10月末には鎖場の鎖が雪による破損防止のため取り払われる荒沢岳。 焦がれた裏越後三山への挑戦ですが、今年は難しいかな…と思っていました。 天候的なタイミングはもちろん、スタート時間や登山口まで家から4時間強の条件を考えると三連休がベスト。ですが今週は仕事の予定。 しかし土曜日半日の力仕事が終わった後、その後の工程が1週間伸びると分かり急遽休みになりました。 このタイミングで車検に出した車も予定が早まり夕方に戻って来る。 行け、とばかりに噛み合った歯車。これはチャンス?それとも罠…? 決行を決意しました。 行程は悩みに悩んだ末、荒沢岳入山の時計回りをチョイス。岩場ナイトハイクはどうかと思うものの、ヘッデンの明るさを考えると登りは正直日中と変わらない。 それよりも逆回りで周回が遅れた場合のここをナイトハイクで下山することだけは絶対に避けたい。 これが正解で…ナイトハイクで無くても結果的に豪雨となった下山時。 逆ルートで周回していたら…とゾッとしました。 あの日見た憧れの稜線を歩く。 立ちふさがるは4つの核心部。 足掛かり明瞭ながら長い荒沢岳への鎖場。 長く怒涛の急登、中ノ岳への登頂。 歩き難く長い長い中ノ岳から駒ヶ岳への道。 そして忘れちゃならない、登山口へ車で向かうまで。 尾瀬御池から奥只見湖を抜けるまでの狭く長く気の抜けない経路も。 長い、しか言ってないですね。…それが一番の核心部です。 荒れて険しい場所が多いこのルート。YAMAPのコースタイムはそうではないコースと比較して短く設定されてしまいます。(時間の掛かる岩場等が考慮されないため) ここを170%〜190%などで周回している先人達などは、つまりは達人たち。 同じ時間で周れると思ってはいけない。 凡人の自分にはペースは参考になりません。 自分にとっては過去で間違いなく最高難度の山行。長く、永く、どこまでも長いその行程。 憧れの裏越後三山。果たして無事周回できたのか…。 それでは行ってみましょう!
それではナイトハイクスタート。駐車場には7〜8台ほど。まだ余裕がありました。トイレもあります。 おそらくベストは銀山平スタート〜枝折峠への縦走ですが、今回は周回なので帰りに長い林道歩きが待っています😓
今回実に長丁場。客観的に俯瞰できて分かりやすかったので登山後の3D動画から切り出し。 今回のルート。荒沢岳から周回する時計回りルートです。
前嵓へ。岩場、ロープ、鎖場が出てきます😳 ご覧の通りほぼ垂直。
アキノキリンソウ
ミヤマママコナ
雲を抜けました。星が見えています。 後続は二組位。 足場が明瞭で登りやすく感じますがほぼ垂直ですし、長いです。
重大な事故もあった上級者向けのコースと書かれた看板が登山口にあります。鎖がないと下山時にかなり難しそう。 朝露で濡れているので慎重に進みます。 この岩場を下から見てみたい気はしますが、まあ垂直の壁ですね😓
楽しかった気がします。荒沢岳、登頂です😆
隣にクワガタが😳 割と寒いですが何用ですか?
日の出時間ギリギリに着く予定でしたが30分程早いですね。
暗がりにうっすら奥只見湖が見えています。滝雲はこれからでしょうか。
特徴的な形は分かりやすい。 尾瀬の燧ヶ岳のシルエットが見えています👀
朝ご飯を食べましたが…進んでいきましょうか。 かなり眺め良さそうな荒沢岳。いつかここだけ日中に登りに来たいです😃 今日は時は金なり。いつかまた。
雄大なシルエット。荒沢岳と日の出なんて良さそう。
荒沢岳から兎岳へ。憧れた稜線です。 地平線にある雲のせいかまだ暗いです。少し日の出が遅れるかも。
少し樹林帯もあって焦りましたが😅 大丈夫。次の樹林帯へは入りません。間もなく日の出の時間です。
来ました。雲の隙間を縫って。
あれ、何だか日の出こうしてまともに見るの久しぶりな気がします😅 だって前回のチャンスは…いえ、もう忘れました😑 ちゃんと見るのは確か飯豊連峰の大日岳の時以来かな?
荒沢岳の険しくも美しい稜線に登る朝日。長い一日となりそうです。
登りました。おはようございます😊
朝日と雲に煙る燧ヶ岳
それでは向かいます。兎岳は中ノ岳への稜線と交わる場所。かなりの距離があります。 藪とまでいかないんですが、朝露で歩くと半端なく足回りが濡れてしまいます。 何と今日も靴の中がびしょ濡れ😓 いやぁ、この季節の極早朝時には下だけでもレインウェア履くしかないのかなぁ😢
稜線は刈り払われて快適な道。 いくつもの小さなピークと下りが連続します。 まだ序盤なので余裕…なんですが、実はここまで足をつって芍薬甘草湯を一回飲んでいます。 ツムラなので今日はあと一回😰
ゴゼンタチバナのたわわな実
振り返って。荒沢岳の稜線。 あぁ、美しい…。うっとり。…足つった。
モルゲンロートと呼べる焼けには至りませんでしたが…、中ノ岳を朝日が照らします☺️
回り込む稜線。裏那須、飯豊連峰、朝日連峰。そして越後三山、裏越後三山。自分が惚れこんだ稜線はどれも美しく、険しいです。
秋の始まりを告げるのはナナカマド。 その名の通り、豊富な水分を含み墨になるまで時間の掛かる木。真っ赤な実をつけます。 実は庭にあるんですが、この実、冬にならないと野鳥はついばみに来ません。 どうやらそのままでは苦く、霜に当たってそれが抜けて行くそうです。 不味いんだな、とばかり思ってました😅
いくつか湿原や草原が。池塘も。水は…大丈夫そうですね。 平ヶ岳は結構枯れてましたが。
これは…アカモノの花ですね。 後でも出てきますが、ここには初夏の花がいくつか咲いていました。 狂い咲きか…いや、ここが他より雪溶けが遅いと言うことでしょうか。
荒沢岳が遠くなっていきます。その向こうの稜線も険しく格好良いですが行けなさそう。
荒沢岳から4つもの名の付いたピークを越えて兎岳へと至ります。
こんな奥地まで刈払い感謝です☺️
リンドウは野草の花のしんがりを務めるアンカー。紫色に変色…花期も終盤です。
灰ノ又山
から見る荒沢岳。あの頂点に居ます。クワガタが。
稜線の見晴らしは良好です。 このなだらかな山容は百名山、平ヶ岳。その右肩に同じく百名山、至仏山。
心地よい稜線歩きを堪能して行きます。 正面に藤原山。左には、にせ藤原山😅 右奥は谷川岳方面。
朝露で光るイワショウブ
草原。キンコウカのない場所では草紅葉はまた早かったです。
こちらオオシラビソ
え、そんな遠くに😮
オオカメノキ
燧ヶ岳。手前に台倉山。
源蔵山通過。 稜線の先、雲に隠れるチェックポイントの兎岳。
草原が出始めました
この水場はよく分かりませんでした😅
あれ、枝折峠ではない方向に滝雲が出てます😳
谷を挟んで向かい側、目指す中ノ岳が左。奥には最終目的地の越後駒ヶ岳。…💧
張り付いていたガスが晴れました。正面に見えるのが兎岳! かなり急ですが、ひとまずあそこへ頑張ります😤
頑張りますが…なんかまずいガスが続々来てますよ😵
オヤマボクチも秋色
辛くなって下を見れば小さな世界。スギゴケとツルアリドオシ。
ヨツバヒヨドリ そう言えば今日、中ノ岳手前でこの花が大好物なアサギマダラを数匹見たんですが、花には目もくれず風に乗ってグライダーみたいに滑空していました。 遊んでいたのか…それとも長い渡りの旅の準備でしょうか。
…😰 あれこっちにくるのかなぁ💦
え、まさか🤯 イワカガミの花ですか!
真っ白な行く先。兎岳の斜面は茶色になったコバイケイソウの群生が何とも寂しい風景。 見た目はもはや晩秋…
イタドリ
イワイチョウの花が😅もう秋ですよ〜。数輪咲いてました。
結構な傾斜を登り続けます💦分岐が見えてきました。 兎岳山頂は左に一旦曲がってすぐ。
兎岳、登頂!やはり荒沢岳以降では一番立派な山でした。 見晴らしは…
いっそ清々しい位に真っ白〜😭 兎だけ、にねぇ💢 もうせめてブロッケン現象でも見えないかと思いましたがそううまくは行かず。
まあ、かわいい看板が見られたから良しとしますか…
それではいよいよ、いよいよ中ノ岳へと行ってみましょう! …遠いな
リンドウもガスでしっとり
ガスが流れる中タイミングを狙って撮りました。池塘が見えています。
奥の中ノ岳、手前に小兎岳
遥か遠く、越後駒ヶ岳💧
綺麗な池塘。 こちらは未だ水不足。水場も涸れている箇所が多いです。 今日はたくさん水分を持参してますが…、ここへ来て気温上昇。 無風だとすごく、暑いです🥵
加えてつりそうな足だけでなくバテに近い感じも出てペースが落ちていきます。 これは…昨日の重労働の疲れが出てきましたか😭
ここまで14km8時間位。この疲れは早すぎる。 体調平気な感じがしたので決行しましたが、実際はここまで疲れていましたか😖 これは…体調を完全に見誤りました。 遠い遠い荒沢岳。周回するこの裏越後三山。 時間的には、今で全行程の「半分」です💦
あらゆるものから力をもらいましょう。 ハクサンフウロが一輪だけ。一輪でも見落とさない鮮やかさ。
まさに最盛期。実りの田んぼ。
ペースを落としたにしても、何だか一向に近付く気配がない中ノ岳😨
小兎岳を越えて、せっかく上がった標高を一旦降りていくのが精神的に辛し😵
素晴らしいジャンピングスタイル
荒々しく迫力に満ちた中ノ岳。 越後三山の最高峰。 見事な眺望、登りごたえもある素晴らしい山です。 ほんとに…名前で損してませんか😓
ヤマハハコ
いくつものピークを越え、下り、登る。
今回もたくさん迎えてくれた小さな花々、コゴメグサ
荒沢岳の方を見れば、谷底にはまだ残雪があります。
😰…嘘でしょ何その傾斜…
ここへ来てトリカブトが群生。お花畑状態に。 それにしても見事な花付き。
さらに初めて登山者とスライド。 どうやら中ノ岳へ登る日帰りの方とタイミングが合ったよう。 もうすぐ、との励ましも受け向かいます。まああと50分位…😅
アイシングスプレーもこっそり使って頑張ります。 ここで中ノ岳から降りてくる方々、十字峡スタートでしょうか。 中にはこちらが荒沢岳から来ていると見抜いた方も。
池ノ段分岐、九合目。まだ結構あるように見えますが。
マツムシソウ
岩場も少し
ここへ来て風が気持ちいい。もう少し!
角度おかしいっ💦
隣のピークに避難小屋。ということは…
!着いた!
意外と広くはない山頂。社と…
石碑が😊 中ノ岳、登頂です!…長かった。
見晴らしは全方向
晴れて良かった😃
あちらが表にあたる越後三山の一座、八海山。 表か裏か。 中ノ岳と越後駒ヶ岳はどちらにも共通で、残りの一座に八海山を入れた3山を越後三山、荒沢岳を入れた3山を裏越後三山と呼びます。 ちなみに「表」の越後三山はさすがに日帰り周回できる距離ではありませんね。
まだ遠くに越後駒ヶ岳。一度通ったけれど…、行くのか、あのルートを😓
荒沢岳からの稜線。そりゃ疲れるなぁ。
南魚沼市の黄金色の田んぼを見ながら。 近場の登山口から登るならかなりオススメの山だと思うこの中ノ岳。 今日は疲労困憊だからきつかったけど、余力十分ならいい感じの登りごたえの感触。 憧れた山は見事な景色で答えてくれました。
ちなみにここも条件が良ければ富士山やアルプスの山々が見渡せるようです。今日は少し霞んでいますね。
さ、山頂で休憩した後越後駒ヶ岳へと向かいます。隣のピークの避難小屋。
雨水を貯めておくポリタンク。捻ると水が出ました。浄水器も考えようかな…
ここを後にしたなら、もう行くしかありません!
八海山、駒ヶ岳への分岐
八海山。 ピークは入道岳。ギザギザ八ッ峰は破線ルートで巻道あり。 越後三山で残る一座。登山口が遠いのでいつ行けるかなぁ。
意外にも刈払いがされていたこの付近。何ともありがたい🤩ここからは次々とピークを登り降りします。
刈払われているとかなり歩きやすい
オブジェのように見える岩
それぞれのピークが立派です
越後駒ヶ岳への遥かな道。 これまでの登山道とは一線を画す荒れた難所です。
イワショウブ。花が終わって実をつけています。
道はどこですか💦
…😶
ナナカマドの赤い実
登山道は藪漕ぎに。岩場、木の根、崩落箇所。本当に歩き難い所です。
この駒ヶ岳への区間、前回と比べかなりの時間がかかってしまいました。本来は知った道なので上がってもいい位なんですが。
小さなリンドウが開いていますね
山頂が見えました
そして、駒の小屋からの分岐。ここまで来ればあとはなだらかです。ふぅ、一安心☺️
数分で越後駒ヶ岳山頂へ。 遂に到着😃 裏越後三山、制覇です!
ここだけ一等三角点。 越後駒ヶ岳については前回詳しく書いているので→(https://yamap.com/activities/26139953)省略しますが、今回は枝折峠へは降りず銀山平へ戻ります。 こちら嬉しいことに登り返しがない。代わりに恐ろしく長い…😑
万全には程遠いですが、達成できて良かったです。 ヘッデンに電池を入れ直します。暗くなる前に登山口へは降りることが出来そうですが、林道歩きが長いので使うことになりそうです。
まるで夏のような雲を眺め…下山します。 …なんて、悠長に語ってる場合ではないっ😖 この後数キロ先にて雷の音⚡。直後に豪雨😵 夜は雨予報でしたが、降ってくるのが4時間以上も早い💦 幸い駒ヶ岳の登山道は整備行き届いているので川になっても大丈夫でしたが、道行山手前まで容赦無く叩きつけて下さいました😭 いやほんと、逆ルートでなくて良かった。ビバークになる所だったかも…。 あ、ちなみに下山ルート上にある道行山、越後駒ヶ岳ルートの分岐から数分でとても眺めが良いです。 枝折峠から駒ヶ岳への登頂の際はぜひ寄ってみて下さい😃
銀山平への下山は急傾斜。特筆するところはないですが、登るのは大変そうですね。
サラシナショウマの大輪の花。 林道〜アスファルト、とても、とても長かったです…。 自分なにしてんだろうな…。 どうして人は山に登るんだろうな… なんてことが頭に次々浮かんできて…道を間違えました😓
体調をしっかり把握するのも技術のうちでしょうね。 今回は反省点がありすぎましたが、憧れの裏越後三山は最高でした。 滝を見ながら… 長々とお付き合い頂きありがとうございます。お疲れ様でした。
この活動日記で通ったコース
裏越後三山(荒沢岳-中ノ岳-越後駒ヶ岳)周回コース
- 19:17
- 29.1 km
- 3128 m
- コース定数 76