槍ヶ岳・穂高岳・上高地(長野,岐阜,富山)
2026年9月22日 (火)日帰り
◆プロローグ
この夏、雨に何度も阻まれてきたコブ尾根と飛騨尾根に挑む。
特に飛騨尾根は、4月の残雪期に想像以上に苦戦した(https://yamap.com/activities/47596009)。
その原因は何だったのか。
ルーファイを誤ったのか。それとも、単純に雪によって難易度が上がっていたのか。
今回は無雪期に改めて挑み、その答えを確かめたい。
◆概要
上高地から岳沢経由でコブ尾根を登り、コブ尾根の頭に達してから、αルンゼを下降、飛騨尾根T3直下に取り付く。ジャンダルム登頂後の予定は未定だったが、元気があったので明神主稜を縦走し、南西尾根にて上高地へ下山。
◆コース状況🐾
□釜トン~岳沢
Time:2:25
実は1週間ぶりの釜トン。天候は曇り。
1週間前の蒸し暑さは無いものの、動くとまだまだ暑い。
チャリを漕いで上高地まで。河童橋から岳沢までは、近いのか遠いのかわからぬ。ミストにより地面は濡れていた。岳沢にて夜明けを迎える。
□岳沢~コブ尾根の頭(コブ尾根)
Time:3:50
コブ尾根の末端に位置する岳沢ヒュッテが雪崩で全壊したのは2006年のことで、その跡地に経営主体がかわって「岳沢小屋」がオープンした。その岳沢小屋から天狗沢方面へ少し歩いたところにある、最初の枯れ沢がコブ沢。雪渓はすべて消失しており、右岸側を詰めていく。
途中、大きなチョックストーンが乗った滝が現れる。右岸のスラブから容易に巻くことができた。
数年前の記録を見ると、その先の側壁を懸垂しないと降りられないなど、かなり苦労した記録も多い。地震や風化などによって地形が変化し、現在は容易になったのだろうか。
このようなルートは、年月とともに簡単になることもあれば、逆に難しくなることもある。事前の情報収集はもちろん、その場で状況を見て判断することも重要だと感じる。
滝を巻くと、沢は二股に分かれる。
残雪期には「S字雪渓」と呼ばれる場所で、今回は右の沢を詰める。
逆層で岩も脆く、トラバースには少し躊躇するが、慎重に進む。沢に入ると岩がゴロゴロしているが、北鎌出合から北鎌のコルへ詰める沢に少し似た雰囲気。稜線を目指してそのまま登っていく。最後は、かつてコバイケイソウのお花畑だったと思われる草付きを登り、稜線へ。
稜線に出ると、すぐにマイナーピークが近づいてくる。マイナーピークの下りは、垂直に近い階段状の岩場。短いながらも少しコツが必要で、向かって右側の方が下りやすそうだ。
コルからの登り返しは、稜線上のハイマツ帯を進むより、左手にあるルンゼを登った方が歩きやすそうだった。そのまま進むと、いよいよコブ尾根の核心「コブⅠ峰」。ガイドブックによると、コブⅠ峰への登路は3本あり、右に行くほど難しいとのこと。フリーソロなら左側が無難だろう。
見た目はゴツく、高度感もあるが、難なくⅠ峰のトップへ。
Ⅰ峰からは懸垂下降。残置支点は豊富にある。
最上部の大きなピナクルからの下降が一番無難そう。50mロープがあれば一発だろう。我々は30mなので、3段下がったところから懸垂。30mで余裕だった。懸垂を終えると、あとはコブ尾根の頭まで約100mの登り。
正面には奥穂高岳からロバの耳へ続く稜線が見え、稜線を歩く登山者の話し声も聞こえてくる。
近いようで、まだ遠い。
ガレの多い草付き斜面を登る。斜度はそれほどないものの、かなり大きな岩が動く箇所もあり、最後まで気が抜けない。
登り切って平坦な場所に出ると、そこがコブ尾根の頭。目の前にはジャンダルムがそびえていた。
□飛騨尾根
Time:1:35
飛騨尾根は、ジャンダルムから飛騨側へ派生する岩稜。無雪期は、ジャンダルムとコブ尾根の頭西尾根との鞍部からαルンゼを下降し、T5から取り付くのが一般的とされる。ただ、T5まで下ると時間がかかるため、今回はT3から取り付くことにした。
αルンゼは浮石だらけのガレ沢。比較的安定した右岸のコンタクトラインを慎重に下っていく。枯れ滝を3つほどクライムダウンし、4つ目の滝に差し掛かる手前で右側にバンドが現れる。4つ目の滝は、フリーソロでクライムダウンするには危険と判断。そのままバンドへトラバースし、T3に取り付く。
T3、T2、T1と詰めていくが、4月に登ったときとは比べものにならないほど容易。ガバもしっかりしており、ラインを選べばどこからでも登れる印象だった。基本は稜線上を進み、詰まった場合はαルンゼ側へトラバースして逃げることもできる。今回は基本的に尾根通しで進んだ。
4月はT2の登りで詰まったが、今回は「おそらくあそこからなら容易に突破できるだろう」というラインを見つけることができた。
前回の課題を一つ回収できたような感覚で、満足のいく登攀となった。
□ジャンダルム-前穂高
Time:1:40
運良く渋滞に巻き込まれることなく、ロバの耳、ウマノセを通過。
久々の好天だったこともあり、吊尾根は多くの登山者で賑わっていた。
紀美子平から前穂高岳への登り返しが、きつかった。
□明神主稜
Time:1:30
前穂から明神1〜5峰を縦走する「明神主稜」。
前穂から明神主峰へのルート取りは毎回悩むが、今回は比較的スムーズに進めた。
何本もの“ホイホイ道”があるものの、基本は尾根伝いで行きたい。下に降りてトラバースすると、ハイマツに突撃するか、ザレ場をトラバースすることになり、かえって時間を要する。
2峰の登りも、さすがに慣れてきた。
ここを初冬のツルスベ状態で、しかもフリーソロで“下る”ポチ、恐るべし。
□南西尾根
Time:1:30
動く岩、ハイマツ薮、急登、湿った根っこ。
この尾根の下りは、本当にいやらしい。
時間を巻くのは不可能やな。
昔は岳沢7番の標識から入っていたけど、倒木などで最下部のルートが変わった?
南西尾根を登りで使う方、どこから入ってます??
◆エピローグ
今年の夏は雨が多く、各地で豪雨災害が相次いだ。山に入れない日々が続いていたが、この日は久々の快晴。
溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、今夏まだ行けていなかった3つのバリエーションルートを一気に楽しんだ。
一日中広がる青空と、眼下に広がる素晴らしい雲海。久々に心から山を楽しめた、最高の一日となった。
そして、4月の山行で手こずった原因もおそらく解明でき、収穫も大きい。
久々の快晴、岩稜三昧、そして謎の解明。
大満足の山行となった。
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◆気象状況
【予報(奥穂高岳)】
風速:1〜8m/s
気温:8℃ / 13℃
【当日の天候】
序盤はミスト〜ガスだったが、標高を上げると雲上の快晴に。
岐阜県側には一日を通して美しい雲海が広がっていた。
気温は真夏ほど上がらず、風もあり比較的快適。
夏の終わりを感じる気持ちの良い1日だった。
【観測値】
釜トン :15℃ ☁️☔️
岳沢 :10℃ ☁️
ジャンダルム :10℃ ☀️
吊尾根 :15℃☀️
◆飲料🚰
持参:1,500ml
・アクエリアス 1,000ml
・ソルティーライチ 500ml
消費:1,750ml
残り:-250ml(バディにもらう)
◆風呂♨️
料金:700円
ひらゆの森(hirayunomori.co.jp)
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763−1
◆下山飯🍚
コンビニ
◆メモ📝
・涼しくても水分は必ず多めに!
◆インスタ
https://www.instagram.com/p/Ddn0OUkkdZF/?stkn=MTZwaTYyOWV0MnB4cw==