川』を取って命名されたそうな。
ちなみに写真右奥の特徴的な山稜は日本百名山の一座である『両神山(りょうかみさん、1723m)』。
『焼山』の山頂からよく開けた西側には、秩父を代表する名峰の一つである『武甲山(ぶこうざん、1304m)』の姿を間近に拝むことが出来る。ちなみに先程の『武川岳』の名は、本峰の『武』と、麓に流れる『生川(うぶかわ)』の『川』を取って命名されたそうな。 ちなみに写真右奥の特徴的な山稜は日本百名山の一座である『両神山(りょうかみさん、1723m)』。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『焼山』から先の下り返しはかなり急で、岩肌も覗く一帯だ。チェーンスパイクでは心細く感じられたが、慎重に下っていけばとりあえずは大丈夫であった。
『焼山』から先の下り返しはかなり急で、岩肌も覗く一帯だ。チェーンスパイクでは心細く感じられたが、慎重に下っていけばとりあえずは大丈夫であった。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 更なる小ピークを越えてふと顔を上げると、『横瀬二子山』の姿が目の前に。
更なる小ピークを越えてふと顔を上げると、『横瀬二子山』の姿が目の前に。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 しかるのちに、再び急登を頑張れば、『横瀬二子山』にも登頂だ。なお本峰はその名の通りの双耳峰であり、こちらは南峰にあたる『雄岳(883m)』である。
しかるのちに、再び急登を頑張れば、『横瀬二子山』にも登頂だ。なお本峰はその名の通りの双耳峰であり、こちらは南峰にあたる『雄岳(883m)』である。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『横瀬二子山』の『雄岳』からは、木立に遮られがちではあるものの、先の『武甲山』に加え、麓の秩父市街地も伺える。
『横瀬二子山』の『雄岳』からは、木立に遮られがちではあるものの、先の『武甲山』に加え、麓の秩父市街地も伺える。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 続いては、もう一方の『雌岳』を目指す。こちらも若干急な下り返しとなるが、その距離はわずかなものに過ぎない。
続いては、もう一方の『雌岳』を目指す。こちらも若干急な下り返しとなるが、その距離はわずかなものに過ぎない。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 そののち、コル部からやや巻き道気味に登り返すと、北峰の『雌岳(870m)』にも登頂である。こちらが本日最後のピークとなるが、見晴らしは殆ど得られなかった。
そののち、コル部からやや巻き道気味に登り返すと、北峰の『雌岳(870m)』にも登頂である。こちらが本日最後のピークとなるが、見晴らしは殆ど得られなかった。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 『雌岳』からの下山ルートは、『浅間神社コース』および『兵ノ沢コース』の二つが存在するが、この時期は前者が通行止めとなっているため、必然的に後者を辿ることとなる。
しかしながら山頂からすぐ北側の斜面は中々の急坂で、その上、雪の無い時期でも滑りやすい難所である。今回も、道中すれ違った女性から足元が凍り気味で難儀すると聞かされていたため警戒していたが、両脇に張られたロープを頼りに慎重に進めば、何とか無事に突破できた。
『雌岳』からの下山ルートは、『浅間神社コース』および『兵ノ沢コース』の二つが存在するが、この時期は前者が通行止めとなっているため、必然的に後者を辿ることとなる。 しかしながら山頂からすぐ北側の斜面は中々の急坂で、その上、雪の無い時期でも滑りやすい難所である。今回も、道中すれ違った女性から足元が凍り気味で難儀すると聞かされていたため警戒していたが、両脇に張られたロープを頼りに慎重に進めば、何とか無事に突破できた。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 登山道が尾根筋から逸れ、トラバース気味に下ってゆくと沢筋に突き当たる。ここは水場となっているようだ。
登山道が尾根筋から逸れ、トラバース気味に下ってゆくと沢筋に突き当たる。ここは水場となっているようだ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 その後も沢沿いに下り、やがて真新しい小橋を渡ったら、此度の山路も終わりが近い。
その後も沢沿いに下り、やがて真新しい小橋を渡ったら、此度の山路も終わりが近い。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 やがて木立の向こうに西武秩父線の軌道が見えたら、いったんその下のトンネルを潜って反対側へ。ここは天井が少々低く、身長の高い人は注意が必要だ。
やがて木立の向こうに西武秩父線の軌道が見えたら、いったんその下のトンネルを潜って反対側へ。ここは天井が少々低く、身長の高い人は注意が必要だ。
武甲山・伊豆ヶ岳・小持山 しかる後に、ゴール地点となる西武秩父線の『芦ヶ久保駅』に無事下山完了だ。同駅には『道の駅 果樹公園あしがくぼ』が隣接しており、物産店のほか食堂も整備されているので、ここで昼食を摂っていくのも良さそうである。
しかる後に、ゴール地点となる西武秩父線の『芦ヶ久保駅』に無事下山完了だ。同駅には『道の駅 果樹公園あしがくぼ』が隣接しており、物産店のほか食堂も整備されているので、ここで昼食を摂っていくのも良さそうである。

活動の装備

  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    フジノンレンズ XF16-80mmF4 R OIS WR
  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    ミラーレス一眼カメラ X-T4 シルバー X-T4-S

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