20:31
46.8 km
3377 m
雪倉岳・朝日岳・白馬岳
雪倉岳・朝日岳・風吹岳 (新潟, 富山, 長野)
2024.04.12(金) 3 DAYS
山スキー。去年計画するも実行できず。一昨年のゴールデンウィークに蓮華温泉から雪倉岳に登ったが、山頂付近のみガスで景色が見えなかったリベンジも兼ねて。当初は白馬鑓ヶ岳まで行くのを考えていたが、白馬岳山頂付近で断念した。トータル的にその判断で良かった。 二股にチャリをデポし、栂池高原スキー場からゴンドラで上がる。クトーを家に忘れたのと、ボロい方の手袋を持ってくる失態に気づくが山行を中止するレベルでも無く続行。栂池は快晴無風でやたらと暑い。初めての山スキー避難小屋泊で、ザックは約13kgとずっしり重い。暑さと重さで軽く夏バテ状態になり、スローペースで登る。船越ノ頭への斜面は急で、雪はグサグサでズレやすく、3日間で1番疲労した。小蓮華から三国境までは雪切れが数箇所あり、板の脱着がとても面倒だっが、3羽のまっ白なライチョウに癒される。三国境からは基本夏道に沿って行く。北斜面は想像以上に雪が無く、脱着がこれまた面倒。東斜面を滑り込めば雪を繋いで行けるが、登り返す事になり、体力的に行く気になれず。疲労状態で雪倉岳避難小屋に到着。扉はすんなり開いたが、雪がたんまり積もっており、ピッケルで通れるようにならす。小屋の中は、登山者のゴミとそれを動物か何かが荒らした汚い状態であった。ゴミを持ち帰れないのなら来るな。ある程度綺麗にした後、人生初の水作り。沸騰させフィルターで濾過したが、よく見ると細かいゴミのようなものが。見なかったことにしてこの問題を解決とする。幸い腹を壊したりはなかった。水を確保し、夕飯を食べ夕日を見に外へ。富山湾越しの能登半島越しに日本海へ沈む夕日を見る。清水岳が見えた中で目を引く。たまたまだが、ここだけdocomoの電波が安定して入った。小屋は圏外だったため助かる。 2日目、夜の冷え込みはそこまで大したことなく、小屋で快適に寝れた。雪倉岳は一部雪が無く、板の脱着を余儀なくされる。一昨年のGWより確実に雪は少ないが、眺めが素晴らしかった。特に白馬岳と旭岳の間は、何となく三日月を思わせる。雪倉岳北斜面も殆ど雪が無く、担いで下る。復路で気づいたが、東側にいくらか雪がついており、そこを滑って降った方が確実に楽で早かった。赤男山手前の鞍部には2,3日前のクマの足跡があり、既に活動を開始しているらしい。トラバース中、まっ白なウサギが飛び出して斜面を駆け上がる。ライチョウはこちらを一応見ながらうろちょろ。空にはハヤブサかその仲間が飛んでいた。朝日岳手前の鞍部からいざ登ろうとすると、まさかのスキーのトレースがあった。1,2日前ぐらいの新しいもので、ありがたく使わせていただいた。大きなクラックが入った所があり、おっかないなと覗いたら春を待つ草木が。人にとっては危険なものでも、草木からしたら待ち侘びた陽光を浴びれる隙間なのだろう。ニセピークに騙されながら、広々とした山頂へ。親不知から始まる北アルプスや能登半島全体、遠くに白山連峰まで遮るものなく見渡せた。赤牛岳や水晶岳も山座同定できて楽しい。毛勝三山も立派に見え、いつか登ってみたい。いくらかのんびりした後の滑走は、滑りやすいザラメでこの山行で1番楽しめた。雪が満遍なくついており、どこでも滑れた。避難小屋まで頚城山塊を眺めつつ戻る。個性派揃いの中でも王道派と言える火打山は、やはり盟主に相応しい佇まいであった。 3日目、白馬岳に向かって登る。白馬〜小蓮華の稜線上に登山者が2,30人はおり、1日ぶりに人を見た。三国境まではクラストした斜面が多く、クトーを忘れたのを悔やむ。何羽かのライチョウの横を通り過ぎながら三国境へ。稜線に出ると少し風が吹いていた。シートラアイゼンスタイルで山頂に向かう。スキーを固定する際、リュックのアタッチメントが壊れた。多少面倒だったが、固定は出来たので良しとする。山頂からは360度の眺め。白馬鑓ヶ岳まで縦走を考えていた為、そっち方面を重点的に見る。思った以上に夏道が出ており、鑓ヶ岳は北西斜面を登れそうであった。しかし、鑓ヶ岳まで行った場合、猿倉方面に登り返す必要がある事、10キロ以上担いだ状態で行くのは体力的にキツイ事、時間が少し遅い事、リュックのアタッチメントが壊れ少し嫌な予感が働いた事から断念し、大雪渓から下山することに。結果的にこの判断で間違っていなかった。既に雪がかなり緩んでおり、登り返しがかなり大変なことになっていたと思う。大雪渓上部はザラメで楽しかったが、ストップスノーや落石、デブリーランドをこなすのが少し面倒だった。雪渓右岸からの落石が下にいた登山者たち手前約10mまで転がる場面もあり油断できない。猿倉の除雪地点でサンダルに履き替え、林道をひたすら歩く。やたらと暑かったが、林道沿いの雪解け水を時々浴びながら二股に到着。リュックをデポし、チャリで栂池高原スキー場の駐車場へ。車で二股に戻り、荷物を回収して山行終了。 初の山スキー避難小屋泊は、荷物の重さだったり、雪の少なさ等苦労する場面もあったが、その分学べる事も多くあった。何より3日間とも快晴で眺望よく、まっ白なライチョウに癒された大満足の山行となった。