残雪期白毛門〜国境稜線(途中撤退)

2024.03.31(日) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
10 時間 9
休憩時間
2 時間 57
距離
8.0 km
のぼり / くだり
1577 / 500 m
6
2
2 54
55
50
42
24
DAY 2
合計時間
8 時間 57
休憩時間
3 時間 45
距離
8.1 km
のぼり / くだり
507 / 1595 m
31
19
42
34
2 4
6

活動詳細

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超久しぶりの山行。 皆様、お久しぶりです。 今回の計画は 残雪期の白毛門〜巻機山、のはずでした。 前日のうちに清水峠に車を1台デポ。 土合山の家に前泊。 翌朝、白毛門登山口より入山。 登山届のポストの位置を事前に確認しておかなかったため、リーダーが土合駅まで走る。 (結果、その先の橋の手前にあった) 毎年、この季節に計画されて 毎年「過去最高にキツイ」が更新されていたのだけど(2022.03万太郎山〜平標、2023.04北岳池山吊り尾根)今年はまったく山トレができていなくて行く前から例年になくナーバスだった。 それでも仕事の合間を縫って パーソナルトレーニングでメニューを組んでもらって週二回×2ヶ月、トレーニングを重ねてきた。 そして挑んだ本番。 白毛門までがキツイ、とは聞いていたけど 本当に辛かった。ユルユルな腐った雪と所々夏道が露出し気の根っこにアイゼンが引っかからないよう注意して歩く。初日にどこまで進めるかが今回の山行を左右すると言われていたので、気持ちだけは焦るのに体がついていかない。ペースは乱れまくり息は上がりっぱなし、しかも気温も高く汗も結構かいた。結果、水の消費も早い。 白毛門ルートの中間地点くらいで早々に これは無理かもしれないと心が折れていた。 私のグダリっぷりに自分でも無理だと思ったし メンバーからも山行自体を中止しようという声も上がった。 けれど他の人だってこの日のために休みを取り 計画を練り準備をしてここにいるのだ。 気持ちに負けたような終わり方だけはしたくなかった。 とりあえず白毛門までは行こう。 そう思って気持ちを立て直す。 山頂直下の急登にまた喘ぐ。 とにかく前へ前へ、上へ上へ。 リミットにしていた予定より40分ほど遅れて 白毛門山頂についた。 ここで天気が劇的に好天。 この先は魅力的な国境稜線が誘う。 ここから夏道のCTならジャンクションピークまで 3時間弱。白毛門までのような急登もない。もしや巻き返せるか、と、思ってしまった。これが判断の誤りだった。 天候が回復して周りの景色が見られるようになった事で気力は回復。国境稜線の絶景を見ながら朝日岳を目指す。笠岳手前の直登は、先行者の位置がなかなか変わらずキツイんだろうな…と思ったが、予見通りの斜度だった。 あえぎあえぎ笠岳山頂を踏み小休憩の後、朝日岳へ。この辺りからまたガスりだす。きっと夏道ならなんてことない道のりを50歩進んでは休み、また50歩進むを繰り返す。途中何度か盛大に踏み抜く。この辺りですでに昼過ぎだったので、稜線はだいぶと雪が緩んできていた。 ジャンクションピークより巻機山方面へ バリエーションルートに入る。 予定よりかなり時間が押していた。 加えてこの日はイグルー泊予定だったため イグルーを作る時間も確保しなくてはならない。 ジャンクションピークからのくだりは 踏み抜き地獄な上、恐怖心から後傾になり くだりがまったく進まない。 結局、予定していたよりもかなり手前でのビバークになってしまった。 リーダーが手際良く雪を切り出し イグルーを作ってくれる。 このあたりで自分の足が靴下まで濡れていることに気がつく。この時期に足が靴下まで濡れる事がどんなに致命的か、研修で散々教わった。イグルー完成後、新しい靴下とテントシューズに履き替えたが、その時に見た自分の血の気のない足の色は忘れられない。 予備日は1日設けていたが これだけ靴が濡れてしまっては 先に進むことは危険すぎた。 わたしの今日の体力、雪上歩行技術、靴が濡れるという装備不良、巻機山までの距離諸々加味し、翌日はジャンクションピークを登り返し、白毛門に降る事となった。 自分のせいで余儀なくされた途中撤退。 なんとも情けなくて泣きたかった。 夜中、外はビュービューと風が吹き荒んでいたけれどイグルーの中はまあまあ温かかった。 それでもシュラフ+シュラフカバー、ダウン+ダウンシューズ、胸にお湯を入れたプラティパスでホットパックにしても、何度も寒さで目が覚めた。 翌朝、暗いうちから行動する予定が 疲れ果てて起きたらもう周りが明るかった。 装備を整えてイグルーを破壊してビバーク地をあとにする。 ジャンクションピークまでの登り返しは 正直足の感覚がほとんどなかった。 乾いた靴下にじわじわと濡れた靴の水分が 染み込んでくるのがわかる。 気温は大して低くないが風が強い分 冷却速度が速い。 冬山で靴を濡らすな。 散々言われてきたことを 凍傷になるかも、行動不能になるかも という恐怖を以って痛感する。 足の感覚がない、ということは 雪上歩行をさらに不安定にさせる。 ただただ、集中して足を動かし続けるしかなかった。 幸いジャンクションピークを超える頃には 体が温まったことで足先にも血流が巡り始めた。 けれど、この状態で万が一にも今日、先に進む選択をしていたら、と思うと恐ろしい。 最後の方はだいぶ慣れたけれど 雪上のくだりが苦手なわたしはだいぶと難儀し 笠岳直下のくだりはかなり気分的に消耗した。 けれど意外とあるな…と思っていた 笠岳〜白毛毛門までは 歩いて終えばあっという間で 白毛門まで戻ってきた時は心底ホッとした。 長かった白毛門までの登りは 下りもやっぱり長かった。 土合が見えているのになかなか近づかない。 はやく登山靴を脱ぎたかったし 荷物をおろしたかった。 折しも、撤退を余儀なくされた 4月1日は日本登山医学会公認の山岳看護師に認定された日だった。 それなのにこのお粗末な展開。 下山してしばらくは なかなか前向きな気持ちになれなかった。 けれど謙虚に前に進みなさいという 山からのメッセージなのだと 思うことにした。 技術も体力も 継続してやり続けなければ自分から離れていく。 年齢を重ねれば、尚更だ。 唯一、無事に下山できたことだけが 最低にして最大のよかったこと。 反省は多々あるけれど 怖かったこと、悔しかったことも含めて 自分の財産にしていこうと思います。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 情報は3/31〜4/1のものです。 雪の状況等は最新のものをご確認ください。

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