荒川三山〜赤石岳東尾根 厳冬期年越し縦走
荒川岳・東岳(悪沢岳)・前岳・中岳・赤石岳
(長野, 山梨)
2024.12.30(月)
5 DAYS
昨年は天候が合わず見送った厳冬期槍ヶ岳。
今回こそはと準備をして調べるが九州から1人だと交通費がバカにならない。
会で遠征山行の計画があったので無理を言って同行させてもらった。
憧れの厳冬期槍ヶ岳中崎尾根ルート
ボッカトレに筋トレ、ランニングなど準備万端
肋骨もギリギリくっついた。
後は天候次第。
年末から強い寒気で山頂アタックの31日も大荒れ予報なので急登ラッセルを避け、大喰岳西尾根にルート変更。
2日前に最終ミーティングし、日本海側の天候回復が見込めないため比較的穏やかな南アルプスの荒川三山〜赤石岳ルートへ転戦。
Day0
7時-福岡発〜静岡は南アルプス登山口道中の宿(車)12h🚙
ゲストハウス ミカンセイ(前泊)素泊まり
7000円 湯たんぽ最高
道の駅川根温泉で数日分浸かる♨️
栄養求めて自然薯トロロが美味しいお店で晩御飯
🍚
Day1
4時ゲストハウス発〜畑薙ダム7時発
今日はテント適地まで。
ゲート脇を通り、本日の核心部の林道17Kmハイキング。
さすが南アルプス。
こんなにつまらないハイキングはめったに無い‥。帰りたい。👣
椹島ロッジ分岐で運動靴から冬靴に履きは変えて登山スタート。
途中から雪道、清水平手前でテント泊
テント内に3人だとやはり温かい!
普段1人テントに慣れすぎているため、共同作業にもたつく。⛺
Day2
5時起床-7時発
今日は千枚小屋までなので、のんびり。🧘♂
雪山らしくなってきた登山道を雑談しながら登る。
例年雪山始めは八ヶ岳で美濃戸〜行者又は鉱泉までのアプローチをアイゼン無しで雪の感触を確かめながら歩いていたが、知らない道はまた新鮮で面白い。
全体的に根雪がない新雪で歩き難い。🦍
千枚冬季小屋
人生で始めての冬季小屋
谷川のかまぼこ型は別として
冬季小屋は2階部分にあり詰めれば10人くらい入れるくらいの広さで快適だった。
荷物がデポしてあり、どうやら山頂へアタックしているようだ。
天気は冬型で荒れ模様。
のんびりココアを飲んでいるとソロの男性が雪まみれで帰ってきた。
悪天の中、悪沢岳までピストンしてきたそうで、ダウンを着込んでいたのを見るとヤバイ環境だったのが解った。🌬️
シェルを脱ぐと全身から湯気が上がっていた。♨️
会話をしていると、1年半前の夏に北アの船窪-蓮華岳で合った男性の事を思い出し尋ねるとその時の男性だった。
向こうも覚えていたようで昔ばなしをしながらこんなに広い山の中でまた合ったことに驚いた。
あまりにも偶然すぎて、彼は昔山で会ったかわいい女性ともまた会えるかな…と呟いていた。
偶然あったのが40過ぎのオッサンで申し訳なくおもった。
今日は大晦日、明日から新年なので運はまだありますよ。会えるとよいね。💃🏻💃🏻💃🏻
また何処かの山で!
リーダーが年越し鴨だし蕎麦を作ってくれた。
餅付き!良いお年を。
おやすみなさい。💤
Day3
3時起床-5時45分発
今日は千枚岳〜悪沢岳〜中岳〜前岳〜荒川小屋まで。🏠
割と長い工程だが、出発が45分遅れた。
小屋内で出発が45分遅れはかなりマズイので色々と見直す必要がある。
朝食を簡易的にするか、小屋内テントを無くすか支度の効率を上げるか。
行動全体に影響しリスクが上がる。
前日の降雪でトレースは消えていた。
小屋からは夏道とは違う直登ルートを選択
80m程の急登を3人でラッセルしながら樹林帯を抜けると後ろに富士山が見えた。
間もなく日の出。
風も弱く快晴、ラッセルで汗をかいたので休憩しなが、日の出を待つ。
今年も良い年になりそうだ🎍
ワカンからアイゼンに付けかえて千枚岳を目指す。
千枚まで上がると南・中央・北アルプスに八ヶ岳まで見渡せた。
千枚岳〜前岳まではひたすら夏道沿いに歩く。
稜線は雪の付きも薄くアイゼンでは歩き難く時間がかかった。途中の中岳、悪沢岳などいくつかのピークの登り返しがしんどかったが、景色が良かったのでそこまで苦にならない。☃️
前岳からは雪の付いた夏道トラバースを避けてガレた尾根沿いを進む。
南西方角の尾根は雪が完全に消えたガレ地帯でアイゼンを外して荒川小屋まで降りられるポイントを探しながらコルを目指した。
草付き斜面のコルから小屋に降りられそうだったので、小屋までダイレクトに降りる。
明日の明朝、降雪と暗さでコルまでの登り返しが解らなくならないように下降地点にコンパスを合わせて準備万全。
広い玄関のある冬季小屋は使い安く奥にテントを張らせてもらった。
温かいココアと食事をしてホッとして就寝💤
Day4
3時起床-5時40分発
今日は荒川小屋〜小赤石岳〜赤石岳〜小赤石岳〜ラクダの背〜赤石小屋
核心部は小赤石岳〜ラクダの背の冬道の下降とナイフリッジと雪庇の尾根歩き。雪の付き方が微妙でトレースの有無によっては倍時間がかかる。
昨晩は降雪があまり無くトレースも残ったままだったので小屋からコルまで難なく上がれた。
夏道を外れて尾根沿いにルートを取り、大聖寺平辺りから強風地帯になった。
途中耐風姿勢を取りながら進むも止まると急激に冷えるので歩き続けて雪が付いている小赤石岳の北東側に入れば西側から巻いてくる風を避けられと思いルートを取る。
斜面は日陰で寒いが風は避けられ、クラストしていたのでアイゼンバチ効きで歩きやすかった。
尾根に乗り上げる前に岩陰で小休止し、また強風地帯へ。🌬️🌬️🌬️
小赤石岳ピークの風を避けられ場所に荷物をデポしサクッと赤石岳ピストン。
良い眺めで記念撮影!
次は核心部かと赤石方面からラクダの背を見ると2人の猛者が上がってきていた。
ラッキー🦸🏻♂
小赤石岳のデポ地点でクネクネ尾根のルートを確認したが、根雪が無く新雪の薄い雪の下は脆い岩があり下が確認出来ずクライムダウンするには不安要素があったのでロープを出してもらった。
ロープは40m
1度ピッチを切ったあたりで上がって来たペアとすれ違い情報を教えてもらった。
ラッセルありがとうございました!
ラクダの背は良い感じのハイ松で支点をとり2回懸垂下降。
後は雪庇に気をつけながらリッジ等ひたすら尾根歩き。先程の2人が付けてくれたトレースをありがたく使わせてもらった。
1か所雪庇が大きく崩壊している場所があり、翌日真相がわかることに…。
途中絶景見ながらお茶休憩していたら赤石小屋に着く頃にはヘッデン下山になってしまった。
2人ペアは爆速ピストンで戻ってきた笑
強い!
赤石冬季小屋。🏠
天井が低く何度も頭をぶつけるリーダー。
ヘルメットかぶりますか?⛑️
最後の晩餐はラーメン
やっぱりうまいよね〜ラーメン!
餃子とビールも飲みたいね。🍺
チャーハンも欲しい。
赤石小屋はトイレが開放してありありがたかった。感謝!💩
Day5
3時起床-5時20分発
今日はひたすら下山。
核心部は17kmの林道ハイキング…辛い。
2日目の千枚小屋に協力金を入れ忘れたので、赤石小屋にその分も入れる。
お世話になりました。
途中でアイゼン外してスイスイ下山。
もっと手前で外して良かったなと反省、時間も3分の2くらいに縮めれたし。
椹島ロッジ分岐に到着。
行きにあったマウンテンバイクがそのまま…
写真だけとって警察に相談してみるか。
運動靴に履き替えてロッジで水を補給して楽しい17km林道歩き。👣👣⤵️
途中関係者の車とすれ違ったが、もし歩いているのがピチピチのギャル3人だったら車に乗せてもらえたのだろうか…、自分が運転手だったら間違いなく乗せていた。
昔八ヶ岳の山頂で山ガール達に話しかけたら冷たく返されたのを何故か思い出した。
帰りしなは鰻を食べよう。
つまらない林道歩きは、先輩が「いくらお金出されたら同じルートを今からまた周回する?」と、くだらない話しをしながら歩いた笑。
自分「周回するのは良いが、その前にビールとラーメン餃子を食べたい」
先輩「それだとマイナス500万だよ」
「温泉もパンツ替えるのもマイナス500万」
自分「え~ちょっと考えます!」
平和だ。🌼🌷
畑薙ダムに到着。
下山届けを書いていると県警の警備隊の方々が。
警「雪庇が崩壊してませんでしたか?」
自分「ありましたね」
どうやらソロの方が登りで踏み抜いて落ちたらしい…そして奇跡的に斜面にサクッと刺さって助かってそのまま引き返してきたそうだ。
雪庇の上を歩いているトレースがありヤバイな〜と思っていた。
無事で何より。
登山口の自転車の🚲件を聞くと実は秋から放置してあるそうだ。
しかし遭難届けは出されていないとのこと。
ナゾ。
温泉入って、うな重ご飯大盛り食べて眠くなって福岡までドライブ。♨️🍚🚙💤💤💤
お疲れ山でした。
会の皆さん、偶然再会した青年、強強ペア
ありがとうございました。
またどこかで。