前穂高岳-ダイレクトルンゼ-
槍ヶ岳・穂高岳・上高地
(長野, 岐阜, 富山)
2026年05月06日(水)〜07日(木)
2日間
昨年12月30日に安峰山に登って以来、ほぼ100日間ブランクがあった登山。
4月に入り、安峰山、福地山、安峰山、と月3のペースで登ってはいたものの、やはり下山で少し疲労を感じるくらいに体力低下を感じていた。
だからダイレクトルンゼに誘われた時には、行けるとは思わなかった😅
でもキチンとブランクある点も説明した上でのお誘いだし、日帰りではなくテント泊だというし、何より「お前なら行ける」と見込まれて誘われたのが嬉しくて、参加してきました。
ちなみに、テント泊も初めて。
なので山テントの指導も含めて、とにかく学びの多い山行となりました。
以下、テントに関する学び。
・45Lザックでもアイゼン、ピッケル、ハーネス、ヘルメット等アルパイン装備を入れてもテントがちゃんと収まった。
→100均の衣類収納袋が大活躍。
テントやシュラフもがんがんに小さくして詰め込む。
・テント泊は疲れる前に休むが鉄則。
→コースタイムよりもさらに余裕をみた山行計画が大事。
・テントはヘッデンがあれば明かりの問題はないが、ランタンはあった方が絶対良い。
→あると外から眺めた際に温かさがでて、一気に「自分だけの宿」感が出る。
LEDなら小型軽量だし、最近はクシャクシャに畳めるクラッシャブルタイプもある。
つまりはQOLギア。
・テント内部は、保温アルミシートを敷いてから(銀を下側)マットを敷く。
→銀シートはホームセンターの既製品を自分のテントに合わせて切って作る。
銀部分を下に向けることで寒さがマットまで伝わりにくく出来る。
内側が青い、くるくる丸めるタイプは嵩張るので薄めのものが良い。
・テントの出入り口は、必ず風下で。
→風上に向けたら最悪の場合テントが飛ぶ。
キチンと風向きを確認してから設営する。
・テントのペグダウンは非常に重要。
場合によっては、漬物石サイズの石で張り綱(ガイライン)を固定するが、石を置く場合は必ずガイラインが動かないように、さらにガイライン上に石を置いて固定する。
ペグを刺す場合はガイラインをペグの溝に引っかけるのを忘れずに。
キチンと埋没するまで石等で打ち込む。
土が緩い場合は、小石をペグの隣に打ち込むと安定する。
・ガイラインの張り方に注意。
ガイラインは必ずテントのフレームの延長線上に張る。
また、ピンと張らないと無意味。
・翌日の山行に備えたザックのパッキングは明るいうちに。
→暗い時間にガチャガチャやると、周りに迷惑。
・テントは濡れると付属の袋に入らないことが多いので、一回り大きいスタッフバッグを持っていくとより安心。
→いずれにしてもスタッフバッグ自体は大して重くないし、テント泊でなくても予備を持っていくに越したことはない。
・残雪期のマットは、R値3.0以上欲しい
→お借りした蛇腹タイプはたぶん2.0以下で、足の指先がメチャクチャ冷たくなった…
予備のカイロを足元に入れて対応したが、マット自体のR値が高ければ安心。
・残雪期は多すぎるくらいカイロを持っていくとちょうど良い。
→10個くらいあっても良い。
なにかと寒い。
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さて、山行自体はかなり時間に余裕をみたものでした。
初日はテントが重いので、岳沢トレイルの⑩〜①を全スポットで休みながらという行程。
これがとても楽でした。
とにかく翌日に疲れを残さないのが大事。
道中は完全に夏道になっていました😅
一部雪は残っていますが、まぁアイゼン無くても行ける感じです。
ほどなくして岳沢小屋に着き、のんびりテント設営し、贅沢時間を満喫します。
酒飲みながらのテント設営が楽しい☺️
岳沢小屋はテント泊でも夕食が食べられるそうです。
しかもカレーバイキング🍛とのことで、ワクワクしながらテーブルに着きます。
凄いボリュームで、揚げ物がガッツリ乗っています😳
味はたぶんレトルトですが、この内容なら3000円もアリかな。
一回おかわりしちゃいました。
ちなみにバイキングとなっていますが、味は1種類なので実質おかわり無料カレーです。
揚げ物はおかわりには付きません。
これはたぶんですが、残雪期だから簡易的なメニューになっているのかも?
公式HPだと普通に色んなカレーの写真が掲載されているので…
就寝は7時半頃。
山小屋ではあまり寝付けないのですが、今回はぐっすり寝入りました。
12時頃に足が冷たくて目が覚め、カイロをつっこんでまた就寝。
起床は3時半。
テントから出ると、下の雪がカチコチになっていました。
空が白んでくると、晴れ間が出てきました!
当初は夜中に雪の予報もありましたが、雪は降りませんでした。
準備をして、なんやかんやで5時半出発。
ほかのテン泊者さんはみんな既に出発済み。
さあいよいよ穂高のバリエーションルートに入ります…!
ピッケルワーク、アイゼンワーク、そして休憩時の心構え。
全てを学び直しながらの山行。
・斜度が出てきたら身体をやや前傾寄りにし、体重やザックの重さを分散させる。
→疲れにくい。
・ピッケルは斜度が出てきたらダガー寄りに。
ヘッドのうち、ピックではなくブレードを持ち雪面に打ち込むことで、自身の体重でピッケルを打ち込めて楽だし、しっかり食い込んで安全。
・さらに斜度が出たら、ピッケルのシャフト下部を持って雪面にガツンと打ち込む。
それを腕の遠心力を使い、グッと身体を起こせば、脚の負担を減らしながら登れる。
→自分はこれが凄く楽だった。
というか楽しい。
・アイゼンはフラットフィットが基本。
爪全体を雪面に食い込ませるイメージを持つ。
・斜度がゆるければ真っ直ぐに歩く。
斜度が出るにつれ、
真っ直ぐ→ガニ股→スリーオクロック(ないしはナインオクロック)
・沢地系での休憩は必ず前を向いて。
→落石は雪面を音もなく落ちてくる。
・合流する沢があれば反対側を進む。
→雪崩のリスク軽減のため。
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ダイレクトルンゼルートは、岳沢を出発後にまず奥明神沢から登り始める。
取り付いたのは5:40頃。
ここの斜度は30〜40度くらいか。
先に行くほど斜度はキツくなる。
奥明神沢は色んな沢が合流するため、雪崩や落石に常に気を配りながらの山行となる。
ありがたいことに、綺麗なステップが刻まれており、かなり登りやすい。
前日に山岳ガイドのIさんのグループが降っていらっしゃったので、たぶんIさんが刻まれたのではないかな。
取り付きから1時間40分で、ついにダイレクトルンゼに合流。
ダイレクトルンゼに分岐すると、いきなり斜度が急になる!
47〜48度だという。
未経験の斜度に、怖さを感じる。
とんでもない場所に来てしまった…
このダイレクトルンゼ入り口と、ノドが斜度キツめなのだという。
しかし来てしまった以上、進むしかない。
そこはロープまで持ってきてくださったリーダーを信じてピッケルを、アイゼンを、そして自分自信の心を持ち上げる。
ダガーポジションを意識しながら、とにかく登る。
ここで、時より下を見て斜度に慣れておくように言われる。
やはり核心は降りだから。
気づくと目の前に、えらく絞り込まれた急傾斜面が現れた。
これがダイレクトルンゼ最大の核心部【ノド】だということに、本能的に気付いた。
そこは既に岩が露出し始めており、岩と氷のミックス状態。
怖さより、攻略してやろうという闘志が湧いてきた。
登りはなんとでもなるもんね。
…帰ってから気付いたけれど、登りでノドの写真を撮るのを忘れていた😅
結構、いっぱいいっぱいだったんだな。
しかし喉元過ぎればなんとやら。
そこから先は斜度も緩み、あとはひた登る。
このあたりで、先行者が下山してくる。
ラインをずらして、万が一に備える。
ここで滑落に巻き込まれたら間違いなく死んでしまう。
下山者をやり過ごし、再び登る。
なんとか休める場所をリーダーが見つけ、小休止。
ここでなんと、5mほど先に雷鳥の夫婦を発見!
場所が場所なのでデジカメは出せなかったが、スマホで撮りまくった!
かわいかった😊
5分ほどの小休止を終えて、再び登り始める。
山頂直下の標識が見えるころ、斜度がまたキツくなってきた。
しかし20mほどで緩み、いよいよ山頂。
山頂では360度の絶景が待っていた!
しかし油断せず、手早くパンを食べて下山に備えて体力を回復させる。
そしてカメラを取り出して、とにかく写真を撮った!
10分ほどで一気にガスが湧いて眺望はほぼゼロに。
あと少し遅かったら絶景が見られなかった😳
奇跡の絶景でした!
さあ、下山に意識を集中します。
ありがたいことに綺麗なステップが刻んであるため、恐怖感は薄い。
一部ステップが小さい場所をバックステップで降りました。
腰引けていたと思う😅
ノドにさしかかる…
ここでリーダーがロープを出してくださいました☺️
確保の理屈を聞いた上で、実際に滑ってみます。
(この斜度でわざと滑るのってメチャクチャ勇気要る😅)
なんと、本当に止まります!
ピタッと止まります!
重量級の自分でも止まりました!
リーダーは自分よりずっと小柄なのに、これは一体どういう原理なんだ?
確か360度を一度形成しているから、どれだけ重くても止められる?とか言っていたが、よく覚えていない😅
とにもかくにも、ロープの安心感に包まれながらノドを降ります。
結局滑ることは無かったですが、ロープの安心感は凄い。
本当にありがたいです。
やはり下山は早いもので、ダイレクトルンゼ入口も安全に通過。
奥明神沢に入ります。
ここからは斜度も緩みます…が、落石のリスクは上がります。
こまめに後ろを振り返って、落石を警戒します。
すると目の前で落石が発生!
もし10分早かったら、モロに直撃するタイミング😳
とんでもない速度でバスケットボール以上の大きな石が音もなく転がっていく…
しかも1つや2つではなく、6〜7個は転がったと思います。
いかに注意していても、あれを雪上で回避できただろうか…?
山頂のガスるタイミングといい、今回は本当に時間に恵まれています…!
落石区間を足早に通過し、岳沢に到着!
この時の達成感が半端なかった‼️
…しかし、帰ってきたらゲートが立てられていて、小屋に入れない😅
どうやらダイレクトルンゼのノドが通行不能と判断して、岳沢小屋で柵を設置したみたいです。
ともあれ柵を突破(😅)して、お酒を買って、飲みながらテント撤収します😊
テントが重い😅
帰りもじっくり休みながら、のんびり下山。
17時の便で上高地バスターミナルを立ちました。
無事自分の車を見たときの安心感は半端なかった。
こうして、ダイレクトルンゼ山行は無事成功に終わりました😊
帰宅後に兄が買ってきてくれた「こてっちゃん」が、メチャクチャ美味かった!
※ちなみに、今回のダイレクトルンゼは綺麗なステップがあり、雪もよく締まっていたため、コンディションとしては格別の良さだったそうです。
「これで登れないと、もう登れない」と言われるくらい良かったらしい😅
また、ダイレクトルンゼに合流する奥明神沢ですが、ダイレクトルンゼに行かずにそのまま奥明神沢を登り続けると、一気に斜度が急になってダイレクトルンゼより難易度が上がるそうです。
分岐に気付かず奥明神沢を登り続ちゃう方もいらっしゃるとか…
ノドが繋がってしまうと奥明神沢を登るしか選択肢がないため、難易度は上がってしまうとのこと。