冬季神室連峰縦走 小又山/神室山/軍沢岳/大鏑山(最上町窓塞から周回)神室連峰を登る&眺める絶景大周回!
神室山・天狗森・火打岳
(秋田, 山形)
2026年02月21日(土)〜22日(日)
2日間
■天候
一日目:快晴!風は程々。
二日目:快晴!風は程々、10時以降はほぼ無風。
■アクセス
R47⇔最上町窓塞集落
■駐車場
窓塞集落の除雪終了点に寄せれば2台駐車可能。
降雪時は除雪車転回の為のスペースとなるので除雪後に駐車しましょう。
■登山ポスト
なし。今回はCOMPASSとYAMAPで提出。
■山行の主な装備
主な装備
ザック(GREGORY BALTORO 65L)
冬靴(SPORTIVA NEPAL EVO)
シュラフ(NANGA UDD BAG 450DX)3シーズン
シュラフカバー(NANGA WATERPROOF SLEEPING BAG COVER)未使用
フットウォーマー(mont-bell super dry-tec footwarmer ex800)
ピッケル(GRIVEL Monte Rosa 66cm、BLUE BIRD Blue ice 49cm)Blue iceは未使用
スノーシュー(MSR ライトニングアッセント 25inch)
アイゼン(GRIVEL G12 EVO オートマチック)
ダウンジャケット(MAMMUT 10年選手の現役)
ハードシェル(mont-bell 一枚地+保温剤入りの2種)
スノーショベル(mont-bell コンパクトスノーショベル)未使用
グローブ(ワークマン薄手、TEMRES 02winter、mont-bell 2in1 アルパイングローブ)アルパイングローブは未使用
避難小屋の設備が充実しているのでシュラフは3シーズン、マットは持たず。
空いたスペースに調理用ガス×1、ストーブ用ガス×2、その他食料、お酒など。
小屋泊装備で18-19kg。先週の虎毛山小屋泊より重くなった…。
足元は東陵核心部はアイゼン、それ以外はずっとスノーシュー。
手元はストックで歩き出し、越途までの冬季尾根のEL850m辺りでストック+ピッケルに変更しそこから主稜線と東陵核心部終了点まで、あとは最後までストック。
■ルート状況(2026/2/21-22時点)
今回歩いたルートの注意点は以下
①越渡までの冬季尾根のEL750m付近の藪藪尾根
②P1118~越途までのアップダウンと雪庇
③小又山~神室山主稜線の雪庇とクラック
④東陵核心部の降り(最上部の急登やクラック横断2箇所と雪庇)
⑤軍沢岳~大鏑山までのルーファイ、雪庇と雪庇への乗り上げ
⑥P1074から窓塞への冬季尾根の長い長い下りと雪庇と藪
個人的な難しさだと⑤>④>③>⑥>①>②の順かなと。
〇窓塞除雪終了点~越途冬季尾根~小又山~神室山(往路)
除雪終了点から白川の橋を渡り渓流公園を抜けて林道を進み西ノ又沢の橋を渡って左手に見える尾根に適当に乗る。伐採地帯を抜けたりして尾根を進み、序盤から雪庇が見えるが暗いので寄りすぎないようにして歩く。EL550m~600mも広い伐採地帯になっており上部に雪庇が張り出しているので隙間を見つけて乗り上げる。そこから少し細尾根気味になり雪庇が張り出している。EL750m辺りになると雪が切れて藪が出始める。この区間が結構長くて藪にスノーシューを取られたりして歩き辛く3回くらいこのまま下山しようかと思った。P821を越えた辺りでやっと雪上となり、EL850m辺りで尾根が二手に分かれて真ん中が窪んている地形となり、とりあえず左を進んでみたらなかなかの急登。タイミング良くピッケルを出しておいて良かった。結構長めの急登でP1118にも雪庇が出来ており、隙間を見つけて乗り上げる。二手に分かれる尾根を右に進むと序盤は緩やかだが次第に急登になりP1118へ乗るのに苦労しそうだったので左を進んで良かったかなと思う。ここから神室連峰の主稜線が一気に見え始める。越渡までは雪庇帯のアップダウン。崩れている所は避けつつ進み、越渡を過ぎるといよいよ神室山方面も見え始めて正面には最高峰の小又山が聳え立つ。ここからは広い尾根歩きでとても気持ち良かった!小又山も遠目だと壁に見えるが近づくにつれて見た目の傾斜が緩んでくる。スノーシューで充分上がれる斜度だが最後の登りはやっぱり疲れて景色を眺めながらゆっくり登った。小又山からは神室連峰主稜線の縦走となる。火打岳側も神室山側もどちらも素晴らしい雪庇帯の主稜線。天狗森までは少し降って緩やかに登り返る。雪庇の発達が見事。分かりやすいクラックもあればヒデュンクラックもある。天狗森は広い台地になっており展望が抜群だった。天狗森から神室山は一気に降って細かいアップダウン後、最後は一気に登り返る。雪庇に気を付ければ概ね良好な稜線歩きが楽しめます。最後の一気の登り初め辺りは雪庇が崩れていて少し樹林帯側を歩いた。上部は全部雪で埋まっておりどこでも歩ける。東陵との分岐から山頂までもなかなか遠く感じる。ここは踏み抜きとクラックに気を付けながら歩いて神室山へ。山頂は360度の大絶景の展望が広がっていた。
〇神室山~東陵~軍沢岳~大鏑山~P1074冬季尾根~窓塞除雪終了点(復路)
根ノ崎分岐から東陵の始まり。ワカンとBCスキーのトレースあり。早朝なので雪は締まっていました。最上部の一番急な一歩だけ安全にクライムダウン。クラックの横断が2箇所。共に下部1.5m位に藪が見えていました。横断は特に問題無し。雪庇は概ね降りだと左方向が多いが所により右方向にもあるので地形により安全な方向を選択。横断箇所以外にもクラック多数なので最新の注意を払って通過する。テラスとのコルまで来れば安心。ここでアイゼンからスノーシューに換装し以降下山まで。テラスへ登り返し振り返ると絶景の神室主稜線。ここから軍沢岳までは小刻みなアップダウン。雪庇もあるが問題無し。1箇所、軍沢岳直下の雪庇はヤバそうな雰囲気出しています。軍沢岳から周回ルートを外れて宮城山形の県境ラインで大鏑山を目指します。軍沢岳から見える大鏑山はそれ程遠く感じませんでしたが実際歩くとかなりの時間を要しました。初めはとても気持ちの良い雪庇歩き区間。その後EL1050m辺りで広い尾根の降りとなる。ヤマレコでルート外れ警告がなり地図を確認して正面に次へ登る尾根が見えたのでそのまま進んだら谷に向かいそうだったので最後確認すると大きくずれており100m程トラバースして無事にルート復帰。広い尾根だったのでトラバースは問題無し。P889付近も若干地形が複雑で崖の上の雪庇に乗って通過。そこからEL950mに向かって登るが上部には雪庇が並んでいてとても乗り上げられる高さじゃない。先へ進んでみるとたまたま雪庇が崩れた箇所があり、2m位の方さを乗り越えてなんとか雪庇上へ。重荷での乗り上げは苦労した。そこからは登りが続き、お次はEL1,000m付近で今度は雪庇を下降が必要な場面に出合う。ここはアニマルトレースに導かれて同じように崩れている箇所から無事下降。ラストの登りを頑張るとP1074の展望台地に到着。ここから窓塞への尾根降りの始まりだがその前に大鏑山へ。P1074から大鏑山は15分程度の緩やかな登り。比較的展望が良い県境歩きでとても気持ち良かった。大鏑山も広い台地になっており虎毛山が良く見えた。P1074へ戻ってしっかり休憩したら最後の尾根下りへ。序盤は発達した大雪庇の尾根を一気に降って行く。P883まではおても良好な降り。途中、ブナの大木がワイヤーで括りつけられている(倒木防止?)人工物があったり。P883を過ぎてP809を過ぎると乗ったら危なさうな雪庇が出始めて踏み跡明瞭な夏道も出てきたりする。P809を過ぎてからP603の区間がなかなか辛くて雪が切れたり枝藪豊富だったり降っているのに全然景色が変わらず、降りだから耐えられているが登りだったらキレそうな時間が続く。P596あたりで再び雪が出て来てこの頃には気温が上がって雪も腐れて足が取られる。頑張って降ってEL400m辺りでふと右を見ると林道と大又沢が見えて伐採地帯になっており降れそうだったので一気に降って林道に無事降りられた。林道を暫く歩くと東ノ又沢の渡渉ポイントに出る(事前に調査していたので想定内)。飛び石が置いているが川幅が広くて3歩だけ濡れて渡渉。あとは雪原を只管歩いて窓塞へ。
■神室山山頂避難小屋
協力金は1階のカムテン君が鎮座する箱へ。
設備:銀マット、毛布、ガスストーブ、やかん、鍋など
トレイは1階で携帯トイレ(\1,000/1つ)を使用。
2階の冬季入口から出入り。大量の吹き込みがあったが前日(2/20)に野蒜さんが除雪頂きました。ありがとうございます!
ドアノブはしっかり押し込むと締まりますので出入り時はご注意を。
■過去の冬季山行
神室連峰縦走 P1071/火打岳/大尺山(薬師原からよっちゃん新道/大尺山冬季尾根周回)積雪期よっちゃん新道/火打北峰踏破
https://yamap.com/activities/38373479
神室連峰 神室山(役内大橋から)冬季限定ルート
https://yamap.com/activities/29947999
■温泉
ウェルネスプラザ最上 \400
最上町より神室連峰アタック時の御用達。
■感想
先週の虎毛山小屋泊山行で大雪庇の向こうに見えた白銀の神室連峰。この時既に心に決めていました。土日二日間快晴予報で神室山山頂避難小屋泊とし今回歩いたルートは夢のまた夢のルートだなと思い半分いやほぼ妄想で計画だけ立てて保存していました。一応もし行けた時のことを考えて降りで使う尾根(候補2箇所)を少しでも調査したく2月上旬に尾根を試登したり、渡渉の感じを見に行ったりして準備は怠りませんでした。そして3日位前の天気予報でこんだけ晴れ確定なら行くしかない!と腹をくくる。まずは1日目の小屋着を目標とし2日目は体の回復具体でどのルートを歩くか考えるとしよう。装備は先週よりも軽くしたかったので厳冬期シュラフを3シーズンに変えてマットは車に積んだものの結局1つも持たなかった。そしてその開いたスペースに小屋で温まる為のガス缶や食料、お酒が増えてしまってなんだか先週より重くなってしまった…。
DAY1
窓塞除雪終了点に駐車し一人歩き出し。越渡へと繋がる冬季尾根は適当に取り付くとすぐに伐採地帯がある。尾根を平行し作業道もあるので利用できる所は利用する。標高を上げると伐採地帯の上部に雪庇が見えて越えやすそうな箇所を見極める。そこまではまぁ良かったが更に登ると雪切れの細尾根が現れる。スノーシュー脱ぐのも面倒なので進むが藪がまぁまぁあってこれでもかと足が取られる。2,3回転んだ時点で帰ってやろうかと思うが我慢して登るとしっかりとした雪上に出て一安心。地形図では分からなかったが微妙に尾根が分かれる。適用に右尾根を登るが次第に急傾斜となってきたのでピッケル出して登る。日の出を背中で感じながらP1118に着いた。木々はあるが神室連峰が目の前に見える。しっかり休憩を取ってからアップダウンと雪庇を進み越渡に来ると広い尾根に出る。越渡は初めて根ノ崎から神室山、小又山を周回した思い出のルートでもある。もう10年以上前?なので記憶と照合できないが雪上の広尾根トレイルはとても歩き易かった。そして神室山が間近に見える。この時点で感動の波が押し寄せて来る。目指す小又山は遠くから見るとなかなか聳え立っている。アイゼン必要かな?と思いながら行けるところまでと進むとやっぱり近づくと傾斜が緩く感じるの法則でスノーシューで気持ち良く登る事が出来た。ここは右手に天狗森と神室山、左手に火打岳の南神室が見えて神室のど真ん中。登頂20m程手前で山行計画を共有していた野蒜さんが登頂しており続いて私も登頂。二人で冬季神室のど真ん中で感動を分かち合う事が出来たのは貴重な思い出となった。今後の二人の山行の無事を祈ってそれぞれのルートへ。主稜線を歩ける喜びに満たさせるが危険な大雪庇帯に気を引き締めて進む。見えるクラックはまだ分かりやすいがあまり攻め過ぎないように進む。そして夏道より遥かに歩き易い。天狗森はとても広い台地状になっており360度の絶景だった。雪が融けると藪が多めなのでなるほど冬はこうなるのかと。ここから神室山が夏でもやられるなかなか大変なルート。雪庇は所により崩れており樹林を進む場面もあるが樹林も広いし、安全に雪庇も歩ける所もあるし歩きにくい所はない。最後の登りは装備の重さもあってかやはり想定通りにキツかった。それでも歩いたルートを振り返りながら、徐々に大きくなる神室山と小屋を眺めながら登れば力を貰う事が出来た。根ノ崎分岐から山頂はもう一息の距離で3年振りの冬季神室山登頂を果たす。山頂から眺める冠雪の縦走路は歩いて来た思いもあって感動のレベルが前回とは全く異なっていた。小屋は前日泊の野蒜さんのお陰ですんなり入る事が出来た。誰も居ない小屋で店を広げて水を作ったりラーメンがっついたりまったり過ごす。アーベントロートは何度か泊っている神室でNo.1の素晴らしい景色でした。やはり冬だからという理由もあるだろう。シュラフと小屋の銀マットと毛布を借りればぬくぬくであっという間に落ちていた。
DAY2
7時間ほぼ目を覚まさずにスッキリ目覚められた。窓から外を見ると雲が無く新庄の待ち灯かりが見えてこの日も快晴を核心。片付けしながら朝食を食べ準備完了で6時前に出発。前日の疲れもすっかり取れていたのでこの日は予定通り軍沢岳、大鏑山を経由し窓塞への冬尾根を歩く事に決める。因みにエスケープルートは昨日のピストンと小又山を越えてよっちゃん新道から権現山を経由して降りるプラン。というか後者のルートはエスケープではなく難易度としてはプランの中で一番難しいかも。神室山で明るくなり始める東の空を眺めたら歩みを進める。根ノ崎分岐から東陵へドロップイン。最上部の最傾斜部は安全第一で1歩分はクライムダウン。早朝はとても締まっておりアイゼンが良く効いた。クラックを横切るポイントが2箇所あるが下を覗くと藪が見えた。崖の淵の可能性もあるので横切った雪庇が落ちたらひとたまりもない可能性もある。隠れクラックはあまり認められなかったが前日とこの日はかなり気温が高かったので直ぐに口を開ける箇所が出て来そう。モルゲンに染まる稜線や東陵は素晴らしく朝から感動の景色を観られたことに感謝した。クラックと雪庇に細心の注意を払い降るとテラスのコルまで無事歩けたのでスノーシューに換装。テラスと次のピークからは白銀の神室連峰が左右に収まり切れない程見えていた。軍沢岳まではアップダウンが続き、昨日に比べたら軽くなったザックではあったが重荷が堪える。所により雪庇は気を付ける必要がありそう。軍沢岳で大休止。神室山からここまで3時間掛かったことを考えて次の大鏑山は割と近そうに見えていたので3時間は掛からないだろうと予想。軍沢岳からは県境トレイルを辿る。初めは大雪庇の素晴らしいトレイルで歩いてよかったと思う。細かいアップダウンをこなし広い尾根の降りでヤマレコからルート外れの警告が出たので地図で確認。正面に次のピークが見えたのでその方向へ歩けば大丈夫と思い更に進んだ所で地図を見たら大きく外れておりビックリ。100m程トラバースしてやっと復帰できた。もっと気を引き締める必要があるなと思った。その後も雪庇が切れていて樹林帯を歩いたり、広い雪庇上を歩いたりしてEL950mの名もなきピーク辺りで上部の雪庇帯にぶつかる。上がれる高さじゃなかったので進んでみると1箇所崩れている所があり、出来過ぎじゃないか不安になるほどだった。崩れているといっても2m以上登る必要があり重荷での乗り越えはとても骨が折れた。ヘトヘトで乗り越えたらまた雪庇上の良いトレイル。P1074や大鏑山が近づいて来るがなかなか届かない。今度は雪庇の上から降りる箇所にぶつかりどうしたものかと見渡すとアニマルトレースが目に入り追うと1箇所雪庇が崩れている箇所があり無事に降りられたので助けてもらった。そこから最後のP1074まで一気に登ると目の前に連なる神室連峰がどーんを一望。ここからどんだけの人が見た事あるのか?なんて想像しながら荷物をデポして大鏑山をピストン。稜線は登り降りが少なりので割とすぐに大鏑山を登頂。去年のルートと今年のルートで禿岳~神室山まで繋がった事になり、これは嬉しかった。大鏑山~P1074は南側が大きく開けているので絶景が広がっている。降る尾根も見えているので観察しながらP1074に戻って大休止。ここで軍沢岳から3時間経過したようだった。あそこからしっかり3時間掛かっている。繰り返されるアップダウンと暑さも厳しく結構疲弊した。いよいよ最後の降りのP1074冬季南尾根を降る。尾根の上部は素晴らしい雪庇帯が続いており、遠目で観ていた以上に歩き易くクラックには気を付けながらもルンルン気分で歩く。見た目や地図では分からないアップがいくつかあるので降りでも体力は必要。雪庇帯は思ったより長く続いてP883までは概ね雪上を歩く事が出来た。P809を過ぎると尾根が少し細くなり雪が切れ始め枝藪が出始める。降るだけなので我慢して降るがこれが登りだったら発狂しているだろう。更に標高を下げたらまた雪上歩きとなって救われる。EL400mを過ぎた辺りで右手に伐採地帯や沢、林道が見えたので尾根歩きはギブアップして無事に林道へ降りる事が出来た。林道を暫く歩くと事前に調査していた東ノ又沢の渡渉。幅が広いので飛び石があるので嬉しい。それでも3歩分位は濡れたがあとは周回完歩して窓塞集落まで戻る事が出来た。
去年のよっちゃん新道と火打岳、大尺山の周回もテクニカルだったし絶景だったしで感動、満足、充実感が凄かったが、今回の冬季小屋泊縦走も色々な要素がギッシリ詰まった難しいルートだったし何より縦走した神室連峰を二日目に眺めながら降るという神室の山域にどっぷり浸れるルートで前回を上回る内容でした。距離・標高も冬季縦走としては自分史上一番キツかったし限界突破していましたが無事にこの周回を歩き通せて本当に良かったです。記録をちゃんと残したくて写真、コメントがいつもより更に多めになりました。最後までお付き合い頂きありがとうございます。