和名倉山・笠取山・東仙波(山梨,長野,埼玉)
2026年10月1日 (木)日帰り
多摩川の河口から源流の笠取山・水干(みずひ)へと軌跡を繋ぐウォーキングを実施中です。前回までに、8回に分けて河口から飛龍山の禿岩(はげいわ、かむろいわ)まで歩き進めてきました。
今回の主目的は、「飛龍山の禿岩から将監峠まで」の軌跡を残すこと。三ノ瀬からの周回ルートです。
飛龍山禿岩に向かう際には、以前から歩いてみたかった飛龍山の西に連なる竜喰山(りゅうばみやま)や大常木山(おおつねぎやま)を巡りました。そして禿岩からの戻りに、奥秩父主脈縦走路を利用して将監峠を経由し、三ノ瀬へと戻る行程です。
2か月ぶりの山歩きということもあり、肉体的にハードだったのはもちろんですが、前半の林道で子熊🧸が登場したこともあって、精神的にも非常に緊張感のある一日となりました。
平日だったこともあり、今日の行程で出会った登山者はゼロ。お目にかかったのは、民宿みはらしのワンちゃんと林道の子熊、そして森の中を行き交う小鳥たちだけでした。
【緊張😣】林道で人生初の子熊と遭遇
歩き始めの三ノ瀬から将監峠に向かう林道の中ほど(ムジナの巣手前)、前方30〜50mほど?先でウロウロしている子熊に出くわしました。人生で初めて、山の中でリアルな熊さんとの遭遇です。
「子のいるところ、親あり」
どこから親熊が飛び出してくるかわかりません。すぐにクマスプレーのロックを解除して右手に保持し、子熊の動きや親の気配、周囲の様子を伺います。少し落ち着いたところで、左手で時折電子ホイッスルを鳴らし、こちらの存在をアピールしました。
子熊は茂みに隠れたかと思えば、特有の鳴き声を出しながら再び林道に姿を現したりしていましたが、幸い親の姿は見かけることはありませんでした。こちらから見えていないだけで、親熊からは「何だこの変な音を出すオヤジは」とどこかで観察されていたのだろうと思いますが……。
やがて子熊の姿も見えなくなったため、そのまま警戒態勢を取りつつ、将監小屋まで進みました。その後も、山中では、時折電子ホイッスルを鳴らしながら進みました。帰りも同じ林道を通過したため、日暮れの林道下りは行き以上の緊張感に包まれました。
もっとも、山に入れば、いつも熊の生活圏にお邪魔してるわけで、たまたまこれまでお目にかからなかっただけのことなのですが、初めて目撃したので、少々過剰に反応してしまいました😅
実は、熊スプレーも電子ホイッスルも買ったばかりで、今回が山行デビューの日でした。新調したばかりのグッズがいきなり活用される場面に遭遇した次第です。
電子ホイッスルは少なくとも熊鈴よりは音が大きく、簡単に音を出せるので、離れた場所にいる熊へ存在をアピールするには有益なツールだと感じました。
ただ、今回調達したホイッスルが安価だったせいか、下りの途中で壊れて鳴らなくなってしまいました。最後は手持ちの普通の笛を時折吹きながら進むことに。電子機器は動かなくなるリスクがあるため、アナログな普通の笛もバックアップとして必要不可欠ですね。
次回も再びこの林道を歩くことになるため、今から気を引き締めています。
【歴史を紐解く】奥秩父主脈縦走路(将監峠〜飛龍山禿岩)
今回通過した将監峠と飛龍山禿岩の間の区間。現在、登山ルートとして利用されている奥秩父主脈縦走路は、竜喰山などのピークは通過せず、斜面をトラバースしています。
これは山林開発とともに林道として整備された歴史によるもので、古い時代の先人登山家たちは、尾根道を縦走していたようです。
手元にある『奥多摩〜それを繞る山と渓と〜(田島勝太郎 著 / 1935(昭和10)年発行)』(いわゆる田島本)を開くと、将監峠から禿岩に向かう記述にこうあります。
「以前は見あぐるような尾根筋を縦走したものだが、今は新たに出来た野中の程よい勾配の林道を散歩気分で登って行く。晴朗の天気ならば、白峰、赤石の展望が素晴らしいものを、今日は犬切や鶏冠山、大菩薩あたりが見えるきりだ」
出版時期から推察すると、現在の縦走路は大正時代か昭和初期に拓かれたのでしょうか。今は展望のない静かな森の中のトラバース道ですが、当時は周囲が伐採された後だったようで、木々も低く、南アルプスが見渡せる好展望の道だったようです。
また、禿岩についてはこうコメントされています。
「これは林道が開通するまでは、僅かの人にのみ知られたのであったが、今は天下にその奇勝を公開したのである。」
そんな歴史にも思いを馳せつつ歩いた今回のルートですが、竜喰山から大常木山への稜線は、薄い踏み跡こそあるものの、大常木山前後の岩稜帯で進むルートが分かりにくく、通過に時間を要しました。岩稜帯歩きにおける自分のセンスの無さを痛感する時間でもありました。
【アクセス】登山口までの迂回路が難敵?
現在、青梅街道から三ノ瀬方面に通じる「林道一ノ瀬線」が工事通行止めとなっています。そのため、落合から犬切峠を経由する市道が迂回路になっています。
この市道、舗装こそされていますが非常に走りにくい道路です。しかし、犬切峠越えはかつてのメインルートだったようで、古い文献で三ノ瀬を経由する山行を見る場合、犬切峠越えの記述が見られます。当日は暗い車道を走っただけで、歩く道は別にあるようですが、かつてのアクセスルートを少しだけ垣間見ることができたような気がしました。
【次回予告】いよいよ多摩川の源流「水干」へ🔚
次回は、再び三ノ瀬からスタート。将監峠から、多摩川源流の「水干(みずひ)」へと軌跡を繋ぎます。
水干にある「水神社奥宮」にお参りし、水干沢の水を汲んで、笠取山の山頂でコーヒーを淹れ、これを以て、これまでの多摩川歩きを完結させたいと思います。
(ご参考)これまでの歩み
多摩川河口から奥多摩湖西端までは、川沿いに道がない青梅市内を除き、おおよそ多摩川沿いを進みましたが、山梨県下では、丹波川支流の後山川沿いに林道を通り、三条の湯で湯治してから、飛龍山の禿岩へ歩みを進めました。
多摩川源流へと本流に沿って忠実に辿るのであれば、山梨県下では、丹波川沿いに青梅街道、一ノ瀬川沿いに林道を進むことになります。ただ、歩道のない青梅街道を丹波川沿いに歩くことは避けたかったのと、林道一ノ瀬線が工事中で通行できないことも考慮して、飛龍山のハゲ岩経由としました。
⇒これまでの記録はこちら
https://yamap.com/search/activities?keyword=%E5%A4%9A%E6%91%A9%E5%B7%9D%E3%81%AE%E6%B2%B3%E5%8F%A3%E3%81%8B%E3%82%89%E6%BA%90%E6%B5%81%E3%81%B8&sort=match
多摩川の河口から源流へ① Day0(多摩川の始まりと終わり)[Prologue]
https://yamap.com/activities/39044160
多摩川の河口から源流へ② Day1 to 3(河口~青梅駅)[2025/1/26,2/1,2/9]
https://yamap.com/activities/39044170
多摩川の河口から源流へ③ Day4 & 5(青梅駅から奥多摩湖)[2025/11/28, 11/29]
https://yamap.com/activities/44726085
多摩川の河口から源流へ④ Day6(奥多摩湖の南岸を西へ)[2026/5/12]
https://yamap.com/activities/48289011
多摩川の河口から源流へ⑤ Day7&8(諸畑橋~三条の湯~飛龍山禿岩)[2026/5/29.30]
https://yamap.com/activities/48847002