活動データ
タイム
06:36
距離
7.8km
のぼり
650m
くだり
652m
活動詳細
すべて見るアメリカのメジャーリーグで活躍する大谷翔平の去就が取り沙汰されるなか、ドジャース球団に決定したと早朝のニュースを聞いたその日に、ミチクサお気楽隊長の選んだお山は岐阜県揖斐郡揖斐川町にある大谷山だった。野球に全く興味の無いミチクサさんに限って、大谷翔平を意識する事は考えられないので、単なる偶然で間違いないのだが、私の中では世界が注目する出来事を記念する日に登るには相応しい場所だと、稀有な巡り合わせにチョッピリ幸運を感じていた。 ところで、大谷と名の付く山は全国に数多くあり、その由来も様々である。今回登る揖斐川町の大谷山の由来は何であるか、山頂を目指しながら、その素性を漠然と考えていた。文字通り大きな谷がある地形的な特徴からか、それともこの地区が大野と谷汲の中間だから大谷か、はたまた大谷さんという地元の名士がいたからか、などと色々思いを巡らせてみる。 現地に行ってみてその由来らしきものが有ればと期待し、道すがら注意を向けると中腹にある祠に引き付けられた。その祠はコンクリートで造られた六角のお堂で、「南無阿弥陀仏」を銘打ってある。「南無阿弥陀仏」を唱えるのは仏教でも浄土宗、浄土真宗、天台宗だ。また、祠の前には記念碑があり「次第相承の善知識 馬渕東光先生」とあった。馬渕東光氏は揖斐川町出身で「真如の道理」という著書の執筆者で、浄土真宗に関係するようだが、それ以上詳しくは判らなかった。 「次第相承の善知識」は仏教用語で、浄土真宗から来ているようだ。つまり、浄土真宗で唱える本願念仏の教えは、親鸞聖人の血統である歴代宗主により受け継がれ(次第相承)、善い教えとして世の中に広められるもの(善知識)で、その役目を代々真宗大谷派が受け継いでいる。とすると大谷山は、揖斐川流域の浄土真宗の信者の活動拠点であり、大切な象徴であったのかも知れない。 戦国時代の浄土真宗は戦国武将と変わらない武力を持ち、織田信長、豊臣秀吉と熾烈な戦いを繰り広げた。しかし長い戦いに疲弊すると、徳川家康の時代に東本願寺と西本願寺に分割され現在に至る。そのうちの東本願寺は、真宗大谷派として親鸞上人の教えを守り続けているのだそうだ。余談だが、東本願寺ロサンゼルス別院の統括職である伊藤憲昭住職は大のドジャースファンで、大谷選手の移籍を心から喜んだそうだ。
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