聖岳・大沢岳・光岳(長野,静岡,山梨)
2026.07.03 (金)3日間
いつかはやらねばならないと思っていた光・聖、一気に制覇するには縦走しかない…!
4ヶ月ぶりの登山がこれは流石にキツすぎた
というわけで、小屋明け前を狙って行く。保険としてテントを持って行ったが、結果的に不要だった。
芝沢ゲートは混んでるイメージしかなかったので、ガラガラで拍子抜け。本当に静かな登山だった。静かすぎて熊が居た。初めて見た。こちらにガチビビリしてダッシュしてくれてよかった。
知ってはいたが易老岳までクソ遠い。そして光岳までクソ遠い。そこから聖岳はわけわからんぐらい遠い。なんで一日で歩けたのかいまだにわからない。
苦労の果てに聖岳に到達した時には号泣した。一生忘れないだろう。
<芝沢ゲート~易老渡>
ここの林道は元々森林軌道の路盤である。芝沢ゲートまでの道路は荒れてるとは聞いていたが、落石に気を付ければそこまでヤバい道ではない。しかし、易老渡まで遠い。突然出てくる。
<易老渡~易老岳>
南アルプスの山はおわん型というか、序盤が急登である。1500mぐらいまではヒルがいると聞いているので重いテント装備だがなんとか頑張って登る。辛すぎる。
面平を越えると若干斜度が緩くなる。あまりにも人の気配がないので音楽をかけるると気が紛れて少し楽になった。
そこから永遠に登り続け、4時間でようやく易老岳に到達し、昼飯とする。
<易老岳~光小屋>
いったん下がる。下がるのは良いが下がるという事は登るという事だ。そんな現実から無視して歩き、日帰りの2人と会う。人に会うのはうれしい。
三吉平からはゴロゴロ岩の登りである。この登りが本当にきつい。全然進まん。易老岳への登りよりもきついんじゃないかと思うレベルである。静高平まで行けばもう終わったようなもんだ。そこから光小屋までは秒だ。
光小屋に着くと小屋明けの準備のため賑わっている。邪魔にならないように端っこに泊めさせてもらう。
<光岳>
疲労困憊の体では手ぶらで歩いても普通にきつい。しばらくすると樹林帯のど真ん中に光岳の山頂標識が出てくる。初めから展望は望んでいない。せっかくここまで来たのだから、由来となった光石まで見に行く事にした。もうきつすぎて帰りたかったけど。石灰岩らしい。なんで山頂に海の底にあった岩があるんだとなる。ところでハイマツの南限は光岳周辺らしく、光石の付近に生えていたので、たぶん君が南限のハイマツなんだね。
<光岳~上河内岳>
二日目。まさかの朝焼けに目を奪われる。雲の隙間から見える聖岳があり得ないぐらい遠くに見えた。いったん降りる。イザルガはスルーする。道中だーーーれもいない。
易老岳への登りは普通にきついが頑張って登り易老岳で朝食。
そこからは地獄だ。基本登り基調で希望峰へ向かう。希望とはいうものの絶望の登りだ。
仁田岳まではとても行く気にならん。希望峰で若干森林限界を超えるので先が見えた。
聖岳どころか、上河内岳もクッソ遠くにある。本当に一日で行けるのかな・・・
茶臼岳への登りもきついが歩くしかない。茶臼小屋への分岐で集団を見かける。手を振ってくれる人がいたので振り返す。自分以外誰もいないのでたぶん勘違いじゃない。
そこから先は庭園のような風景になる。何故かこの山域は稜線に池が点在している。これは二重山稜・線状凹地というらしい。ここで3人グループとすれ違う。ライチョウがいるらしい。久々に会話した。
上河内岳への登りは既に体力の限界に到達していた。何度も休みながら登る。道中にしては立派すぎない?君。
<上河内岳~聖平小屋>
上河内岳を登れば後は降りるだけと思ったら意外とそうでもない。ベースは下りだけど。
露骨に赤チャートが増える。この区間で唯一と言っていいほどの危険な個所がある。南岳直前の細い道は普通に怖い。南岳から下り、少しの区間かなり切れている場所がある。ここはマジで危ない。ハイマツ帯の方に道を作ってほしいなとおもいつつ、崖を見ないで降りる。土なので危ない。でも光とか聖行くような人は危険個所と思わないのかもしれない。ぼくはいつまでたっても危険なところは危険だと思う。
そこから先は記憶にない。気づいたら聖平にいた。
聖平小屋は自分以外誰もいなかった。しばらくして2人組が来た。のちにわかったが、次の日は光岳に向かうらしい。
<聖岳>
3日目に行くか、2日目に行くか悩んだが天候が持ちそうなので行く。
アタックザックで行くも、もう脚が限界である。全く進まない。
聖岳は人が数組いた。でも聖岳ですれ違った人たち、あとで聖平で会うんだと思ったら後ろから来た2組以外誰もいなかった。日帰りらしい。すごいな・・・
薊畑への登りがまずきつい。そこから小聖岳へは普通に急登なのでしんどい。もうここが山頂でよくないか。
小聖岳についてどうせなんも見えないだろうと思っていたら、巨大な聖岳が出てきた。あまりにも神々しい。そこから先は崖になっているので気を抜かないように注意。
ガレ場につくとそこから先は地獄の登りだ。2700mに滝があることに驚きつつ、脚が限界で全く進まない。
そこから先は気力で登る。降りてきた人が励ましてくれる。自分が下りてる時、こういう声掛けができる人間にならなければならないなと今思う。
稜線は見えているのに全く進まない。
本当に本当にやっとの思いで稜線に達すると、聖岳の山頂標識が目の前にある。
ここまでの地獄のようなしんどさの末に到達した聖岳。感極まって号泣した。
さっきまで曇っていたのに、聖岳周辺や上河内岳が見える。さっき晴れろよと思ったが。
数年前登った一生忘れられない悪沢赤石は見えなかったが、もう聖岳に登れただけで十分だ。
<聖岳~聖平小屋>
ザレ場は下りが危険だ。斜度がかなりあるのでプレッシャーがすごい。しかもタチ悪いタイプのザレ場。コケるとヤバい。慎重に行く。前剱くだりのザレ場みたいな感じだ。
そのあとも若干痩せ尾根なので注意。結構切れてる。
小聖岳からは前モモに負担をかけまくりながら降りるも、100mぐらい奥に熊がいた。こちらには気づいておらず、くつろいでいる。
熊なんて初めて見る。スプレーを用意して様子をうかがう。ヤツは稜線の下に降りて行ったが、まだ近い。しばらく怖くて動けない。後ろから若い2人組が来たので状況を伝える。薊畑まで一緒に歩いてもらうことにして、熊との距離を測りつつ歩く。するとこちらに気づいて全力ダッシュで逃げていった。熊鈴が有効だと身をもって感じた瞬間だった。
<下山・尾根>
熊を見たからと言って、時間的にも2日目で降りれないので聖平小屋で寝る。
そして3日目。昨日一緒に降りてくれた若い2人組は早朝というには早すぎる時間に降りて行った。真っ暗な中降りるのは怖くないんだろうか・・・。
雨が若干降っていたので合羽を着る。この世の終わりみたいな薊畑への登り返しで疲れ果てたが、止まっていても何もいいことがないので歩くしかない。
しばらく順調に降りる。もう1mも登れない。幸いほぼ下り基調だ。
しかし南アルプスの尾根はどうして下るほど傾斜がきつくなるのだろうか。
途中どうやっても滑るところがあったり、土が削れてかなり危険な場所もある。重いザックが足に負担をかけるのでさらに危ない。早く帰りたい。
沢の音が聞こえたと思ったらありえん下に流れていることに何度か絶望しながら降りる。
やっと下が見えたのでほっとするも、こういうのが一番危険だ。
祖父が昔出征していた時の話を思い出した。帰ってきた戦闘機は滑走路が見えると墜落してしまうと。ほっとしたときが一番危険なのだ。
廃墟になった山荘を抜け(ここが森林軌道の終点だったらしい)噂のゴンドラに到達する。
どうにかしてこれを回避する方法はないかと周囲を見渡すが、橋はつながっておらず水量がかないある。仕方なくゴンドラを使うが反対側にある。ロープを引っ張って手繰り寄せるが全然来ない。しかも、真ん中付近から登りになるので重くなる。
そしてゴンドラに乗って対岸へ向かう。これもなかなか進まない。
対岸へ着いたと思ったら、なんと熊スプレーがない。おいてきたのだ。
今度こそ沢を渡るかと思ったがやはり水量が多すぎて無理だ。結局2往復した。アホすぎる。
<下山・林道>
ここから先は林鉄の雰囲気を色濃く残す場所だ。熊が出ないか気を張りつつ歩く。自然に還ってる箇所が何か所もある。
廃線鉄オタ的にはなかなかいい雰囲気だった。トンネルもあるし。
左側には沢があるが、この落差がなかなかにヤバい。100mじゃあるんじゃないか。落ちたら確実に死ぬ。よくこんなところに線路を敷いたなと思った。
そしてトンネルを抜けると左手のかなり下の方に公園のような場所がある。ここが便ヶ島なのだ。ここには聖光小屋がある。久々の人工物だった。閉まっていたが・・・
ハイシーズンには賑わうのだろうが、結局聖平小屋から下山まで、誰とも会う事はなかった。
ここで林道歩きになるのでランニングシューズに履き替える。これが良かった。何か所か洗い越しがあるが、そんなことは知らん。もう帰るだけなのでどうでもいい。
途中川を見ると赤い石がゴロゴロ転がっている。赤石山脈たる所以の赤チャートだ。
そのほか、なんと枕状溶岩もある。こんな山奥に海底火山由来の岩があるなんて信じられない。
熊に警戒しつつなが~~~~い林道を歩く。止まってはだめだ。何もいいことがない。
1時間半ぐらいかけてようやく芝沢ゲートに到達したときは本当にほっとした。
ヒル対策は完璧で、下半身は無傷。胸と腰に1か所ずつヒルにぼくの血液を寄付していた。