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今年の西暦登山は標高2026mの谷川連峰・仙ノ倉山
2026年に登りたい山はどこですか。これまでも西暦と同じ標高の山をめざす西暦登山は盛んで、近年では東京都最高峰・雲取山(2017年)や上州武尊山の支峰・剣ヶ峰山(2020年)などが人気を博しました。
2026年の西暦登山では、久々にビッグネームが登場。それが日本二百名山・関東百名山・ぐんま百名山・新潟百名山などに選定され、ぐんま県境稜線トレイル上に連なる谷川連峰の一座・仙ノ倉山(せんのくらやま・2026m)です。
トップ画像=はらぺこあおむしさんの活動日記
目次
仙ノ倉山ってどんな山?

仙ノ倉山山頂(Maさんの活動日記)
①谷川連峰の最高峰かつ唯一の2000m峰
②滝と断崖が由来となった山名
③美しい高原状の稜線を彩る花々や紅葉
谷川連峰の最高峰かつ唯一の2000m峰

谷川連峰の主峰・谷川岳(撮影:鷲尾 太輔)
群馬県と新潟県の境に連なる谷川連峰。日本百名山でもある主峰・谷川岳(1977m)を筆頭に、湯檜曽川を挟んで東側に連なる朝日岳(1945m)・白毛門(1720m)などいわゆる「谷川連峰馬蹄形縦走」のコース上に連なる山々と、西側へ延びる万太郎山(1954m)・平標山(たいらっぴょうやま・1984m)など「谷川岳主脈縦走」のコースに連なる山々から構成されています。
今回紹介する仙ノ倉山(2026m)も後者の「谷川岳主脈縦走」で踏破する上越国境稜線上に連なる山で、谷川連峰の最高峰かつ、支峰・前仙ノ倉山(2021m)を含めると谷川連峰唯一の2,000m峰です。
滝と断崖が由来となった山名

仙ノ倉沢の滝(もっちさんの活動日記)
仙ノ倉山の山名を構成する漢字のうち「仙=せん」は地元上越地方で滝を示す言葉とされています。実際に仙ノ倉山から北側へ流れ落ちる仙ノ倉谷周辺には滝が点在しており、沢登りでも人気があります。
いっぽう「倉=くら」は断崖を示す言葉として一般的で、谷川連峰でも「一ノ倉沢(いちのくらさわ)」や「俎嵓(まないたぐら)」などの断崖絶壁が点在しています。
美しい高原状の稜線を彩る花々や紅葉

稜線を彩る高山植物(yamanekoさんの活動日記)
こうした由来の山名とは裏腹に、実際の仙ノ倉山周辺は広くなだらかな稜線が続きます。一部は木道も敷設された歩きやすい登山道沿いにはお花も点在し、初夏〜夏は高山植物のオンパレードとなります。
6月のハクサンイチゲ・ハクサンコザクラ・チングルマから始まり、7月にはニッコウキスゲ・クルマユリが目を惹き、シモツケソウ・ハクサンフウロ咲く8月上旬まで、随所で花を楽しめます。

紅葉に染まる仙ノ倉山(iiyamaさんの活動日記)
もちろん、秋の紅葉も見事。例年9月下旬〜10月中旬にかけては、稜線が鮮やかな紅葉と笹のコントラストで彩られます。
仙ノ倉山へ登るには?

仙ノ倉山へは山麓から直接山頂へ続く登山コースはありません。
①東側に連なる万太郎山(1954m)へ吾策新道で(約4時間)
②西側に連なる平標山(1984m)へ平標新道で(約5時間)
まず登って、仙ノ倉山をめざすことも可能です。ただし、コースタイムも長く、特に後者は渡渉もあり一般的ではありません。
前述の通り美しい稜線歩きをより満喫するために
③平標登山口から松手山(1614m)・平標山(1984m)経由で往復
というコースが、日帰りも可能でもっともおすすめです。
>仙ノ倉山(平標登山口駐車場)コース
また宿泊してじっくり楽しみたいのであれば
④平標登山口から平元新道を登り平標山の家に宿泊して周回
>平元新道登山口-平標山-仙ノ倉山-松手山-平標登山口 周回コース
が、無理のないスケジュール設定といえるでしょう。
さらに健脚の登山者であれば
⑤上越国境稜線をさらに縦走して谷川岳をめざす谷川岳主脈縦走コース
>【JAPAN TRAIL】谷川連峰
や、その逆コースもチャレンジ可能です。
今回はもっともメジャーな③のコースを紹介します。
おすすめコース|仙ノ倉山(平標登山口駐車場)コース【7時間50分】
コース情報
コースタイム:約7時間50分
歩行距離:11.9km
累計標高差(上り):1,366m
累計標高差(下り):1,366m
コース定数:31(コース定数とは)

平標登山口のトイレ(やっちんさんの活動日記)
③のおすすめコースだけでなく④・⑤のスタート地点でもある平標登山口には駐車場とトイレが整備されています。国道沿いの200mほど南には平標登山口バス停があり、公共交通機関でのアクセスも便利です。

樹林帯の中の登山道(いっけんさんさんの活動日記)
登山口から平標山へは合目ごとに標識が設置されています。特に四合目あたりまでは写真のようなハシゴやロープも設置された急登で、樹林帯の中で眺望もないため、がんばりどころです。

四合目(よしこさんの活動日記)
鉄塔と送電線が見えてくれば、もうひと息。送電線を潜る場所が四合目にあたり、ここからはやや傾斜がゆるやかな尾根道となります。

松出山(いっけんさんさんの活動日記)
六合目にあたる場所が松手山(1614m)です。標識の通り二居(ふたい)から松出尾根経由でここまで登ることも可能ですが、あまり登山者の通行が多い登山道ではありません。

松出山からの稜線(あっちゃんさんの活動日記)
松手山から先は、笹原に覆われた展望の良い稜線を進みます。振り返ると山頂が台地状になった苗場山(2145m)を眺望することができ、夏には高山植物もカラフルに咲き競います。

平標山山頂(やっちんさんの活動日記)
七・八・九合目の道標を通過して、ところどころ木道や階段が設置された登山道を進むと十合目にあたる平標山です。ベンチが設置された広い山頂は、休憩にぴったりです。

仙ノ倉山への稜線(よしこさんの活動日記)
平標山から仙ノ倉山をめざします。まずは笹原の稜線に設けられたゆるやかな木製階段を下っていきます。仙ノ倉山の東に連なるエビス大黒ノ頭(1888m)の鋭峰が、左奥に顔を出すようになります。

山頂直下の階段(いっけんさんさんの活動日記)
前仙ノ倉山を越えると仙ノ倉山は目前です。木製階段をゆるやかに下り、この階段を登り詰めれば、仙ノ倉山の山頂です。

仙ノ倉山の展望案内板(BKIZさんの活動日記)
展望案内板も設置された仙ノ倉山の山頂からは、全方位のパノラマが広がります。谷川連峰や上信越の名山はもちろん、空気が澄んでいれば南に富士山を望むことも可能です。
仙ノ倉山周辺の山小屋

平標山の家(よしこさんの活動日記)
平標山の家
平標山から南へ延びる稜線上に立つ山小屋で、④の平元新道経由で登山・下山する際に便利です。
・営業:例年4月末〜10月末(要事前予約・テント場は予約不要)
・料金:1泊2食おとな9000円・寝具付き素泊まり6500円
※2025年12月現在の情報です
谷川岳肩の小屋

谷川岳肩の小屋(撮影:鷲尾 太輔)
谷川岳・トマノ耳の山頂直下に位置する山小屋で、⑤の谷川岳と組み合わせた縦走に便利です。
・営業:例年5月〜11月上旬(要事前予約)
・料金:1泊2食おとな10,000円・寝具付き素泊まり7,000円
※2025年12月現在の情報です
避難小屋の利用について

エビス大黒避難小屋(KUKUさんの活動日記)
仙ノ倉山から谷川岳の間には、エビス大黒避難小屋・越路避難小屋・大障子避難小屋・オジカ沢避難小屋が点在していますが、もちろん無人で食事や寝具の提供もありません。
また文字通り悪天候や体調不良などの際に緊急避難するための施設でもあり、最初からこれらの避難小屋へ宿泊することを前提に登山計画を立てることは避けましょう。
仙ノ倉山へのアクセス

平標登山口に停車するバス(森ノルウェイさんの活動日記)
ここでは③のおすすめコースおよび、④の平標山の家経由の周回コース・⑤の谷川岳主脈縦走コースの起点となる、平標登山口へのアクセスを紹介します。
公共交通機関利用の場合
公共交通機関利用の場合は上越新幹線・上越線の湯沢駅が最寄りとなります。ここから南越後観光バス・湯沢〜西武クリスタル線に乗車し、約35分で平標登山口バス停へ到着します。
自動車利用の場合
自動車利用の場合、関越自動車道・湯沢ICが最寄りとなり、約25分で平標登山口に到着します。こちらに併設された駐車場を利用しましょう。
仙ノ倉山で西暦登山を楽しもう!

花盛りの稜線(いっけんさんさんの活動日記)
仙ノ倉山は高山植物や紅葉が美しい稜線上の山というだけでなく、紹介したように様々な登山コースが設定可能で、体力やスケジュールにあわせた西暦登山を楽しむことができます。
もちろん2026年以前にも数多くの登山者から人気を博してきた山ではありますが、ぜひこの機会にチャレンジや再訪してみてはいかがでしょうか。
執筆・素材協力=鷲尾 太輔(山岳ライター・登山ガイド)
山岳ライター・登山ガイド
鷲尾 太輔
登山の総合プロダクション・Allein Adler代表。山岳ライターとして、様々なメディアでルートガイドやギアレビューから山登り初心者向けのノウハウ記事まで様々なトピックを発信中。登山ガイドとしては、読図・応急手当・ロープワークなどの「安全登山」から、写真撮影・山岳信仰・アウトドアクッキングなど「登山+αの楽しみ」まで、幅広いテーマの講習会を開催しています。とはいえ登山以外では根っからのインドア派…普段は音楽・アニメ・映画鑑賞や、読書・料理・ギター演奏などに没頭しています。
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