#71 奥秩父・甲武信ヶ岳
甲武信ヶ岳
(山梨, 長野, 埼玉)
2025.11.22(土)
2日間
2025年登山活動38回目。(累計71回目)
ザック重量19kg、甲武信ヶ岳登頂時の気温0℃くらい。風3m程、晴れ。
今日は、三連休なので秋のテント泊に。
どこ行こうか迷ったが、奥秩父主脈縦走路の西側にある、甲武信ヶ岳を選択。
瑞牆山付近から始まり、雲取山まで続く奥秩父主脈縦走路を踏破したいため、ひとまず百名山でもある甲武信ヶ岳にご挨拶へ。
今の季節は、大弛峠までのタクシーバスがないので、西沢渓谷側から登ることに。
大弛峠〜甲武信ヶ岳のルートを今後どういうルートで歩くかは、考えなければ。
事前の調べでは、天気は晴れだが、山頂付近の気温は1℃/-6℃の予報で、地面凍結のおそれあり。
秋とは言っても、もう冬の気温。
9月に登った大天井岳では、朝方3℃までとなっていたが、装備は十分で特に問題はなかった。
今回、氷点下以下のテント泊でどのくらいの装備が必要か、テント泊の経験を積むというのが裏テーマだった。
今回、氷点下テント泊ということで追加した装備は、テントシューズ、冬山用グローブ複数、チェーンスパイクあたりで、服装はメリノのタイツとハーフジップロングスリーブ、ネックゲイター。
装備重量はなんだかんだで、過去最重量の19kg。
低山で鍛えてるといっても、これだけ重くなってくると、鍛えて強くなった分が±0、もしくは-になってしまう。
塩山駅に到着し、バス停に並ぶ。
少し離れたところに大菩薩方面のバス停があり、こちらは早い時間から行列になっていた。
今回向かう西沢渓谷行きのバスも、少しずつ人が増えてきたが、バス1台で賄えるぐらいの人数だった。バスは、バス会社の方が人数をカウントされていたので、人数が多ければ増便もありそう。
バスは途中乾徳山登山口を通り、笠取山方面に行く方が降りる広瀬を通り、終点の西沢渓谷へ。
西沢渓谷での下車時では、人数は5人ほど。
バスを降りるとそこそこ人が行き交っており、熊鈴を鳴らした方達が西沢渓谷へ向かっているようだった。
準備をしてしばらく道を進むと西沢渓谷と徳ちゃん新道の分岐へ。
ここに水洗トイレがあるのは、大変ありがたい。ここから甲武信小屋まではトイレや小屋がないので、準備できた。
ついに徳ちゃん新道へ。荷物の重さもあって、なかなかしんどい道が続く。今日もトレッキングポールは使用しない予定。前後を見渡しても、登る方は見当たらない。どうやらここから登る方は稀のようだ。
途中、下ってる方は結構いたので、人通りはあるようだが、登りでは使われない?
一歩一歩が体力を削ってくる。思ってたよりもしんどい。
徳ちゃん新道がおわり、近丸新道からの合流地点で、登ってきた方と今日初めての登り登山者。話をしたところ、今日は雁坂小屋までの計画とのこと。
この合流地点で、ようやく半分。ここから戸渡尾根の登りが始まるのに、更に雁坂小屋までとは。自分には無理。
戸渡尾根辺りからは、下山者とのすれ違いが多くあり、自分への励ましも頂いて元気になった。
このルートだが、ひたすら登りが続く。途中に他の山の山頂があるわけではないので、アップダウンがない。そういう意味ではずっと登り調子のこの道はまだ楽と言える。
何とか甲武信小屋に着いたが、テントは数張り。まだまだ余裕がある。
それにしても、寒い。気温は2℃ほど。じっとしてると一気に冷える。
テント泊受付をしてテントを張る。受付時に、小屋番さんから、余ったのでどうぞとナタデココのデザートをいただいた。
真っ平で開けている場所が空いてたので、テントを張ったところ。。。なんと、ペグが刺さらないほど硬い地質。周囲を見ても、同じ感じの地質の所の方はペグ止めしてないようで、石でフライをとめているようだったため、同じように石でフライ止め。風は一切なく、テントが飛ばされるおそれはなかった。
その後、甲武信ヶ岳山頂へ。一気に視界が開けるが、風があり冷える。夕日に照らされながら見渡す贅沢な時間。山頂は誰もおらず、独り占め。
テント場に戻ると日没が近い。急いでご飯の準備。今日は寒いため、キムチ鍋を作る。〆はうどん。そうこうしていると、気温は-2℃。鍋蓋を開けると湯気がすごいことに。思わず声が出てしまった。
陽が落ちて真っ暗になると、外気温は-5℃に。テント内では、ダウン上下にダウンソックス、手袋は氷点下対応グローブ。ダウンソックスを履いていても、エアマット以外のところに足を置くと、一気に冷えてくるので、マットの上から動けない。
シュラフは、帰ってきてから調べたところ快適使用温度0℃/下限温度-5℃だった。快適使用温度が-5℃だと思ってた。
ダウンと手袋しながら寝ると、寒くはないが暖かくはないレベル。カイロを開けるか迷ったが、無くても大丈夫そうだった。
この状態で寝られた1番の功績は、いつも使ってるエアマットのお陰だろう。NEMOのR値8.5のテンサーエクストリームコンディションズ。これ、最高。背中が一切寒くなかった。
4時に目覚ましをかけて起床。温度計を見ると、-6℃。朝食を食べて、お湯を沸かして保温ボトルに入れる。
その後テントを片付けようとしたら、結露が全てパリパリに凍っていて、フライシートの両面は、触るとグローブにサラサラの霜が着く。
結露なら拭き取れるのだが、そうか氷点下以下のテント泊はこうなるのか。
フライシートを軽くたたみ、クシャクシャと揉み込むことで、サラサラと霜が落ちていく。勿論全部を落としているわけでは無いので、気温が上がってきたら、溶けて濡れが凄そうだ。
日の出前6時に出発。昨晩は気づかなかったが、どうやら南風がすごいらしい。風の音がすごい。
しばらく進むと、木が少ない場所に出る。砂と雪のミックス。風が右から吹き付ける。ネックゲイター、アクティブインサレーション、シェルのフードを被り、進む。シェルで風を防げているので、身体は寒くないが、顔は頬の部分が冷たい。風の強さもあり、-10℃に近かったかもしれない。
破風山避難小屋に立ち寄ると、中にはテントが1張り。休憩したかったが、やめておくことに。とにかく、立ち枯れのルートのため、風がすり抜けながら吹きつけてくる。休憩すると一気に身体が冷えるため、ゆっくりでも歩き続けることに。
破風山に近づいてくると、大きな岩の積み上げを登っていくわけだが、表面が霜で覆われており、非常に滑る状態。
破風山山頂〜東破風山には富士山の見える絶景スポットが複数あり。そこではシャッターチャンスを狙ってる方がいた。ちょうど通りかかった際に、雲が切れたタイミングで、絶景を拝むことができた。
その後、雁坂嶺を通過し、日本三台峠の一つ雁坂峠へ。
実は、この工程2泊3日で計画しており、2日目は笠取山まで行く予定だった。
しかし、この風ありきのテント泊と昨日の疲れが残っており、笠取小屋まで行けなくはないが、体力に少し余裕を持たせておかないとリスクが伴うため、今回はここでエスケープすることに。
雁坂峠から長い下り。
下るだけなら足の疲れはあまり無いが、とにかく長い。途中にベンチも無く、休みどころが難しい。途中何回か渡渉があり、慎重に行く。
ようやく道の駅みとみまで下山してきて、肉ほうとうを注文。「ほうとうは時間がかります。」の注意を見てなかったので、バスの時間が刻一刻と迫る中、急いで食べ終わり、西沢渓谷バス停まで急ぐ。
塩山駅に到着し、電車が来るまで1hほどあったため、北口のカフェへ。温泉という選択肢もあったが、夏と違ってウェアも乾いてしまったのもあり、カフェへ。
今回、休憩所らしい休憩所は霜がついて風が吹きつける破風山避難小屋ベンチしかなかったので、コーヒーを楽しむことができなかった。
ここぞとばかりにアイスコーヒーと塩山産レモンを使用したパウンドケーキをいただき、帰路へ。
今回の山行は、雁坂峠からエスケープしてしまったのが悔やまれるが、体力がまだまだ足りないことを再実感したので、もっとトレーニングしないとなと思った。
秋季に伴うテント泊の経験を通して、次はこうしようああしようと対策も考えられるようになった。やはり夏場とは大きく違う。