神室山・天狗森・火打岳(秋田,山形)
2026.06.13 (土)日帰り
コース定数:46
平均ペース:130〜150%
しろさん活動日記
https://yamap.com/activities/49087627
山友のしろさんと神室連峰縦走の計画を立て、前日移動で神室ダム広場にて車中泊を行いました。夕食は、一人ピザパーティーです。
【神室ダム広場】
駐車可能台数は20台程度。docomoはやや不安定ですが、楽天とソフトバンクは問題なく通信可能でした。
当日は早朝にしろさんと合流し、まず下山地点となる神室山登山口へ車をデポ。その後、コンビニで補給を済ませて火打岳登山口へ向かいます。
【神室山登山口】
なお、こちらは携帯電話の電波がまったく入りませんでした。文明から少し距離を置き、山へ入る覚悟を決めるには丁度良い場所かもしれません。
【火打岳登山口】
駐車可能台数は6台程度です。
【火打岳登山口〜西火打岳】
登山口を出発すると、まず吊り橋が迎えてくれます。そして間もなく始まる急登。二合目付近まではなかなかの傾斜が続き、まだ目覚め切っていない身体には少々厳しく感じられました。
二合目以降は比較的穏やかになりますが、時折急な登りも現れます。西火打岳手前では大きな雪渓と再びの急登が待ち構えており、それを越えてようやく西火打岳へ到着しました。
【西火打岳山頂】
八合目という標識もあり、どちらかと言えば通過点のような印象を受ける山頂です。眺望も限定的ですが、ここまで登ってきた区切りとして休憩するには良い場所でした。
【西火打岳〜火打岳】
西火打岳を越えると視界は徐々に開けていきます。
そして火打岳へ近づくにつれ、稜線の大展望が現れました。
疲労感は不思議と薄れ、自然と足は前へ進みます。
【火打岳山頂】
20名以上はゆったり休める広い山頂です。
立派な山頂標識と360度の展望は、それまでの登りの苦労を十分に報いてくれるものでした。
けれど、この日の主役は山頂そのものではなかったように思います。
火打岳から小又山へと続く稜線。
それはまるで山と空の境界線をなぞるような、美しく伸びやかな道でした。
幾重にも連なる山並みの上を歩きながら、しろさんと感動を共有し、まるで稜線そのものに招かれるように歩みを進めていきました。
【火打岳〜小又山】
火打岳直下はかなり急な下りです。
「これを登りで歩いたら相当大変だろうな」
そんなことを考えながら通過しました。
その先はアップダウンを繰り返しながらも、美しい稜線歩きが続きます。山並みが描く曲線と咲き誇る花々は実に見事で、疲れた身体を優しく慰めてくれました。
しかし同時に、この区間は本日の核心部でもあります。
長い行程に加え、容赦なく照り付ける日差し。
体力は着実に削られていきました。
しろさんも足攣りの兆候を感じていたようで、当初1時間ごとだった休憩を30分ごとへ変更。消耗を抑えながら進みます。
そうして辿り着いたのが小又山でした。
【小又山山頂】
神室連峰最高峰です。
広さも十分で、火打岳同様に眺望に恵まれた山頂でした。
ただ私は熱疲労の影響で食欲が落ち、プロテインバーすら飲み込めず、ポカリスエットで流し込む有様でした。
しばらく休憩し、神室山へ向かおうとしたその時。
空が表情を変えました。
【小又山〜天狗森】
降り始めた雨に、私は思わず歓声を上げました。
「恵みの雨だ」
熱に弱い私にとって、それはまさに救いだったのです。
しかし喜びも束の間。
雨は豪雨へ、そして雷鳴を伴う荒天へと変わりました。
レインウェアを持参していなかったことを少し反省しながらも、慌てず、急がず、しかし確実に前へ進みます。
やがて雹まで降り始め、ソフトシェルを叩く乾いた音だけが耳に残りました。
それでも不思議なことに、身体は少しずつ楽になっていきます。
改めて、自分が暑さに弱い人間なのだと実感させられました。
30分ほどで雨は落ち着き、気付けば天狗森はすぐ目の前でした。
【天狗森山頂】
分岐から少し進むと山頂広場があります。
広さは10名程度。
眺望は控えめですが、静かな雰囲気のある場所でした。
記念撮影をしようとしたところで再びゲリラ豪雨に襲われたため、撮影を済ませて早々に神室山へ向かいます。
【天狗森〜神室山】
分岐から神室山方面へ進むと、一気に視界が開けました。
眼下には美しい稜線。
しかし神室山周辺にはガスが掛かり、山頂は白く霞んでいます。
本来なら残念に思う場面なのかもしれません。
けれど、その姿はどこか幻想的で、むしろ神秘的な美しさを感じさせました。
もっとも、その頃の私たちは景色に酔いしれる余裕はあまりありませんでした。
私は暑さによる消耗と戦い、しろさんは足攣りの気配と向き合っていたからです。
最後の急登を登り切れば、本日最後のピーク。
避難小屋を視界に捉えながら、一歩ずつ進みました。
【神室山山頂】
広さは15名程度。
祠があり、少し下った場所には避難小屋があります。
火打岳や小又山と同様に素晴らしい眺望を持つ山頂でした。なお、山頂近くに辿り着いた時には空は青く染まってました。
そんな青空の下での記念撮影を終え、避難小屋へ向かいます。
【神室山避難小屋】
一泊協力金3,000円。
20名程度が利用可能で、寝具も整い、とても清潔感のある小屋でした。
ここを活用すれば、パノラマコースから入り神室連峰全山縦走を狙う計画も十分現実的だと感じます。
最後のピークを終えた安心感からか、不思議と空腹を覚えました。
しろさんからいただいた大福がとても美味しかったことを覚えています。
【神室山避難小屋〜神室山登山口】
再び神室山山頂へ戻り、下山開始です。
しばらくは稜線歩きが続きますが、やがて樹林帯へ下る分岐へ到着します。
ここからが思いのほか長く感じられました。
アップダウン、倒木、渡渉。
なかなか素直に標高を下げてくれません。
「まだ着かないね」
そんな愚痴をこぼしながら歩き続け、17時9分、ようやく登山口へ到着しました。
下山後は記念撮影と軽い着替えを済ませ、火打岳登山口に置いた車を回収して解散です。
今回の山行では、体力の衰え以上に暑さへの弱さを痛感しました。
けれど同時に、神室連峰の稜線が持つ圧倒的な美しさと、厳しい状況を共に乗り越える山友の存在のありがたさも改めて感じることができました。
山は時に厳しく、時に優しい。
だからこそ、何度でも足を運びたくなるのだと思います。