厳冬期槍ヶ岳撤退劇🏔️
槍ヶ岳・穂高岳・上高地
(長野, 岐阜, 富山)
2026年01月01日(木)〜02日(金)
2日間
2026年元日に新穂高センターを出発。装備重量約17kg。
環境
・西高東低が強まりつつあるが、元日から2日午前にかけて一時的に緩む予想。
・降雪予想あり。予想最低気温−18℃
予定プラン
・プラン1:槍平デポにより、2日目の9時を中心とした槍ヶ岳往復の2泊。
・プラン2:槍ヶ岳デポで行ける所まで行って槍平撤収の1泊。ただし、行動時間が長い。
・プラン3:決死の覚悟で槍ヶ岳に行き、天候が収まるまで槍ヶ岳冬季小屋泊。
結果
・プラン2実施
初日
開始時の天候は雪、外気温度−7℃。新しい積雪は足首程。各山頂は雪雲で覆われている。この段階で2日目午後以降、槍ヶ岳山頂の天候は悪化が予想されたためプラン3は却下。
滝谷ドーム直下以降は晴れとなり、涸沢岳から南岳の絶景が見事だった。
後半1/3はワカンで、それまではツボ足。
槍平到着時、屋根への積雪は1.5m程。外気温度−10℃。テント3張、冬季小屋に数名。松の陰にスノーショベルでデポ地設営。
BCのお姉さん情報では、稜線は爆風でクラスト、トレースあり。
この時点で、西高東低は緩まっていないことを確信。夕刻以降、降り続く雪の音を聞きながら、プラン2の長期行動に備えた準備と決意をして就寝。
2日目
起床は2時半。槍平で積雪15cm程...覚悟を決めて準備物件チェック。各アバランチ用品、ビバーク装備、水食料行動食、レイヤリング重視の防寒着。
3時過ぎに先頭で行動開始。この時点で周囲の山肌は視認できる。トレースは見えるが積雪が多く、ラッセルは足首→スネ→ヒザと増えてくる。特に吹き溜まり箇所ではトレースが完全に消えた上に積雪している。
大喰西尾根分岐付近で何となく西尾根は見えるが槍ヶ岳方面は真っ白。正面目標を決めて股下ラッセルするが、時折ホワイトアウトで方向が変わる。後方から来た長野の青年にラッセルを代わってもらい、交代に... と思ったが、2700m位から斜度は上がり、積雪が80cm位となる。アイゼンをつけても恐らく無意味。ワカンで踏みつけた雪が滑る。
先程追い抜いて行ったBCの二人が前方視界ギリギリで止まり、槍ヶ岳から来たと思われる2名と会話して別れた。下山2名の話では、このラッセルは3000Mまで続き、フカフカなのでアイゼンピッケル無意味な雪質とのこと。
ここで、BCの2名が登りを辞めて滑走してくる。「もしやあそこが飛騨乗越か?であれば行けるか?」と思い後ろを見る。自分のトレースが降雪で消えつつある。外気温度を見る、−18℃。スマホをチェック、低温によるバッテリー低下と充電不能。メンタルチェック、やる気はまだある。ボディチェック、手足は冷たいが今は問題なし。バラクラバの肌に触れていない個所が凍りついている。体力、ここまでのラッセルは4時間を超える。プラン1ならもう1泊できるので耐えられる。しかし、強まる冬型と降雪のスピードからプラン2が適切と判断。
しかし、あそこが飛騨乗越なら....プラン1か...?滑走してきたお二人に聞く。「あそこ稜線ですか?」「いや、行けませんでした...」
プラン2しか無い。行けば確実に遭難する。ここで引き返して槍平にもう1拍しても、明日槍平から新穂高まで帰ることができる環境、体力の保証は無かった。
引き返したことに何の未練も無かった。なぜなら、身体が思いの外弱っていたからだ。デポしているとはいえ、アバランチ含む装備重量はそれなりにあった。槍平到着時には開始してから7時間経過していた。泊まるか、それとも撤収してこのまま下山するか...スマホの電波は無く、天候予察は昨日以来出来ていない。その際の3日目予察は悪化傾向。
下山しよう。
下山時間はコースタイム的には5時間30分程...勇気を振り絞って下山開始。15KGってこんなに重かったかな?いざとなればビバークしよう....しかも、停めた駐車場は16時で閉まる。現在の予想到着時刻16時30分....車中泊はイヤだな...下山中も雪は降り続く。疲れている時ってホント登りも下りも平地もキツい。
駐車場着は思いの外早く、無事北アルプス脱出。ピークを踏めなくとも、今までで1番充実した内容でした。
下山後は高山市内において、いつも訪れるぼんずさんでジビエ満喫しました🐝