天城山(縦走コース):北風とともに

2023.12.03(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 24
休憩時間
25
距離
16.8 km
のぼり / くだり
1372 / 944 m
21
26
1 13
41
25
23
4
12
22

活動詳細

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静岡県南東部、伊豆半島中央部に位置する『天城山(あまぎさん)』。最高峰である『万三郎岳(ばんざぶろうだけ、1406m)』を筆頭に、『万二郎岳(ばんじろうだけ 1,299m)』など複数のピークを連ね、悠然とそびえるその姿は伊豆半島を代表する山稜として知られている。太古の火山活動により形成された同半島にあって、本峰も同様に荒ぶる大地の申し子であるが、それらも落ち着いて久しい現在は豊かな植生に彩られている。また、日本百名山の一つにも数えられていることから、全国の登山者から注目を集める存在だ。   さて、代休取得で連休となったこの週末を利用して、二泊三日で伊豆への旅路へ赴くこととなった筆者。ただ観光地を巡るのも良いが、やはり周辺の山路にも立ち寄りたいところである。そうとなれば、上述の『天城山』はまさしく見逃すことのできない一座であろう。また登山口までバス路線も通じており、各観光拠点からのアクセスも比較的容易だ。   かくして、一日目は伊豆半島南東部の歴史薫る街、下田を訪ねたのち、二日目はこの『天城山』を目指すこととした。なんだかんだで此度の旅行の本命となる山路へ向け、張り切って出発だ。     <注意事項> 今回辿った縦走ルートはコースタイムが7時間25分程度(山と高原地図)で、バスの始発便を利用したとしても、晩秋~晩冬の時期は下山が日没に間に合わない可能性が高い。したがって日の長い時期に挑むか、逆向きに辿った方が無難である(逆ルートの場合コースタイムが短くなるうえ、バスの始発便も早い)。   <アクセス> ※データは全て令和5年12月3日現在のもの ・往路  08:40 河津駅バス停     東海バス 修善寺~河津駅線乗車  09:24 天城峠バス停下車      運賃:880円 ・復路  16:10 天城縦走登山口バス停     天城東急リゾートシャトルバス乗車  17:05 伊東駅バス停下車      運賃:1020円 ※復路において上記の便に乗り遅れた場合は、17:40発の便も利用可能。   <記念バッジ> 天城高原ゴルフ場のクラブハウス(天城縦走登山口バス停から徒歩1分)および、ホテルハーヴェスト天城高原(同バス停からバス10分)の売店にて購入可能。

天城山・鉢ノ山・三筋山 二日目の朝は、前泊地の下田から伊豆急行線の列車で河津へ移動。バスに乗り換え、登山口となる『天城峠』バス停に到着だ。支度を整えたら、写真中央のフェンス沿いに延びる道から登山道へ進出である。
二日目の朝は、前泊地の下田から伊豆急行線の列車で河津へ移動。バスに乗り換え、登山口となる『天城峠』バス停に到着だ。支度を整えたら、写真中央のフェンス沿いに延びる道から登山道へ進出である。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『天城峠』バス停から先は、しばし砂防堰を見送りつつ、階段状に整備された道程を少しずつ登ってゆく。
『天城峠』バス停から先は、しばし砂防堰を見送りつつ、階段状に整備された道程を少しずつ登ってゆく。
天城山・鉢ノ山・三筋山 階段を登りきっていったん周囲が拓けると、『旧天城隧道(※)』の前に出る。このトンネルは今を遡ること120年近く前の明治38年に竣工したもの。その貫通によって、当時陸の孤島同然だった南伊豆との交通が劇的に改善されたそうだ。
現在も林道の交通路として現役である。
 
※ちなみに、「新」天城隧道は一枚目の写真右奥に写っているトンネルである。
階段を登りきっていったん周囲が拓けると、『旧天城隧道(※)』の前に出る。このトンネルは今を遡ること120年近く前の明治38年に竣工したもの。その貫通によって、当時陸の孤島同然だった南伊豆との交通が劇的に改善されたそうだ。 現在も林道の交通路として現役である。   ※ちなみに、「新」天城隧道は一枚目の写真右奥に写っているトンネルである。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『旧天城隧道』前から再び登山道へ入り、ゆるめのつづら折りを繰り返すと、最初の分岐点となる『天城峠』に到着だ。スタート地点のバス停も『天城峠』という名称だったが、それはここに肖ったもののようである。
『旧天城隧道』前から再び登山道へ入り、ゆるめのつづら折りを繰り返すと、最初の分岐点となる『天城峠』に到着だ。スタート地点のバス停も『天城峠』という名称だったが、それはここに肖ったもののようである。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『天城峠』から右手の道に入ると、少々足場の細いトラバース道へ。落ち葉に覆われているので滑らないか心配になるが、足元はしっかり踏み固められているので大丈夫だ。
『天城峠』から右手の道に入ると、少々足場の細いトラバース道へ。落ち葉に覆われているので滑らないか心配になるが、足元はしっかり踏み固められているので大丈夫だ。
天城山・鉢ノ山・三筋山 登山道が鋭角に折れて若干の急坂を過ぎると、その先はしばし、なだらかな尾根筋を辿る。
登山道が鋭角に折れて若干の急坂を過ぎると、その先はしばし、なだらかな尾根筋を辿る。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『天城山』の山路は大部分が木立に覆われているが、『天城峠』から後述の『向井峠』までの間では時折、富士山の姿を綺麗に拝めるスポットも。
『天城山』の山路は大部分が木立に覆われているが、『天城峠』から後述の『向井峠』までの間では時折、富士山の姿を綺麗に拝めるスポットも。
天城山・鉢ノ山・三筋山 そののち、次なるチェックポイントである『向峠』へ。こちらは、分岐する道などは特に無いが、道標のほか測量点らしきものが置かれている。
そののち、次なるチェックポイントである『向峠』へ。こちらは、分岐する道などは特に無いが、道標のほか測量点らしきものが置かれている。
天城山・鉢ノ山・三筋山 ちなみに『向峠』の道標には、何故かスタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する悪役『ムスカ大佐』が描かれた石が乗っていた。以後はしばらく、脳内BGMに同作品の主題歌である『君をのせて』が流れ続けることとなった。
ちなみに『向峠』の道標には、何故かスタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する悪役『ムスカ大佐』が描かれた石が乗っていた。以後はしばらく、脳内BGMに同作品の主題歌である『君をのせて』が流れ続けることとなった。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『向峠』からは再び、緩やかなトラバース道が続く。時折ガレた沢筋を通過する形となるが、慎重に通過すれば問題ない。
『向峠』からは再び、緩やかなトラバース道が続く。時折ガレた沢筋を通過する形となるが、慎重に通過すれば問題ない。
天城山・鉢ノ山・三筋山 写真とはあまり関係ないが、時折トラバースから開けた場所に出ると、足元が落ち葉に覆われ、踏み跡が明らかでない箇所にも差し掛かる。そういった場所ではこの先進むべき道が分かり辛く、YAMAPアプリを確認しつつ慎重に行く手を見定めることとなった。
写真とはあまり関係ないが、時折トラバースから開けた場所に出ると、足元が落ち葉に覆われ、踏み跡が明らかでない箇所にも差し掛かる。そういった場所ではこの先進むべき道が分かり辛く、YAMAPアプリを確認しつつ慎重に行く手を見定めることとなった。
天城山・鉢ノ山・三筋山 やがて、若干の急坂を登りきると他コースとの合流点となるT字路に突き当たる。そちらを左折すると、立派な公衆トイレが佇んでいる。
やがて、若干の急坂を登りきると他コースとの合流点となるT字路に突き当たる。そちらを左折すると、立派な公衆トイレが佇んでいる。
天城山・鉢ノ山・三筋山 公衆トイレ前から一旦脇道へ。その先にはやや唐突な感のある、金属製の展望台が置かれている。
公衆トイレ前から一旦脇道へ。その先にはやや唐突な感のある、金属製の展望台が置かれている。
天城山・鉢ノ山・三筋山 先述の展望台からは、この先に待つ『八丁池』や『小岳』のほか、稜線の向こうに富士山の姿もチラリと伺うことが出来た。
先述の展望台からは、この先に待つ『八丁池』や『小岳』のほか、稜線の向こうに富士山の姿もチラリと伺うことが出来た。
天城山・鉢ノ山・三筋山 展望台から元の道へ戻り、やや下り基調に進むと『八丁池』のみなもが広がっている。同所は火口湖ではなく、断層のズレによって生じた窪みに水が溜まった湖とのことで、『天城の瞳』とも呼ばれているそうな。
湖畔でクリームパンを食べて一休みしたのち、引き続きその先へ。
展望台から元の道へ戻り、やや下り基調に進むと『八丁池』のみなもが広がっている。同所は火口湖ではなく、断層のズレによって生じた窪みに水が溜まった湖とのことで、『天城の瞳』とも呼ばれているそうな。 湖畔でクリームパンを食べて一休みしたのち、引き続きその先へ。
天城山・鉢ノ山・三筋山 ちなみにこの日の『天城山』周辺は非常に風が強く、時折吹き付けてくる寒風に悩まされつつ進むこととなった。ただ、上述の通り本峰は山頂周辺まで樹木が茂っているため、その影響も限定的で済んだのかもしれない。
ちなみにこの日の『天城山』周辺は非常に風が強く、時折吹き付けてくる寒風に悩まされつつ進むこととなった。ただ、上述の通り本峰は山頂周辺まで樹木が茂っているため、その影響も限定的で済んだのかもしれない。
天城山・鉢ノ山・三筋山 そののち、次なるチェックポイントである『白田峠』へ。付近にはベンチも置かれている。
そののち、次なるチェックポイントである『白田峠』へ。付近にはベンチも置かれている。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『白田峠』を過ぎると、またしてもトラバース状の道程となるが、これまでよりも足場が狭い箇所も現れるため、若干の慎重さが求められた。
『白田峠』を過ぎると、またしてもトラバース状の道程となるが、これまでよりも足場が狭い箇所も現れるため、若干の慎重さが求められた。
天城山・鉢ノ山・三筋山 トラバース道から再び尾根筋に出ると『戸塚峠』に出る。こちらもベンチの置かれた休憩スポットだ。
トラバース道から再び尾根筋に出ると『戸塚峠』に出る。こちらもベンチの置かれた休憩スポットだ。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『戸塚峠』から少し進むとこれまでにない急坂に差し掛かり、本日最大の頑張りどころとなる。道中、ロープの張られた岩稜帯も現れるが、少なくとも登りではそちらに頼らずとも突破は容易であった。
『戸塚峠』から少し進むとこれまでにない急坂に差し掛かり、本日最大の頑張りどころとなる。道中、ロープの張られた岩稜帯も現れるが、少なくとも登りではそちらに頼らずとも突破は容易であった。
天城山・鉢ノ山・三筋山 先程の急坂を登りきると、本日最初のピークとなる『小岳(1360m)』に到着だ。
先程の急坂を登りきると、本日最初のピークとなる『小岳(1360m)』に到着だ。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『小岳』を過ぎて『片瀬峠』と呼ばれるコル部から登り返すと、再びガレ場の急登へ。とはいえこちらはそれほど長くはなく、ほんの少し足元に気を付ければ、決して難しい道程ではない。
『小岳』を過ぎて『片瀬峠』と呼ばれるコル部から登り返すと、再びガレ場の急登へ。とはいえこちらはそれほど長くはなく、ほんの少し足元に気を付ければ、決して難しい道程ではない。
天城山・鉢ノ山・三筋山 先程の急坂を登りきって分岐点を右手へ。階段状に整備された坂を登れば、『天城山』の頂は目の前だ。
先程の急坂を登りきって分岐点を右手へ。階段状に整備された坂を登れば、『天城山』の頂は目の前だ。
天城山・鉢ノ山・三筋山 しかるのちに、『天城山』の最高地点である『万三郎岳』に登頂である。
しかるのちに、『天城山』の最高地点である『万三郎岳』に登頂である。
天城山・鉢ノ山・三筋山 なお、この頂も周囲は木立に閉ざされており、残念ながら展望はほとんど得られなかった。また相変わらず北風が冷たかったため、足早にその先を目指す。
なお、この頂も周囲は木立に閉ざされており、残念ながら展望はほとんど得られなかった。また相変わらず北風が冷たかったため、足早にその先を目指す。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『万三郎岳』からはいったん、次なるピークとのコル部へ向け向けて下り返す。足元を覆う落ち葉で滑りやすい箇所にも出くわすが、特に手こずらされるようなことは無かった。
『万三郎岳』からはいったん、次なるピークとのコル部へ向け向けて下り返す。足元を覆う落ち葉で滑りやすい箇所にも出くわすが、特に手こずらされるようなことは無かった。
天城山・鉢ノ山・三筋山 続いて、『石楠峠』というコル部から登り返すと、なだらかな小ピーク付近で『アセビのトンネル』に差し掛かる。ここはその名の通り早春の時期に、両脇から頭上に至るまで、アセビの彩りに包まれるようだ。
続いて、『石楠峠』というコル部から登り返すと、なだらかな小ピーク付近で『アセビのトンネル』に差し掛かる。ここはその名の通り早春の時期に、両脇から頭上に至るまで、アセビの彩りに包まれるようだ。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『アセビのトンネル』からわずかなアップダウンの先に、本日最後のピークとなる『万二郎岳』が待っている。
『アセビのトンネル』からわずかなアップダウンの先に、本日最後のピークとなる『万二郎岳』が待っている。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『万二郎岳』山頂付近からは、わずかに南側の見晴らしが拓けており、伊豆半島の山稜の向こうに太平洋の海原を見晴らせる。
『万二郎岳』山頂付近からは、わずかに南側の見晴らしが拓けており、伊豆半島の山稜の向こうに太平洋の海原を見晴らせる。
天城山・鉢ノ山・三筋山 『万二郎岳』からは、麓のリゾート地である天城高原に向け、一気に下る形となる。時折現れる登山道が深くえぐれている地点では足元が湿りがちで、滑らないよう注意が必要だった。
『万二郎岳』からは、麓のリゾート地である天城高原に向け、一気に下る形となる。時折現れる登山道が深くえぐれている地点では足元が湿りがちで、滑らないよう注意が必要だった。
天城山・鉢ノ山・三筋山 急坂を慎重に下りきると、その先は比較的なだらかな道が続いている。しかしながら足元がガレている箇所も多く、まだまだ気は抜けない。
急坂を慎重に下りきると、その先は比較的なだらかな道が続いている。しかしながら足元がガレている箇所も多く、まだまだ気は抜けない。
天城山・鉢ノ山・三筋山 そののち、別コースとの合流地点から登り返しに入り、車道に突き当たれば下山完了だ。
なお此度の山行はやや余裕の無い計画となってしまったものの、何とか日没までに下山でき、当初の予定よりも早い便のバスに間に合ったのも大きな収穫であった。
そののち、別コースとの合流地点から登り返しに入り、車道に突き当たれば下山完了だ。 なお此度の山行はやや余裕の無い計画となってしまったものの、何とか日没までに下山でき、当初の予定よりも早い便のバスに間に合ったのも大きな収穫であった。
天城山・鉢ノ山・三筋山 下山先にはゴルフ場の広い駐車場があり(登山者も利用可能)、トイレや靴洗い場も置かれている。また車道を1分ほど歩いて登ればクラブハウスがあり、天城山の記念バッジも購入可能だ。
下山先にはゴルフ場の広い駐車場があり(登山者も利用可能)、トイレや靴洗い場も置かれている。また車道を1分ほど歩いて登ればクラブハウスがあり、天城山の記念バッジも購入可能だ。

活動の装備

  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    フジノンレンズ XF16-80mmF4 R OIS WR
  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    ミラーレス一眼カメラ X-T4 シルバー X-T4-S

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