活動データ
タイム
12:58
距離
24.0km
のぼり
832m
くだり
857m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る2021年10月10日朝、長野県大町市の北アルプス、湯俣川沿いの伊藤新道を遡上中の6名パーティ(私もっちとパートナーを含む)のうち、1名が旧第一吊橋跡(当時)上流側左岸(下流から見て右)、標高約1480m付近の岩場(通称「ガンダム岩」)付近にて10数m墜落する遭難事故が起こった。 遭難者(以下「A氏」)は約3時間半後に県警山岳救助隊によりヘリコプターへ収容され、県内の病院へ搬送されるも、出血多量により昼前に死亡が確認された。 伊藤新道は、高瀬ダムから約10kmほど奥に進んだ、高瀬川が湯俣川と水俣川とに分岐した地点から始まる。湯俣川に入ってまもなくの所にある噴湯丘から、湯俣川の右岸(下流から見て左)を遡上すること約30分でガンダム岩に到着する。3枚目の写真にある、高さ5mほどの巨大な岩である。 翌2022年の三俣山荘のご関係者による整備前まで、この場所を通過する手段は「①岩の下の空洞を水線沿いにくぐる」のが主流で、増水時は「②岩右側の土壁を超える」か、「③左岸のザレ場を高巻く」かする必要があった。 私たち6名全員が、ガンダム岩は初見だった。事故現場の川面は急流、右岸は垂直の岸壁に阻まれ、左岸は急峻なザレ場であった。 そこで、経験豊富なクライマーであるパーティリーダーのA氏を中心として、メンバー間でルートファインディングを10数分間に渡って協議した。その結果、ガンダム岩を小さく高巻くルートを選択した。その後、フォロワーのビレイによりロープを伸ばしてルート工作を行ったA氏だが、ランニングビレイをかけた岩が突如崩れ、10数m下の岩場へほぼ垂直に墜落した。 事故発生から11分後に県警への連絡を行なうとともに、応急処置を施したものの、複数箇所の骨折や大量出血があると見受けられ、事故から1時間半ほどで意識レベル低下の徴候が顕れ始めた。 県警ヘリコプターへ収容される直前まで辛うじて意識があったものの、収容時に心肺停止状態に陥った。 A氏を除いた5名は、A氏がヘリコプターに収容された後、自力下山を開始した。サブリーダーのみ先行して病院へ、残り4名は管轄警察署で事情聴取を受け、夕方にA氏のご家族(以下「A夫人」)とメンバー5名が搬送先の病院にて合流し、A氏と無言の対面をした。 A夫人から事故報告書の提出を求められたため、メンバー間で協議の上、サブリーダーと私が中心となって報告書を作成し、事故から4日後に第一版を提出した。その後、A夫人による校閲、修正依頼を経て、事故から2週間後に完成させた。 事故から約3週間後、ご対応いただいた警察署と病院へ、A夫人、サブリーダー、私の3名で訪問し、事故報告と、ご迷惑をおかけしたことに対する謝罪を行なった。 私は、そこで交わされた意見を元に内容をまとめ、山岳遭難救助の実態と遭難防止の観点、事故による身体状況や応急処置、救助活動による身体的影響などについて考察した文書を作成し、翌年1月下旬にA夫人に提出した。 以上をもって、本事故の一通りの事後処理は終了となった。 翌年秋に、私とパートナーが伊藤新道を再訪したことで、一区切りとなった。 https://yamap.com/activities/20324239 追記 2023年4月、上記の報告書と考察文書を基に、再度考察を加えた文書を作成した。 https://drive.google.com/file/d/1Ovr1vXeLCuG4QmmcX2nsn1U8hX-i0jcV/view?usp=sharing ※著作物ですので、転載時はDMにてご一報ください
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