活動データ
タイム
14:03
距離
17.7km
のぼり
1582m
くだり
2527m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る(***ルート注意箇所、登り方、持ち物など備忘も兼ねてのメモ***) 山を登るようになって、自分のレベルにはまだ早いと感じた富士山。 多分登れはするけど楽しめるまでの余裕はなさそうだし、来年… なんて思っていたが、大学時代に富士登山を共に計画した(この計画は台風で2度流れていたが、軽率すぎたから良かった…) 友人が声を掛けてくれたので、思い切ってチャレンジすることにした。 流石に自分で計画をたててペース配分を決め、ルート案内するのは不安があったので、 サンシャインツアーさんのバスツアーを利用。 (とはいえ、ルートを知るためにおおまかな登山計画は立て、登山届は提出しておいた。 迷いやすい箇所や注意すべき箇所などこちらのサイトさんがとても参考になった: http://www.fujisanpo.com/) どのルートを使うかは迷ったが、個人的に人があまりいない静かな山が好きなこと、 変わり映えはしないと噂の景色に少しでも変化があるルートを楽しみたかったことがあり、 富士宮口から登り御殿場ルートへ入って登頂、御殿場口へ下山するプリンスルートを選択。 (登山者割合的には吉田ルート約60%、富士宮ルート約24%、須走ルート約10%、御殿場ルート約6%だとか。 ちなみにこの日サンシャインツアーさんの大型バスだけで、吉田7台、富士宮4台、プリンス1台=25名程度と聞いたように思う。プリンスルート組は年齢層が若かった) このルートは宝永山の火口を見られること、大砂走を下れることが目玉。 富士登山に向けて、基本装備に買い足したのはサングラス、ショートゲイター(大砂走の砂利よけ、必須でした)、ネックゲイター(同じく大砂走の粉塵よけ)、耳栓(初山小屋泊のため)。 他にあってよかったものは真冬並みの防寒着(夜間登山と山頂が思うより寒い)と汗拭き・消毒シート、ちょっと良いアミノバイタルゼリー(疲れていても時間がなくても夜中でも食べやすく、本当に助かった)、ロキソニン(前週ひいた風邪が若干残り気味だったため念のため持ってきていたが、山小屋での頭痛に随分効いた)、それと100円玉を2000円分くらい(富士山のトイレチップは200-300円くらいなので割と使った)。 ちなみにあった方が良かったものはトレッキングポール。大砂走では特に足の負担を軽減しやすいと思う。 普段と違う準備はこんなところだったろうか。 当日、富士宮口につくと既になかなかの人出だった。 出発前の一時間、お手洗いをすましてアミノバイタルとおにぎりを頬張っているところ、 たまたま富士山の混雑調査をしているとのことで(https://www.fujisanchallenge.or.jp/) ビーコンを渡され、御殿場口で返すことにしてザックに装着、ガイドさんと合流、準備運動をして登山開始。 木曽駒ケ岳以上に、高山病対策にストローから吐くような呼吸を意識して、30分に一度、一口二口の水を飲むことを気にしつつ登る。 天気は曇り時々晴れ、丁度良い天気と気温だ。 人は少なくないが、渋滞することもなくまずは宝永山へ向かう。 登り始め直後は急なものの、少しして富士宮口六合目からはトラバース気味なので楽。 そして人がぐっと減る!わんだふる!時折雲間から青空が顔を見せるのもわくわく。 一番初めの難関は宝永山第一火口縁から馬の背までの登りだ。 コツを掴まないと細かな砂に足が埋まり、三歩進んで二歩下がることにもなりかねない勢い。 前傾しすぎないようにして前の人が歩いて凹んだ部分を選んで踏むこと(微妙に固まっていて安定しやすい)、それからフラットフッティングで足の裏全体に均等に体重が乗るように、薄い氷の上を歩くようなイメージでそっと、ゆっくり登ると滑らずに登れた。 宝永山付近の眺めがとても良いので、次回もこのルートを使いたいと思う見どころの一つ。 ちょっとした稜線さんぽ気分に浸れて、火山!という感じながら女性的な見た目が美しい。 第二の難関は、(ガイドさんなしで登るなら)宝永山馬の背から御殿場ルートへ入る分岐とコース中の岩場。 これが本当に分かりにくくて、道標を見逃して下山道である蟻地獄の如き大砂走へ入り、苦しすぎる登りをしている方を数名みかけた。 前述のサイトさんに迷いやすい点が詳しく書いてあるので、この活動日記の写真と合わせてみておいていただけるとよいと思う。 ただ、分かりにくいのは怖いところだが、この場所は黒い砂道をずっと来た身からすると短いながらも変化があって楽しめるところだった。 ここを抜ければあとはまた分かりやすいコースなので安心。 段々と天に近づくような気分に浸りつつ、間近な雲が空を駆ける速さにため息をもらし、 気を抜けば忘れそうになる深呼吸を繰り返して到着したのは七合五勺・標高3090mにある砂走館。本日のお宿だ。 小屋前のベンチに座って靴の汚れを落としつつ、 流石にくたくただあ~!肩がばきばきだよ~!などと弱音をはきながら振り向けば、雲海が美しく横たわっている。 随分登ってきたんだな…と実感する瞬間だ。(と、こんなことを言っているがこの時点で割とバテバテである。情けないことにほんとにバテバテなのである。) 小屋は三段ベッドのような感じで二階部分に泊まったが、頭上に荷物置き場がありお布団が一人一枚で初の山小屋は思っていたよりずっと居心地よい。 登山靴を入れる袋を貸していただけたので、サコッシュを持たない身としてはそれにすぐ使いたいものを入れておくと便利だった。 夜ご飯はおかわり自由のプリンスカレー!行動食を食べつつきたものの、 いつもよりカロリー消費が激しいので努めてもりもり食べる。 ツアー以外のパーティさんもいるので、譲り合いつつ窓の外を眺めやれば、遠く雲と空の境界線に橙の光が滲んでいる。はっと息を飲んでしまう光景だ。 カレーを美味しくいただき、お手洗いに外へ出ると沢山の方が写真を撮っている。 すごいね、と友人と交わす声も自然と小さくなる。 やっぱり胸を打つ景色というものの前では、言葉少なになってしまうもののようだ。 ところが、明日も早いし、と小屋に入って19時頃眠ろうとしたときは、若干高山病気味だったのか頭痛に悩まされた。 ゆっくり深呼吸して少し横になり、また起き上がって深呼吸をすることを繰り返したのち、たまたま持ってきたことを思い出してロキソニンを飲んでみたが、これが効いて救われた。 慣れない環境でほとんどまどろむような浅い眠りだったが(これは予想していたので焦りはなかった)、夜中の1時に起床したときはすっかり良くなって、根本的な解決ではないものの登頂出来そうでほっとしたものだ。 同じツアーメンバーの数人も頭痛がすると言っていたので、これだけゆっくり登っても(そして体力・気力・装備共に割と登山に慣れたメンバーの多そうな中でも)割と高山病発症率は高いのかもしれない。 夜間登山は前日よりももっと慎重なゆっくりペースだったが、足元と景色が見えない分、正直なところわくわくよりもしんどさが勝った。 自分だったら怖くて絶対計画できないよぉ!皆で登ってる、という点が心の支えだ。 登山道が前日と比較して滑りやすく見えにくい分、パーティの先頭以外はペースが乱れるので、 無心になってひたすら小股でペースを崩さず淡々と登る(多少前の人と離れても、少し先で詰まるので結果的に焦りを抑えてペースを守った方が疲れない)。 この時はナルゲンボトルよりもプラティパスのハイドレーションの存在にとても助けられた。 ご来光に間に合うためかあまり立ち止まることがなかったので、止まらず、無駄な動きを抑えてこまめに摂取するには丁度良い。 ようやっと鳥居が見えたころには空が白み始め、夜明けの気配が近づいていた。 御来光は見えなそうとのことで、お鉢巡り希望組と先に下山する組(大体4:6くらい)に分かれ、休憩もそこそこに剣が峰目指して出発。 (はい、お察しの通りバテバテのバテでございます。もはや景色を楽しむ余裕がないレベルで無ノ心を引きずっております。大半の方のようにトレッキングポールあったら多少違っただろうか?小屋にもっと持ち物をデポしてきたら良かったのかもしれない…) 身体は重かったが、山頂ご来光にはこだわりがない私ながらお鉢巡りはしたかったのだ。 そう何度も登る山ではないし…。なんとか頑張って良かった。 剣が峰までの登りは大変急で足が砂に埋まって滑りやすく、トレッキングポールが欲しいところ。なんとか登り切ったら、あとはそこまで激しいアップダウンはない。 剣が峰の本当のピークは、その名が刻まれた碑の奥にある。何もないからわかりにくいが、 ちょっと尖った岩の上だ。 要所要所で説明を受けつつ、すっかり夜が明けた空と広大な大地を眺めながら時計回りに巡る。 懸命に歩みを進める中、やはり刻一刻と変化する雲とそれに降り注ぐ朝日には目を奪われる。 日常にはない近さにある天使の梯子を眺めていたら、ようやっとじんわりと、富士山に登ったんだなぁと実感した。 御殿場ルート山頂まで戻ったら、夜間登山で登ってきたルートが見えて気分も上がって元気になり、一気に小屋まで下山して朝食。 大砂走に向けてサングラスとゲイターを装着、滑りやすい足元に注意して小股でガンガン下る。 大砂走に入ると、序盤は時折混じる岩に気を付けねばならないが、あとは走れば人生最高速度を出せる(が慣れないと止まれずに一回転してすっころぶ方多数)という広い下山道。 大股一歩で2m弱は下れるのでらくちんだ。 ここの下り方は宝永山までの登りと逆で、足跡のない、盛り上がった場所に足をピンと伸ばしてつま先を上げ、踵から突っ込むと砂が程よくクッションになって下りやすい。 ただ、長い下山ルートなのでぜひともポールの力を借りたい。 うまいこと下れたのか膝には影響がなかったが、流石に足裏がじんじんして辛くなったころ、お茶屋さんに到着、駐車場に向かって無事下山。 バスに乗っけてもらい、富嶽温泉 花の湯さんへ。こちらは館内も温泉も綺麗で広くて種類も沢山あり、とても癒された。 帰りは多少渋滞はあったものの、概ね予定通りの時刻に都内に到着。 次の日より3日は全身筋肉痛であったのは筋力不足を痛感してまいったが、全日程を通して天気に恵まれ、怪我もなく終えられたことに感謝して、おつかれ山! ***自分で計画するならばプリンスルートで山小屋でのご来光、登頂からの富士宮口下山だなあ…なんて今回の山行で思いました!ほんとに疲れたけど、いい経験積めて良かった! 挑戦するきっかけをくれた友よ、有難う!***
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