湯ノ島小屋〜鏡山〜御幣松尾根周回

2023.09.16(土) 3 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 7
休憩時間
41
距離
11.7 km
のぼり / くだり
667 / 345 m
3 12
1 7
DAY 2
合計時間
9 時間 32
休憩時間
33
距離
13.1 km
のぼり / くだり
2096 / 605 m
1 20
23
27
44
23
24
1 40
DAY 3
合計時間
10 時間 50
休憩時間
30
距離
22.3 km
のぼり / くだり
726 / 2541 m
10
13
34
5
1
38
3 30
3 28

活動詳細

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湯ノ島小屋から鏡山に登るルートは小国の井上氏の記録を見て以来温めてたが、去年直前の大雨で実川の林道が不通に…。弥平四郎から降りるルートで考えていたところkozou選手に先を越されてしまった(笑)核心部と思われる沢床に降りる箇所は、Googleマップや現場写真を見る限り尾根を忠実に下れば河原にすんなり降りられそうだが、場合によってはロープか。 一方で実川の林道も崩壊部分を迂回して湯ノ島小屋まで入れるようだ。登りからなら降り口の心配もないし無難だが…。結論としては土曜日天気が微妙なので湯ノ島小屋起点の鏡山周りで歩くこととした。御幣松が下りになるのは残念な気もするが。水晶峰も気になるので実川近辺を偵察したいというのもあった。 ☆湯ノ島小屋まで 湯ノ島小屋までの林道は崩壊地をいくつも超えるが、踏み跡がなんとなくついていた。ビブラムの足跡なので登山者も通ってるようだ。連休中に多くの往来があったようで帰路はもっと明瞭になった。 1箇所ある大崩落地は迂回が必要になる。灌木が出てるのでまっすぐ行けるかと思ったが、手がかりのないスラブを通過する必要があり、あと一歩が出なかった。手前の巡視路で高巻きできるらしいが大変なので、手前の退避場にある釣り師の踏み跡を使って河原に降りた。河原から林道へは適当に崩壊地の砂地を登った。 名物のトンネルが核心部だった。真っ暗で先が見えないしコウモリは飛んでくるし。コウモリのケタケタという人の笑い声みたいな鳴き声は初めて聞いた。怖すぎ。 3時間ほどで湯ノ島小屋。小屋に荷物を置いて鏡山取り付きを偵察する。実川渡渉は飛び石でいけるかと思ったが、微妙に無理だった。裸足になって越えたが石がヌルヌル滑る。水量はヒザ下だったが、実川の水量がこんなに少ないのもヌメるのも異常らしい。 尾根末端の河原から2箇所ほどあるヒドから灌木を掴んで這い上がれた。クライムダウンも問題なかったが、逸れると崖に出てしまうな。尾根をしっかり末端まで辿れば降り口に出られるだろうが、初見では難しそうだ。 ☆実川渡渉~鏡山 翌日5時出発。実川渡渉後、藪を掴んで尾根に這い上がる。しばらく漕いで行くと河岸段丘に尾根が立ち上がってくる。右手にはマナクボ沢が流れており少し上流に滝が見えた。降りて取水できるので下りで行き詰まっても登り返す水は確保できそう。 尾根には人為的な道がついている。ブナの巨木や松が林立している。人為的な道は1000mあたりから途切れ、それ以降は藪の中から獣道を見出して進む。樹高が低くなり灌木にツタが絡まるキツい藪になってきた。最終的に山頂でなく登山道に逃げた。3時間ほどで鏡山山頂。なんとなく体調に優れず吐き気がする。 ☆本山まで、水不足 三国小屋へと向かうと、すれ違った登山者から稜線上に水がないことを教えられる。マジか。祓川山荘に下って一泊してまた鏡山越えで湯ノ島に戻るか?とりあえず三国小屋で作戦会議。切合の沢が枯れるとは思えないのでそこで水を汲んで最悪その水で1泊+オンベ松下山の水に当てることにする。場合によっては弘法清水やおとぎ雪(オトミ雪)に水を求めないとだめか。 切合大日杉分岐。さっそく大日杉方面へ。水源の沢に柄杓とフィルターが置いてあり、取水できた。不純物は浮くが、冷たい清水。4Lほど汲んで本山へ。小屋の水場は枯れていた。 本山、一ノ王子に着くと水場から両手にプラティパスを持った人が上がってきた。汲めるのか!ここまで消費したぶんを汲みに行く。パイプからは1分500mlくらいの水量で出ていた。先に汲んでいた人に聞くと御西は枯れてたという話なので本山泊まりに決める。 ツェルトを張って昼寝してると雨が激しく降ってきた。ツェルトは雨に無力で化繊のシュラフが濡れる。そのうち晴れたが晴れが確定してるとき以外はツェルトはダメだなあ。小屋泊まりにすればよかった。 ☆御幣松下山 翌日、御西まで行かなかったぶんを4時発で穴埋めする。ガスで足元しか見えないなか、登山道を拾って御西へ。5時、御西でヘッデン解除。大日へ登り返し。山頂に出ると風が強い。山頂直下でカッパを着て下山を開始する。 せっかくの御幣松はガス。ときおりガスが切れて峻厳な稜線が見え隠れする。晴れてれば実川と裏川の源頭部や烏帽子山の稜線が眺められるのだろうなあ。草原は明瞭な踏み跡ができており、迷うことはなかった。かなり歩かれてる感じ。尾根は細く、こんなところ積雪期に歩くのはやだな。湯ノ島のノートには今年の5月に大日ピストンしてる人がいた。 早川の突き上げから裏川とはお別れして実川方面へ降りていく。一服平付近は藪がボサッてる。この辺は日当たりも良くて植生的に藪になりやすいんだろうな。ザレた崩壊地などはロープを掴んで下るが、崩壊が進んでロープの位置が矛盾してたりしている。 尾根を折れるとすぐ広場になり月心清水。水場へのヘツリ道は悪い。沢水はチョロチョロと出ていた。 月心清水からは打って変わってなだらかなブナの大木と松の回廊に出迎えられた。陽が当たって明るく鏡山尾根とは大違い。飯豊はどこも最後の下山が厳しいが、ここは道も良くお散歩気分で標高を下げていく。このへんの姫小松が御幣松の由来か。 最後は飯豊らしい急降下で河岸段丘の森に出る。しばらく歩くと捕まり降りる傾斜でアシ沢出合い。エメラルドグリーンの実川が美しい。どうせ誰もいないので服を脱いでひと泳ぎ。 湯ノ島小屋に戻ると新潟の岳人2人が水場で休んでいた。鏡山の取り付きをなぜ知ってるのか問い詰められた。湯ノ島から鏡山は知る人ぞ知るルートらしい。 今回念願の御幣松尾根を歩けた。峻厳さとたおやかさを併せ持ち、どこよりも奥深い飯豊最深部を歩ける素晴らしい尾根だった。ガスのない秋晴れの日にまた歩きたい。湯ノ島小屋までの道はいろいろ需要があるので維持されるだろう。御幣松も登山者が通えば踏み跡は維持されるはずである。

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