14:31
30.9 km
2699 m
藪こぎ:化穴山周回+エズラ峰
以東岳・寒江山・天狗角力取山 (山形)
2024.05.18(土) 日帰り
【前段】 化穴山は、厳冬・残雪シーズンに茶畑手前の猿倉山から尾根歩きを考えていたため、GWも後回ししていた。時期は進み、藪山でも行ける山がなくなりつつある。そして行きたいルートもなくなってきた。直近の以東岳までのレポを見ていると、化穴山までの稜線がまだ雪がつながっていそう。そして、1週間前に今回実施予定のレポもあがり、結局化穴山に行くことに。また、来年以降もルートを変えて歩く予定だが、行きたい未踏ルートがないので、とりあえずね。 そして今週の土日はどちらも快晴のため、泊まり山行に行きたいところだけど、まだ肋間神経痛継続中。しょうがないので、日帰り登山で行けるところに。 【行程】【日の出4:18、日の入り18:56】 【駐車場等】 泡滝ダム手前1km地点 手前で落石が散乱していたため、手前で駐車。帰りには、端に寄せられて通行できるようになっていた。 【行程】 泡滝ダム~大鳥小屋~オツボ峰~以東岳~化穴山~三角池~泡滝ダム ※周回ルートをとる場合、逆回り周回が多い。今回は適期をとっくに過ぎていて、小法師山から以東岳までの笹薮登り返し(+390m)がきついことから逆回りとした。 (大鳥池半解氷) カリマーさんからの引用ですが、絶版の飯豊・朝日連峰を歩く(高橋金雄さん著)には、「大鳥池が最も光り輝くのは5月中旬から6月上旬ごろの新緑の時期だ。冬の期間に雪原と化していた湖の解氷が進み、独特のモザイク模様が見られ、美しい。雪山の白と湖水の青、ブナの新緑の緑とが見事に調和して、別世界を演出している」とあるそうです。 カリマーさんレポはこちら https://yamap.com/activities/31729198 【電波】 化穴山あり。その他未確認 【すれ違った登山者】 1人 【装備】 残雪靴、ストック、12本アイゼン(アイゼン不使用) ※6本アイゼンでもいいかと考えたが、直近のレポではP1,446直下が飯豊の石ころび最大 斜度で12本が望ましいと記載あり。またGWに歩いた知り合いにも確認したが、12本とピッケルがいいとのアドバイスを受け、泊まりでなく軽身なので12本持参にしました。 実際はP1,446や化穴山直下の急登でもアイゼン不使用。それ以外の箇所は必要な箇所がなく、ずっとザックの中。完全に雪が繋がって凍結している場合は、必要な斜度だなあと感じました。 【食料】 持参:おにぎり3(朝・昼・行動用)、アミノバイタル1、塩分タブレット2、ミニチョコ5、グミ1、ソイジョイ1、カロリーメイト2、ミニようかん4、ジェル1 消費:おにぎり3(朝・昼・行動用)、アミノバイタル1、ミニチョコ5、ミニようかん2、成城石井プレミアムチーズケーキ1/2(チーズケーキ3個分)、コーヒー1 残:塩分タブレット2、ミニチョコ2、グミ1、ソイジョイ1、カロリーメイト2、ミニようかん2、ジェル1 【感想】 ◆ルートの状況(泡滝ダム~大鳥小屋) ・泡滝ダム先のヤマップ地図上で、注意マークある箇所に登山道崩壊箇所あり。幅5mほどの道路が土砂で寸断され、下の沢道にトラロープがかけられ歩けるように整備されている。崩れている箇所は土がもろいため、ロープを探して安全な場所を通行することが必要。 ・ほか、雪渓トラバース3箇所ほど。そこまで斜度はなく、アイゼンなく通れる。 ・吊橋(冷水沢橋、七ツ滝沢橋)は、まだ板が設置されていない、単管パイプむき出し状態なので注意。 ・七曲りまでは、ほぼ夏道。 ・七曲りから雪が出始め、夏道が雪で覆われ、分かりにくい。夏道に沿うとトラバースになり、直登して進んだ。七曲りを登りきると平坦になり、大鳥小屋まで続く。 ・七曲りまでも水場箇所は何箇所もあり、七曲りの最初の取り付きが最終水場地点のため、ここで水を給水した。 ・大鳥小屋先の水門で休憩。大鳥池の半解氷を楽しみにして来たものの、まさかの全解氷…. 先週のカリマーさんレポでは9割ほど雪があって、今週が見頃だと思っていたため、早い解氷に驚く。そして今日は強風予報で風も強いため、湖面に山々が写らず。 ◆ルートの状況(大鳥小屋~オツボ峰~以東岳) ・大鳥小屋から序盤は、雪道と夏道のミックス。雪で夏道が隠れ、ルートを外れやすいので地図確認。 ・中腹を過ぎると完全に夏道で、夏道通りに歩く。 ・P1,400を超えると、オツボ峰~以東岳に続く稜線。そこから化穴山~甚六山の稜線美が素晴らしい。 ・三角峰もすぐそばなので、ピークハント。序盤は草で楽々歩けるが、上部は藪のため、右手雪渓を活用。 ・P1,400~以東岳までは10割夏道。難しい箇所なし。 ・当初予定より1時間30分ほどまいていたため、エズラ峰へ寄り道することに。今年障子ヶ岳を登った際に、際だった山容に気になっていた。 ・エズラ峰までは200m下り、数10mの登り返し。鞍部までの下りは、直下が膝丈の笹薮、中部は草紅葉。鞍部近くに池塘あり。鞍部まではとてもいいところだった。 ・鞍部からの登り返しは、膝上程度の藪漕ぎがほとんどだが、エズラ峰手前ピークから腰丈、背丈の藪漕ぎもあり。藪は松、ハイマツ等。地形図を見ると、大したことがなさそうに見えるが、稜線からエズラ峰まで片道50分強。雪0の藪漕ぎはやはり疲れる。 ・エズラ峰山頂には赤布あり。8の字周回の中間尾根であり、少し違った角度の景色が楽しめる。以東岳から大朝日に続く稜線、相模山は美しかった。 ・エズラ峰~稜線までは1時間。 ・稜線に戻り、2時間の寄り道終了。以東岳を目指す。 ・以東岳の景色を堪能し、風があるため以東小屋で休憩。 ◆ルートの状況(以東小屋~小法師山) ・以東岳から小法師山までは、胸丈の笹薮。笹薮のためきつさはないが、マダニに注意。 中腹以降、ハイマツなども若干混ざるため、完全に雪がない今日の状況だと逆回りだとかなり時間がかかると感じた。直前でルート回りを変更して大正解だった。 ・1週間前は、この150mの登り区間も雪があり、低灌木と笹ヤブで楽に歩けたとあったが、今週はたぶんかなりきついと思う。 ・以東岳からP1,556までは雪0。P1,556から100mの下りも雪なし。1週間前は1556Pから下った1480m付近が急トラバースがあったよう。 ・P1456から残雪利用で小法師山まで。下り区間は雪が緩み、アイゼン不要だった。下りきった後は、平坦区間で雪道は楽々。 ・小法師山をスルーし下山の分岐となるP1,446へ。 ◆ルートの状況(小法師山~P1,446) ・小法師山から鞍部への下りは雪利用。 ・鞍部から小法師山までの登り返し区間(+140m)が、藪と雪のミックス。雪の区間は急斜面。 ・雪が出ている区間は全て雪利用。 ・P1,396ピークに向けて登る雪区間が1番の斜度だった。残雪もほぼ切れ落ち、キックステップで進む。ほんの5m程度だが、アイゼン着用が望ましい。 ・6割ほど藪で、藪は背丈以上の密藪。尾根上に岩場があり、尾根中心の岩場を歩いたほうが藪が薄く感じた。 ・鞍部からP1,446に登るまでで、藪漕ぎの結果1時間もかかってしまった。きつかった~。 ◆ルートの状況(P1,446~化穴山~P1,446) ・P1,446から下る尾根も、ほとんど雪がないように見える。時刻は14時。化穴山までのも藪があり、ここで撤退がいいか考える。相方が藪漕ぎで少し遅れをとっていたため、とりあえず進むことに。 ・進んだものの、P1,446直下70mの下降区間が、密藪。背丈以上の藪で密度が濃い。P1,446も藪だったため、どこか雪に出たら荷物をデポと考えていたが、なかなか雪に出なかった。 ・やっと雪が3m区間あり、そこで相方を待ち、相談。大鳥小屋以降の道も難しくなく、ヘッデンでも下れることから進むことに。 ・ザックをデポし、P1,376から化穴山を目指す。右斜面など雪が出ているところは下って登り返して藪を回避。藪と雪の交互を繰り返す。ザックをデポ地点からは、想定より雪が残っており、30分で化穴山まで来ることができた。 ・化穴山直下は急。 ・山頂は草紅葉で藪がなく、展望が開けている。ここまで藪こぎで時間がかかっただけに、以東岳が遠く見える。以東岳から化穴山を見たときは近く見えたけど(笑) ・化穴山から続く、甚六山、白岳等。未踏ルートが気になる。時間もあるため、山頂滞在わずか5分でP1,446へ戻る。 ・下山が遅くなりそうなため、電波が入るここで家族へ連絡。 ・デポ地点からは、P1,446までは15-20分程度の格闘で到着。 ・デポ地点で相方と差が開きそうだったので、藪だとペアで差が開くと、今後暗くなる上で危ないため、ここから相方を先頭に出して歩くことに変更した。 ◆ルートの状況(P1,446~三角池~泡滝ダム) ・P1446から100m下るまでは藪。1週間前にあったと思われる雪庇はなかった。 ・P1,356からは、急に雪がつながり始め、8割方雪歩行が可能になった。 ・下り斜面は急な箇所もあるため、念のためアイゼン着用がいいと思う。今回はそのままツボ足で下った。1回滑った。滑っても谷に落ちる斜面でなく停止するので危険さはないが。 ・三角池あたりまで雪もあるように見え、ほっとする。途中藪尾根に突入するものの、三角池まで順調に下れた。 ・三角池周辺は広い尾根のため、地図を確認しつつ、七曲り上部まで。 ・七曲りは下山時でも、道が分かりづらかった。 ・七曲りを終え、水場ポイントに到着すると、あとは夏道どおりにダムまで。 ・予定より30分ほどの遅れで、18時過ぎに車に到着。下山が思ったより早く済み、明るいうちに下って来られた。 ◆全体の感想 ・1週間前は、ギリギリ雪庇を活用できた箇所も、雪がなくなり、かなり藪漕ぎ区間が長くなっていた。 ・賞味期限はちょうど先週末だったよう。今週は藪漕ぎ区間が長く、寄り道のせいではあるが、最後は時間カツカツの山行となってしまった。 ・化穴山は、夏・秋と完全に藪となっても三角池からピストンで登られる登山者も年に数人おり、マイナー12名山のなかでは、藪でも登りやすい山という印象。かくいう相方も、過去10月に三角池から化穴山を日帰りピストンしている。 ・そんな藪でも歩ける山であるものの、藪はなかなか手ごわく、雪があればスイスイな道を何倍もの時間をかけながら歩く。藪の登り、下りと考えると、基本は下りのほうが断然楽だが、藪の枝が向いている方向が、逆向きで自分に向かってきて入れば、下りのほうがきついこともあるということが分かった。 ・今回は藪の行程差などから、以東岳から化穴山への歩行が功を奏したが、今後藪の進路を考える際は、行程差だけでは判断できないものがある。藪の向きなどは、過去レポなどでよくよく調べる必要がありそう。 ・藪区間が長いものの、ほんの少しの雪があると噓のように進み、雪のありがたさを感じる。 ・残雪も感謝だが、登山道整備の労力は半端ないもので、ありがたさを感じる。 ・寄り道のエズラ峰・化穴山を含め、怪我無く(あざだらけ)で完登でき良かった。